朝ドラ『ちむどんどん』が「クズ俳優」の代表作になる特殊背景 | FRIDAYデジタル

朝ドラ『ちむどんどん』が「クズ俳優」の代表作になる特殊背景

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竜星演じる主人公の兄はやることなすこと裏目のダメダメ男(画像:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

朝ドラ史上ナンバーワンの「クズ」、と大きな話題になっている竜星涼(29)。

……と言ったら語弊があるかもしれない。「クズ」なのは、現在放送中のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』で、竜星涼が演じている主人公のニーニーこと兄の比嘉賢秀だ。

沖縄出身の主人公・比嘉暢子(黒島結菜・25)が、東京に出て沖縄料理を広めていく模様を描いた今作。その行く手を何かと邪魔するのが、竜星涼演じる暢子のダメ兄貴だ。誰よりも心優しく家族思いなのだが、とにかく素行が悪い。

ろくに仕事もせずゴロゴロしていたかと思えば、何でも腕力で解決しようとしてトラブルを巻き起こしたり、怪しい投資話に引っ掛かって家族に迷惑をかけたり。果ては妹の婚約者の親をだましてお金を巻き上げようとする有り様。「演じる竜星涼まで嫌いになりそう」という声が噴出しているほどだ。

しかしこのニーニーへの非難ごうごうぶり、裏を返せばそれだけ竜星涼が好演しているという証でもある。これまでも、その容姿からはギャップを感じるアクの強い演技で高い評価を得てきた竜星。しかしその彼も、最初から今のような個性派俳優として活動していたわけではない。現在の立ち位置にたどり着くまでには、大きな転換点があったようだ。

逸材豊富な世代で出遅れ……

「竜星涼は一目見れば分かるように、いわゆるイケメンです。身長も183cmとモデルのような体型で、何もニーニーのようなクズを演じなくても……と思うはず()。実際、16歳でスカウトされるとトントン拍子で話題のドラマや映画への出演が決まっていきました。

13年には、イケメン俳優の登竜門と言われる戦隊もののヒーローにも抜擢され、本人も『イケる』という自信があったことでしょう。人気ドラマの復活となった『GTO』(14年・関西テレビ、フジテレビ系)への出演が決まったときは、『目標は世界』と豪語していて、かなり強気なオーラも出していました」(インタビューライター)

ところがこの世代というのは、とにかく逸材が豊富だった。山崎賢人(27)、福士蒼汰(29)、菅田将暉(29)、竹内涼真(29……。その中で竜星は正統派すぎて、やや遅れを取ってしまう。

「それで本人もこのままではダメだと思ったのでしょう。だんだんとぶっ飛んだ役や三枚目に挑戦していきます。この方向転換は大成功。何でも演じられるイケメンとして頭角を現し始め、『昭和元禄落語心中』(18年・NHK総合)や『都立水商!~令和~』(19年・MBS、TBS系)など、話題作で主演やメインの役どころを務めるようになっていきます。

そして今回のクズ・ニーニー。これは朝ドラファンに強烈なインパクトを残した。おそらく竜星の代表作になることでしょう。でも、これだけのクズながらどこか憎めず愛されているのは、やはりベースに彼の爽やかな風貌があるから。竜星でなくては成立しなかったキャラクターだと思います」(ドラマ制作スタッフ)

この後、賢秀は得意な豚の世話力を活かし、養豚業で再起をはかりそうな気配だ。幼い頃から「沖縄の一番星になる」という野望を掲げてきた賢秀。竜星も、群雄割拠する同世代俳優の中で、遅れてきた一番星となれるか。ニーニーの行方とともに注目していきたい。

  • 取材・文奈々子

    愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 写真Rodrigo Reyes Marin/アフロ

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