女性記者へのセクハラ疑惑浮上の細田衆議院議長「放言連発のワケ」 | FRIDAYデジタル

女性記者へのセクハラ疑惑浮上の細田衆議院議長「放言連発のワケ」

自民「大物」2世議員、78歳の「現在地」

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「三権の長」である衆議院議長がセクハラまがい!? という情報が、18日午後、永田町を駆け巡った。

衆議院議長として、天皇を背に議会の開会を宣言する細田博之氏。氏の発言が大きな波紋を呼んでいる。公私にわたる「放言」の背景、その「判断力低下」に心配の声も 写真:つのだよしお/アフロ
衆議院議長として、天皇を背に議会の開会を宣言する細田博之氏。氏の発言が大きな波紋を呼んでいる。公私にわたる「放言」の背景、その「判断力低下」に心配の声も 写真:つのだよしお/アフロ

深夜に…?

「今から家に来ないか」

18日夕方、文春オンラインが、第78代衆議院議長の細田博之(78歳)が深夜に女性記者をこう誘ったと報じた。

安倍晋三政権下で自民党最大派閥である清和会研究会を預かり、派閥の領袖として党内に絶大な発言力を誇った細田氏。昨年11月に議長に就任、三権の長に登りつめた「大物政治家」である。

全国紙政治部女性記者が言う。

「清和研は政権担当派閥ですから、取材として平河クラブ、国会記者会、官邸記者会だけでなく省庁詰め記者クラブの記者も接触していました。当時、安倍政権の動静を探ろうと思えば、細田会長の周りに記者が群がるのは当然。若い女性記者をあてれば細田さんの口が軽くなるだろうという思惑は、社のほうにも正直ありました。

会合後、ほろ酔いの細田さんが、何も答えないまま車で走り去った直後、お気に入りの女性記者の携帯に電話をかけてきて、『オフレコなら話してあげるが来るかい?』といったという話は聞きました。情報が欲しい女性記者はすぐに指定先に向かったそうですが、収穫はゼロで、結局、酒の相手をさせられただけだったと怒っていました」

そうした可能性のある男性政治家に「女性記者をあてる」という新聞社の思惑もどうかと思うし、現場の感覚もすこし異様ではある。が、ともかく、こういった噂がかねてよりあったことは事実のようだ。

細田氏自身は20日、疑惑報道について「全く事実と違う」と反論し、厳重に抗議する姿勢を見せた。けれども問題はこれだけではない。このところ、細田氏を巡る報道が集中している感がある。

「月100万円ぽっち」発言の本当の意味

「国会議員の給料は100万円しかないんだから、議員を1人2人増やしたって罰はあたらない」

発言者が衆院議長とはにわかに信じがたい放言が飛び出したのは、5月10日のこと。単なる放言ではない。この「100万ぽっち」発言の背景には、衆院選1票の格差是正に向けた定数見直し法案があるのだ。

「頭で計算した数式で、ただ地方議員を減らして都会(の議員)を増やすだけが能じゃないのではないかと私は考えている」

表向きには「地方選出議員を減少させると地方の声が届かなくなる」とでも言いたいようだ。一理あるように聞こえる。だが、

「これは、安倍元首相への媚(こ)びであり阿(おもね)りであって、さらに言えば、党内権力闘争でもあるんだよ」(自民党重鎮)

この自民党重鎮によれば、細田の思惑は明確だ。

「細田は、安倍1強政権の影響で衆院議長になれた。その、恩ある安倍元首相の選挙区が10増10減によって『合区』となると、選挙で戦う相手は岸田政権のホープ、林芳正外務大臣。表舞台から去った安倍元首相の選挙戦は厳しくなる。ならば『3増3減』として、安倍元首相の選挙区を守り、後方支援したい。岸田政権が短命と見られているなか、安倍の再々登板だってありえなくもない。自身の保身のためにも、94人の大派閥・安倍派勢力を維持したい、ということだよ」

政治家は、選挙のことしか考えていないと言われるが、まさにその通り。しかも、赤い絨毯の先頭を歩く快感を一度経験した政治家にとって、日の当たらない政治活動など苦痛でしかないのだろう。

「放言」が止まらない理由は

細田議長の「3増3減」発言に、自民党二階派最高顧問を務める伊吹文明元衆院議長は苛立ちを隠さず、

「議長が、議会が決めた法案を公然と批判したら、国会の権威は丸つぶれ。衆院議長という立場にいる者には言ってはいけないことがある。議会をなんだと思っているのか」

と痛烈に批判している。細田議長への苦言はこれまでにも党内の多方面からあった。が、数の論理で議長に「なってしまった」。細田自身も自分の口の軽さ、軽率さについては最近も、

「これからは(衆院議長という)立場を自覚して、世の中をお騒がせするような発言を控える」

と自ら諌(いさ)めていた。

以来、これまで繰り返し発言してきた「国会議員定数増」「1票の格差是正法案否定」などの言及は控えてきたが、ここにきて「放言」が止まらなくなってしまったのだ。

先週、地元松江市の自民党会合ではこう話している。

「参院選で隣接県を一つの選挙区を合区とすることは解消を主張してきた。しかし、法改正や憲法改正が間に合っていない」

国会での決定を真っ向から否定する「持論を展開」。これでは、衆院議長による国会軽視、政治の私物化である。細田議長が、こんな「放言」や国会を軽視する発言を「止められない」理由はなんだろう。高齢ということもあり、細田氏の健康状態も心配だ。自民党の実力者の一人として議会に君臨する議長の「現在地」が気になる。

  • 取材・文岩城周太郎写真つのだよしお/アフロ

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