遠藤航 森保ジャパンの「カタールW杯4強」が見えて来た

ベルギーリーグ・シント=トロイデンで活躍する新生日本代表の主役に直撃インタビュー

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ベルギーといえばワッフルやチョコレートなどが有名だが「本場のスイーツは美味しいですよ!」とパクリ

「監督もメンバーも替わって、フレッシュさがチームにいい雰囲気をもたらしていると思うし、勢いがある。個人的にはリオ五輪(’16年)など、アンダー世代から一緒にやっていた選手が増えたので、やりやすさを感じているくらいです」

ロシアW杯後に発足したサッカー日本代表”森保ジャパン”は4―0と快勝した11月20日のキルギス戦(愛知・豊田)をもって年内の全日程を終えた。5試合を戦い、4勝1分けと好スタート。チームの心臓部ともいえるボランチで起用される遠藤航(わたる)(25・シント=トロイデンVV/ベルギー)はそう振り返った。

森保一監督(50)が率いる新生日本代表の主役は前線の若いタレントたち、中島翔哉(24・ポルティモネンセ)や南野拓実(23・ザルツブルク)、堂安律(20・フローニンゲン)らであるのは周知の通り。だが、彼らの活躍は後方から攻守にサポートした遠藤の存在があってこそと言っても過言ではない。なかでも、森保ジャパンの評価を高めた一戦――強豪ウルグアイ戦に4―3で打ち勝ったゲームでは、両チーム最多の14本の縦パスを通すなど、存在感が際立っていた。

「満足はしてないですけど、ボランチとしてどういうプレーができるかということはある程度見せられたと思う。いい方向に向かっているとは思います。縦(前)への意識は自分の特長でもある。森保監督の目指しているサッカーは『ゴールに向かって運動量を多くして走る』というのがベースですから」

常にゴールを意識する姿勢は森保ジャパンの初陣となった9月のコスタリカ戦から発揮されていた。66分、遠藤は相手陣地でインターセプトに成功すると、左サイドにいた中島にボールを預けて、自らペナルティエリア内に進入。南野のゴールをアシストした。2年前のリオ五輪のころの遠藤には見られなかった「味方を後ろから追い越す」ランニングだった。

「僕が縦に出たことで相手DFを引っ張ることができ、そこにいいパスが来ました。攻撃に関わっていく姿勢――ミドルシュートはもちろん、フィニッシュに持っていく形を、僕はもっと求めていかなきゃいけないと思っています。リオ五輪のころは攻守のバランスを考え、前に行かないことが多かった。攻撃に絡むプレーは勇気がいるし、タイミングも難しいからですが――いまは『行けるときは行く』というシンプルな考えでやれている」

遠藤はロシアW杯メンバー23人に選ばれながら、1分もピッチに立つことができなかった。その直後、浦和レッズからベルギーリーグのシント=トロイデンVVへの移籍を果たしている。

「W杯のピッチに立てなかった悔しさが海外移籍を後押ししたのは間違いない。求めるのはすべての面での成長。ベルギーに移籍したことで嫌でもアグレッシブなプレーを意識させられますし、ここにはアフリカ系の選手を含め、身体能力の高い選手がゴロゴロいる。彼らとの対戦を日常にすることで、W杯などで対峙する外国人との戦いに慣れることができる」

浦和ではセンターバックなどDFを務めることが多かったが、シント=トロイデンVVでは「ボランチで勝負する」と宣言。身長178cmではセンターバックとして世界に通用しないという、対世界をにらんだうえでの決断だった。

脳裏に焼き付いているのはW杯決勝トーナメント1回戦のベルギー戦だろう。日本は一時、2点をリードしながら、高さを活(い)かしたヘディングでたて続けに失点。終了間際、日本のチャンスだったCKからまさかの逆襲を喰らい、2―3と逆転された。遠藤はただ、ベンチから見ていることしかできなかった。

「最後のベルギーのカウンターには、終了の笛がなるまでゴールを狙いに来る意識――メンタルの面でも世界とは差があることを感じさせられました。執念の差が結果に表れた気がします。ピッチには立てませんでしたが、あの場にいられたことが財産です。『あの逆転負けの悔しさがあったから、いまがある』と言えるようにしたい。しないといけない。シント=トロイデンVVにいれば、ベルギー戦の悔しさを忘れることはないでしょう。そういう意味でも移籍してよかった」

遠藤は、16歳以下の日本代表に選ばれて以来、’16年リオ五輪を含め、世代別代表では常に主将を任されてきた。「ポスト長谷部誠」との呼び声も高い。

「経験を重ね、しっかり結果を残して、将来的にキャプテンを任されるときが来たら、こんなにうれしいことはないです。キャプテンは周囲に気を配る必要があるし、自分のプレーだけにフォーカスしたい人には絶対に向かない。でも、僕はキャプテンをやることで自分が一回り成長できると思う」

11月の代表戦の後、妻と3人の子をベルギーに呼び寄せたのは覚悟の表れだ。悲願のW杯4強へ――将来の司令塔にはやるべきことがハッキリと見えている。

シント=トロイデンはブリュッセルから電車で約1時間の距離にある田舎街。遠藤をはじめ、日本代表DFの冨安健洋、鎌田大地ら5人の日本人がプレーしている
代表では森保監督がレギュラー格で固めた3試合すべてに先発。中盤から攻守に積極参加して相手をかき回した
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  • 取材・文栗原正夫撮影中島大介写真新井賢一/アフロ(3枚目写真)

Photo Gallary8

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