マリウポリ陥落で現実味「第3次世界大戦勃発」戦慄のシナリオ | FRIDAYデジタル

マリウポリ陥落で現実味「第3次世界大戦勃発」戦慄のシナリオ

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国際社会で孤立を深めながら強気な姿勢を貫くプーチン大統領。西側との全面衝突の危険性が高まっている(画像:ロイター/アフロ)
国際社会で孤立を深めながら強気な姿勢を貫くプーチン大統領。西側との全面衝突の危険性が高まっている(画像:ロイター/アフロ)

83日間におよぶ攻防に、決着がついたようだ。

5月17日、ウクライナ南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に立て籠もり抗戦していた兵士260人ほどが投降した。ロシアは、事実上マリウポリを陥落させたとみられる。ロシアは当初、首都キーウを数日で占領できると目論んでいたようだが、ウクライナ軍の予想外の反撃で断念。今後はマリウポリを足掛かりに、南部への侵攻を強めようとしているという。

ロシア情勢に詳しい、筑波学院大学の中村逸郎教授が話す。

「ロシアの狙いは、黒海沿岸の制圧です。当面の攻撃目標は、要衝ヘルソンと港湾都市オデーサでしょう。

目的は2つあります。1つは、南部を制圧すればクリミア半島からの補給が容易になること。これまではロシア領から老朽化した橋を使い食糧や兵器弾薬を運んでいましたが、ヘルソンを陥とせば陸路での補給ルートが確立できるんです。

2つ目が、ウクライナへ大打撃を与えられること。ウクライナの最大の輸出品は、小麦などの穀物です。ロシアがオデーサを制圧すれば、海路での輸出が困難に。ウクライナ経済をひっ迫させることができます」

NATOへの偶発的な攻撃が起きる理由

黒海沿岸を進めば、ウクライナの隣国モルドバに行きつく。モルドバは、ウクライナと似た複雑な事情を抱える国。東部にロシア系住民が住み、西部には西側陣営に近い人々が暮らしているのだ。中村教授が続ける。

「最近、モルドバ東部で爆発が起きています。おそらくロシアによる仕業でしょう。ウクライナと同じ理屈でロシア系住民が攻撃されているとでっち上げ、侵攻を目論んでいるのだと思います」

ロシアが黒海沿岸で軍事行動を活発化させれば、戦局がウクライナからヨーロッパ、さらに全世界にまで発展する危険性があるという。

「オデーサには、英国や米国など北大西洋条約機構(NATO)の艦船が出入りしていることが確認されています。ロシア軍により、偶発的に西側が攻撃を受ける可能性がある。NATOとの全面衝突が起こりうるのです。

西側諸国との戦争となれば、もはや局地戦ではありません。第3次世界大戦に発展するでしょう。ロシアは通常の兵器では、西側に太刀打ちできない。西側の脅威を極端に恐れるプーチン大統領は、核兵器の使用も辞さないと思います。人類の危機である核戦争の勃発が、現実味を帯びているんです」(中村教授)

マリウポリの陥落で、新たなステージに入ったウクライナ情勢。ロシア軍の動きによっては、世界全体が悲劇に見舞われかねないのだ。

  • 写真ロイター/アフロ

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