越前リョーマに流川楓…ホストの源氏名にジャンプネーム急増のナゾ | FRIDAYデジタル

越前リョーマに流川楓…ホストの源氏名にジャンプネーム急増のナゾ

1.6億円プレーヤー「阿散井恋次」インタビュー

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越前リョーマ、流川楓、真中淳平、夜神月ーー。これらは『週刊少年ジャンプ』の主役(級)キャラの名前だが、実在する「ホストの源氏名」でもある。ホストの源氏名といえば、かつては「聖也」「流星」など、ホストらしいニュアンスを持った名前が選ばれる印象があったが、現在ではゲームやマンガのキャラクター、さらには芸能人の名前を借りたパターンも急増している。

「Aravan Lilian」の阿散井恋次氏

こうした源氏名の由来やメリット、当の本人は源氏名をどう思っているのか、どんな人なのか。池袋のホストクラブ「Aravan Lilian」で年間1億6000万円を売り上げたホスト・阿散井恋次(あばらい・れんじ)氏に話を聞いた。

改めて説明するまでもないかもしれないが、阿散井恋次とは2016年まで連載されていた久保帯人作『BLEACH』の主要キャラクターである。その名前を源氏名に拝借した同氏は現在、ホストを続けながらプロデューサー(運営責任者)として勤務している。今年からKADOKAWA「ComicWalker」で漫画家デビューも果たすなど、マルチな才能を発揮している。

阿散井氏がホストを始めたのは今から4年前の22歳。源氏名は入店当初から変わらないが、命名のきっかけは「とっさに思いついた」からだという。

「高校生の時に見ていたテレビの企画で『祖父が孫の趣味をどれだけ知っているかを当てる』っていうコーナーがあったんです。そこであるおじいちゃんが、孫の好きなキャラクターを『阿散井恋次!』って言い当てていたのがずっと忘れられなくて…。

素人のおじいちゃんがいきなり『阿散井恋次!』って答えるの面白くないですか?思い返しただけで笑っちゃいます。それほど記憶に残る名前なのでお客様にも覚えられやすいですし、自分もアニメや漫画のオタクだったので通ずる部分があると思い、名前をあやかりました。

歌舞伎町にも『ジャンプネーム』のホストがたくさんいると聞いてますが…みなさんそれぞれの由来はよくわかりません。今では珍しくないので、特に意識することもなくなりました。ちなみにうちのホストには、源氏名『米津玄師』もいます。

アニメやマンガ好きのホストが1億円超えプレーヤーというのが今時らしいが、本人曰く、「正直に言えば『BLEACH』にめちゃくちゃ詳しいわけではない」そうだ。

「ただ、阿散井恋次という源氏名は接客で重宝しています。初対面のお客様でも『阿散井恋次だ!』と反応があれば、同じ時期のジャンプを読んでいた世代なのか、ある程度わかるんですよね。

そこからアニメキャラの絵を描いたり、漫画を連載している話などをすれば盛り上がります。まったく反応がなければ、別の話に切り替えればいい。お客様がどんな興味関心を持っているかを知るのに、便利と言えば便利です」

「ジャンプネーム」は覚えやすさが第一、客がどれだけアニメやマンガの話題に食いついてくるか測れるのが第二のメリットなっているようだ。ちなみに阿散井氏は、ある時久保帯人氏の担当から斬魄刀(ざんぱくとう、キャラクターが使う刀)のレプリカを贈呈されたという。ある意味“公認”の源氏名になったようだ。

阿散井氏が有名ホストになった理由はもうひとつある。ワイドショーだ。ホストを始める前は通信制の大学に通い、志す業種も水商売とはかけ離れていた。

「高校を自主退学したのち、通信制大学に通いました。学生時代は、過去に『ニコ生』の配信をやっていた関係でつながったデザイン会社の社長の元でバイトしたり、その後は大手化粧品会社のコスメのデザインを描く会社で働いてました。

ただどこの会社も長続きせず、稼げるところを探してデリヘルの内勤に行きつきました。そしたら偶然、職場内に『Aravan Lilian』と掛け持ちしている先輩がいて、その方の紹介で入店する流れになりました」

こうしてホストに転身した阿散井氏だが、トントン拍子で人気ホストの仲間入りした。入店した翌月にはナンバー5となり、半年後にはナンバー1を達成。そのうえ現在のTwitterのフォロワーは4万人弱と、現役のホストとしては指折りのフォロワー数を持つ。

20年夏、コロナ感染についてワイドショーでコメントしたことが話題に

知名度が上がった背景には、自身の「コロナ感染」が関係していた。

「20年6月頃、池袋で最初にコロナに感染したホストとして、ワイドショーの取材を受けました。ただよくよく考えたら、『阿散井恋次』という源氏名のホストがコロナに感染したと報道されたら、不謹慎と思われて炎上するだろうし、『久保先生ごめんなさい!』という気持ちでした。

しかし報道されたら思わぬ形で話題になりました。当時たまたまTwitterの背景画像をプリキュアにしていたのですが、そしたら『阿散井恋次という名前で、しかもプリキュア好き…もしかして「こっち側」の人間か?』と、いかにも自分を叩きそうな人たちが面白がってくれたんです。TwitterやYahooのハッシュタグに自分の源氏名が出てきて、まとめサイトにも取り上げられました。

当時の反響が大きかったので、その頃からTwitterで、自分がホストを始めてから1億円プレーヤーに上り詰める自作の漫画を載せ始めました。そしたら漫画もバズってより知名度が上がりました」

そこからというもの、山あり谷ありのホスト生活を突っ走った阿散井氏。客とトラブルに巻き込まれた夜もあれば、一夜で5300万円を売り上げるなど、池袋に前人未到の伝説を残した夜もあった。2億、3億と稼ぐホストがいる中で、彼もさらなる高みを目指すのかと思いきや、そうではないと言う。

「実は21年の3月、空き巣に入られて2000万円盗まれたんです。自分で稼いだお金を盗まれるって、相当なショックですよ。それから。お金を求めすぎたり、高級車に乗っているような成金アピールをすると、誰かに妬まれたり、恨まれたりすることもあるんだなと思い、お金への執着も徐々に薄れていきました。

いくら売上を出しても、夜の世界でいっとき有名になるだけなのは刹那的で、キリがないのかなと思ってます。プレーヤーとしてではなく、お店や色々な物事をプロデュースする側に回りたい」

ホストの第一線からは「降りる」決意を固めつつある阿散井氏。次に熱中できる目標はなんなのか…と聞くと「ポケモンカード」という回答が返ってきた。

「今はポケモンカードなどのカードゲームにハマっていて、高額カードに給料をつぎ込んでます。あ、これ見てください。このリザードンは100万円くらいしたな…。子供の頃の夢をお金で叶えている感じですね。

あと8月にロンドンで開催されるポケモンカードゲームの世界大会に出場するのが目標です!そこに女の子を連れていってあげたいです(笑)。

スタッフにゲームやアプリを消すように指導したり、ストイックな方針のホストクラブもあるらしいですが、趣味も仕事も真面目にやるのが一番です。ゲームが好きなら女の子と一緒に共有すればいいと思います。

開店前のホストクラブで撮影。開店準備を行う他のホストたちも和気あいあいとした雰囲気だった

ホストの同僚や後輩とも、営業時間外によくポケモンカードで対戦して遊んでますよ。店内で目が合ったらバトルが始まるぐらいの感覚で、それこそポケモンの『ジム』かよって感じで」

ちなみに、今一番欲しいものは?

「マジック・ザ・ギャザリングの『ブラックロータス』ですね。今は時価3000万円を超えると言われています」

阿散井氏のレアカードコレクション。「お気に入りのカードショップはありますけど、入り浸ってるので教えられません!」
  • 取材・文佐藤隼秀

    1995年生まれ。大学卒業後、競馬関係の編集部に勤め、2021年頃からフリーランスに。趣味は飲み歩き・競馬・読書

  • 写真西﨑進也

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