綾瀬、二宮、広瀬アリス…秘話で読み解く春ドラマ「本当の勝者」 | FRIDAYデジタル

綾瀬、二宮、広瀬アリス…秘話で読み解く春ドラマ「本当の勝者」

撮影秘話を一挙出し! 『元彼の遺言状』336万回再生で沸くフジの戦略転換/話題作『17才の帝国』を手掛ける〝女傑〟/ 全然『悪女』じゃない今田美桜の初主演作/超キムタクな『未来への10カウント』の味わい方

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綾瀬がカネに貪欲な敏腕美人弁護士を演じる『元彼の遺言状』。「演技が一本調子」という声もあるが配信が絶好調

春ドラマで話題となっているのが、作品数の増加だ。フジテレビ、TBS、テレビ東京、NHKらが揃って枠を新設。ドラマウォッチャーの北川昌弘氏は「フジは悲願の自局制作ドラマの3枠復帰をはたしました」と歓迎するが、なかでも局を沸かせているのが『元彼の遺言状』(フジ系)だ。

「初回の世帯視聴率は12.1%、コア視聴率(13〜49歳男女の視聴率)は4.2%とまずまずでしたが、配信が絶好調なんですよ。第1話は実に336万回再生を記録しました。主演が綾瀬はるか(37)というだけで要注目ですが、準主役がNHK大河『鎌倉殿の13人』で大活躍している大泉洋(49)。彼がどんな演技を見せるのか楽しみです」(キー局プロデューサー)

このプロデューサーによれば、「フジは確実に戦略転換した」という。

「全体的に視聴率は下落していますが、もはやリアルタイムでドラマを視聴しているのは50代以上の人たちぐらいでしょう。録画や配信で観ている人たちを含めると視聴者はむしろ増加しており、コロナ禍でドラマのニーズが高まっていることが再確認されました。フジは過去の名作から現在放送中の作品まで視聴できる自社の配信プラットフォームで、大々的なキャンペーンを打っています。視聴率から配信へ舵を切ったのです」

『元彼の遺言状』の演出に『王様のレストラン』や『ショムニ』『HERO』などを手掛けた鈴木雅之氏が加わっていることを北川氏は重視している。

「黄金期のエース演出家を投入したあたりに、フジのドラマへの力の入れようを感じる。新設した水曜夜10時枠の『ナンバMG5』は『踊る大捜査線』の本広克行氏が担当していますし」

視聴率でW1位に輝いたのは『マイファミリー』(TBS系)だ。ライターの大山くまお氏は「ハイスピードな展開とスリリングな予定調和のなさ」を絶賛する。

「二宮和也(38)と多部未華子(33)の演技力が説得力を与えています。賀来賢人(かくけんと)(32)、玉木宏(42)ら主演級を脇で起用できるのも『日曜劇場』ならでは」

テレビ専門誌記者は『元彼の遺言状』と『マイファミリー』には「明確な共通点がある」と分析する。

「『マイファミリー』の飯田和孝プロデューサーが『1週間に1話しか視聴できないテレビドラマが配信ドラマに勝つには飽きさせない〝展開感〟と〝スピード感〟が大事』と明言していますが、両作品ともドンドン、事件が解決していく。『グランメゾン東京』などをヒットさせた脚本家・黒岩勉氏が見事、飯田さんのオーダーに応えています。Netflixなどの動画配信サービスが定着した令和の視聴者を意識した作りになっている」

今田美桜(みお)(25)の初主演作『悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜』(日本テレビ系)も好調だ。

「超ポジティブで悪女感は一ミリもありませんが、主演の今田が予想以上にいい。いまの時代に求められている主人公は、何事にも屈しないメンタルタフネスの持ち主なのだとよくわかります」(大山氏)

コア視聴率は2位。「10代の視聴者への訴求力では今田と浜辺美波(21)が双璧です」(制作会社スタッフ)という。

「今田をCMで見ない日はない。インスタグラムのフォロワー数も388万とケタ違いの多さ。『悪女(わる)』はリメイク作品ですが、大人は前作との違いを楽しみ、若者は彼女が女優としてどう飛躍していくのかを目撃するチャンスですから、注目度は抜群です」(キー局プロデューサー)

今田は人気マンガをドラマ化した『悪女(わる)』でドラマ初主演。明るくポジティブで元気に走り回る姿が好評

攻めるNHK、守勢の民放

春ドラマのもう一つの特徴がキャストの豪華さ。春と秋のいわゆる改編期のドラマは各局とくに力が入る、というのが業界の通説だ。たとえば、『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系)では、「上野樹里(35)がヨガインストラクター役でかなり露出度高め」(北川氏)と身体を張っている。

「本作は生き方や事情に合わせた形の恋や結婚を模索するという内容で、新しさを感じました。田中圭(37)、松重豊(59)ら共演陣も安定感があります」(大山氏)

木村拓哉(49)は『未来への10カウント』(テレビ朝日系)で、夢も希望もない「腐った」(本人談)中年男を演じている。

「いままでになかったキムタクが観られるかと思いきや、いつも以上に〝カッコいいキムタク〟のドラマでした(笑)。まわりを満島ひかり(36)、波瑠(はる)(30)、柄本明(73)、八嶋智人(51)、安田顕(48)ら演技派がガッチリ固めていて、キムタクを最高に楽しめるドラマに仕上がっています」(制作会社スタッフ)

ウォッチャーはこのドラマの〝味わい方〟として、キムタクの教え子役の山田杏奈(21)に注目せよ、と口を揃える。

「透明感に演技力を兼ね備えた若手女優です。今作は初回世帯視聴率が二ケタ超え。いいお披露目となるはず」(北川氏)

そして、この逸材を『17才の帝国』(NHK)でヒロインに抜擢した〝女傑〟の存在に業界は注目している。

「TBSで『カルテット』などを手掛けた後、カンテレに移籍して『大豆田とわ子と三人の元夫』を担当した辣腕プロデューサーの佐野亜裕美氏です。本作はAIで選ばれた17歳が実験都市で総理大臣になるという攻めたSF。新聞記者役の松本まりか(37)がいいし、星野源(41)の使い方も贅沢。ヒットの予感がします」(ノンフィクション作家の細田昌志氏)

民放編成担当が補足する。

「『17才の帝国』といい、山下智久(37)に三枚目をやらせている『正直不動産』といい、NHKが攻めていますね。逆に民放はキャストを揃えただけで終わってしまっている。テレビ不況にコロナ禍で、制作費が削られているから、コケてスポンサーに逃げられるのを極端に恐れていて、冒険できないのです……」

制作費の削減がドラマ枠増加の一因になった。そう語るのは制作会社幹部だ。

「バラエティ番組を新規で立ち上げるには資金も時間もかかる。スポンサーもつきにくい。ドラマならスポンサー受けがいいし、作品ごとにチームを作るから、働き方改革にも対応しやすい。前倒し撮影も可能だから、コロナの影響で放送が予定より1週間遅れた、『やんごとなき一族』(フジ系)の悲劇も回避できる。バラエティは消費されて終わりですが、ドラマなら長い目で見て収益化も期待できます。シリーズ化、映画化、サブスク配信での人気が見込めるコンテンツを生み出せれば大きく稼げるのです。

ただ、制作費には限りがあるから、豪華キャストの作品を作る一方で、放送枠を増やし、若手俳優を使った安価な実験作を次々投入して、化けるドラマを探すわけです」

デメリットもある。コストパフォーマンスの高い俳優にオファーが集中し、広瀬アリス(27)のように掛け持ち主演が増え、体調を崩すリスクも高まるのだ。

「広瀬主演の『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジ系)は半年前にクランクアップしていたので、助かりました。ただ、美男美女6人が恋したり、しなかったりという昭和の古臭いラブストーリーみたいな脚本が酷評されて、数字的には大ピンチですが……」

良作が生み出されるチャンスは増えたが、「視聴者の作品を見る目は、かなりシビアになっている」と細田氏は言う。

「SNSの反応を見て、見逃し配信で観る、というのが新しいドラマ視聴モデルになりつつあります。評判が良ければ再生回数を稼げますが、つまらない作品は見向きもされないのです」

視聴者にとっては、いい傾向だが。

髪を振り乱して猛ダッシュ。『持続可能な恋ですか?』での、上野の身体を張った演技がウォッチャーの間で話題
「ブッ飛んだ設定でお伽話みたい」(ウォッチャー・吉井和美氏)とファミリー層が支持する『やんごとなき一族』。写真は、主演の土屋
被害者(二宮&多部)と警察の対立、続発する誘拐事件と『マイファミリー』は飽きさせないストーリー展開が◎
王道恋愛ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』は苦戦。「広瀬は変化球の作品で輝く存在」との声も

『FRIDAY』2022年6月3日号より

  • PHOTO近藤裕介(綾瀬、上野、二宮&多部、広瀬) 鬼怒川 毅(今田) 坂本信二(土屋)

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