手抜きが基本でも大会5連覇!「東大相撲部」知られざる実力 | FRIDAYデジタル

手抜きが基本でも大会5連覇!「東大相撲部」知られざる実力

部員全員が大学入学まで未経験 「手抜きが基本」でも全国国公立大学対抗大会で5連覇 初の出身力士「須山」誕生でいま注目を浴びる

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四股を踏む東大相撲部の部員たち。最前列中央で蹲踞(そんきょ)しているのが、主将の小山大貴さん。将来は日本史の研究者を目指しているという

「今の当たり、メチャクチャいいよ。すごくいい!」

先輩にぶつかっていく後輩に、他の部員から前向きな言葉が投げかけられる。

東京・駒場(目黒区)にある東京大学相撲部の土俵。5月中旬の夕方、10名ほどの部員たちが、稽古で汗を流していた。緊迫した雰囲気はない。お互いを褒(ほ)め合っているからか、皆、楽し気なのだ。主将の小山大貴さん(文学部4年)が語る(以下、発言は小山主将)。

「女子マネージャーを含め12人の部員がいますが、全員が東大に入学するまで相撲未経験ですからね。まずは良い部分を褒め合い、相撲の楽しさを感じることが大切でしょう。厳しい言葉で自信を失っては、元も子もありません。これは、須山さんの考えでもあるんです」

須山穂高、24歳――。木瀬部屋に所属し、5月22日まで行われた大相撲夏場所でデビューした東大出身者初の力士だ。番付に四股名(しこな)が載っていない力士がとる前相撲で3連勝した、注目の新弟子である。

限界がこない理由

木瀬部屋に入門した東大出身者初の力士・須山。一浪して慶応に入学するも、仮面浪人して東大に入学した苦労人だ

「須山さんも、相撲未経験者でした。でも稽古をマジメにこなし、強かったですよ。他大学の身体の大きい力士を倒すジャイアントキリングを、何度も成し遂げたんです。須山さんは、一度も後ろ向きなことは口にしませんでした。ボクも結果が出ず悩んでいる時、『成長しているから大丈夫』と声をかけられ助けられたのを鮮明に覚えています」

全員が未経験者とはいえ、東大相撲部はけっして弱小ではない。’89年に全国国公立大学対抗相撲大会で初優勝すると、それから5連覇。’01年に初めて開催された七大学戦(旧七帝国大学による対抗戦)では準優勝を果たしている。

興味を惹(ひ)かれるのが、公式ホームページに「相撲部の魅力7選」として「手を抜けばいい」と書かれていることだ。

「ムリをしなければ、限界は来ないでしょう。体調が悪かったり気分が乗らなければ、手を抜くのが基本です。けっして、怠(なま)けろという意味ではありません。稽古量を減らした分、集中して取り組もうという考えです」

東大相撲部の稽古は週3回、それぞれ2時間程度。だが、強制することはない。

「ノルマといえば、稽古後の夕飯でごはん3杯食べることぐらいですかね。身体を大きくしないと、格上の力士に敵(かな)いませんから。おかげでボクも入学直後から体重が25㎏ほど増え、今は100キロです。他のことに関しては、部員一人ひとりが考え修正点を見つけるようにしています。稽古を動画で撮り、自分の取り組みをチェック。映像で客観的に見れば、自分では気づかないこともわかるんですよ」

東大は、言わずと知れた日本の最難関大学。小山主将も、長野県随一の進学校・長野高の出身だ。頭脳明晰な彼らが、先輩・須山に続き大相撲界の門を叩くことはあるのだろうか。

「う~ん。ないと思います。ボクは将来大学院に行って、日本史の研究者になりたい。須山さんは稀有(けう)な存在でしょう」

体育会系の猛練習でなく、集中して相撲を楽しむ。東大相撲部の実力は、秀才なりの稽古に裏づけられているようだ。

勝敗や決まり手を細かくノートに書き込む女子マネージャー。部員たちは時間を見つけてはノートをチェックしているという
実際に対戦する部員たち。東大相撲部は’75年に同好会として創設、’04年に運動会の部に昇格。3年後に50周年の節目を迎える
本誌未掲載カット 初の出身力士「須山」誕生でいま注目を浴びる「東大相撲部」知られざる実力
本誌未掲載カット 初の出身力士「須山」誕生でいま注目を浴びる「東大相撲部」知られざる実力
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『FRIDAY』2022年6月10日号より

  • 画像小松寛之 共同通信社

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