岸田首相の隠れ増税政策で「岸り人」大量発生の懸念 | FRIDAYデジタル

岸田首相の隠れ増税政策で「岸り人」大量発生の懸念

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

4ヵ月で100兆円が飛んだ

「人」「科学技術」「スタートアップ」「GX(グリーントランスインフォメーション)及びDX(デジタルトランスインフォメーション)」の4つの柱を掲げ、家計資産を貯蓄から投資へ促す改革などを打ち出した。

「新しい資本主義」は岸田文雄総理の看板政策。実行計画はその具体策といえるものだが、「目新しさゼロ」「アベノミクスとどう違うの」などとさっそくSNS上で揶揄する声が飛んでいる。

ロンドンで自信満々に講演し、日本への投資を呼びかけた岸田首相だが…(写真:AFLO)

「安心して日本に投資をしてほしい。インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」

5月5日、ロンドンの金融街のシティで岸田文雄総理は講演でそう述べたものの、投資家からの厳しい視線は変わらず、日本の株価は安定していない。

政権発足直前の昨年9月、東証一部の時価総額は778兆円だった。しかし、岸田総理が「金融所得課税の強化」「自社株買い制限」の2つを掲げ、大幅な規制緩和もしないことがわかったため、1月末には679兆円にまで落ち込んだ。

4カ月で100兆円が飛んだことで、SNS上では「岸り人(きしりびと)」なる言葉が生まれていることをご存じだろうか。

「岸り人」とは、岸田政権発足後、資産を大幅に減らした投資家を指す造語のこと。アベノミクスで億単位の金融資産を築いた投資家を「億り人」と呼ぶ言葉が生まれたが、それをもじったものである。

「岸田総理が掲げる『新しい資本主義』は、ふわっとしたスローガンだけで、賃上げを促すための企業減税や現金一律給付など、安倍政権以来の政策の焼き直しばかり。『新自由主義的な政策が格差を拡大させた』と小泉政権は批判はできても、政権運営上、アベノミクスの否定ができないためにエッジを効かせられない。その結果、アベノミクスを漫然と継承した…との印象が否めず、独自色がまるで見えこない」(経済誌記者)

5月実施の朝日新聞世論調査によれば、岸田内閣の経済政策について、「期待できる」は34%で、「期待できない」は56%。それでも不思議なことに支持率は4ポイントアップの59%とじりじりと上がっている。ゆっくりとした語り口調で、野党の追及にあっさり頭を下げるなど温厚な人柄が好感をもたれているのだろうか。

とはいえ、経済は国の生命線。厳しい視線でその問題点を見ていかなければならないが……。

「安倍・菅政権でもなかった強引な国会運営で、岸田政権は予備費を参院選前のバラマキに使おうとしている」

そう指摘するのは元財務官僚で、立憲民主党の大串博志衆議院議員だ。岸田政権下の国会運営の問題点について、財政問題に詳しい大串議員はこう解説する。

「2年前の安倍政権下でコロナ禍が起こり、先行きが見通せず、10兆円の予備費を野党は苦渋の決断で賛成しました。予備費は国会の審議を経ないで使用できるために予算委員会への報告を義務付けた。ところが、岸田政権は5月27日の衆院で可決された補正予算2.7兆円のうち1.5兆円を『物価高対策で使った予備費の穴埋めに使える』とした。

コロナ対策という制限を取っ払い、『コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急策』と、枕詞に『コロナ禍における〜』とつければなんでも使途を拡大できるようにしてしまった。これは端的に言えば、参院選対策のバラマキ予算です。選挙後の増税などを心配する声が出るのも当然です」

バラマキの一例を挙げれば、ガソリン補助金は5円から25円となり、5月には35円までとなった。月に換算すると、3000億円以上がガソリン高対策費として使われている。この補助金、5月から9月まで続けることは決定しており、ガソリン補助金のみで1兆2000億円となる見込み。この原資は赤字国債で、将来の負担が増えていくのは必定だ。

「アベノミクスをたたむのが、本来の岸田首相の役割のはず」と前述の大串議員は指摘し、こう続ける。

財政問題に詳しい大串議員

「官邸に近い筋から聞いた話では、『岸り人』のように、自身が経済オンチであるように揶揄されるのを、総理は嫌がっているようです。『新しい資本主義』の実行計画案や最近の国会答弁でも、投資家から嫌われないように、『金融所得課税の強化』『分配』といった言葉のトーンはすっかり下がっている。

6月はボーナスや株の配当金も支給され、コロナ禍の『リベンジ消費』で短期的な景気はよくなるでしょう。ただ、比較的ゆとりのある層も物価の値上がりには敏感に反応せざるを得ず、節約志向を強めています。厳しい世帯は実質賃金の下落を肌で痛切に感じながら、すでに限界レベルまで節約しています。

いまの値上げは序の口で、冬にはさらなる物価上昇が庶民の暮らしを直撃します。賃金も上がらないので、ものが売れず、企業収益も上がらず、連動して株価も低迷する。『岸り人』が続出する恐れがあるのです」

「貯蓄から投資へ」のシフトチェンジを進めると宣言した岸田首相だが、日本経済を「凍死」させてしまうようなことにならないように願いたいものだ。

  • 取材・文岩崎大輔

Photo Gallery2

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事