中日・根尾の「二刀流」に落合氏は苦言も…立浪監督の意外な狙い | FRIDAYデジタル

中日・根尾の「二刀流」に落合氏は苦言も…立浪監督の意外な狙い

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5月21日の広島戦で力投した根尾(画像:時事通信社)
5月21日の広島戦で力投した根尾(画像:時事通信社)

「迷走」と言って良いだろう。

中日・根尾昂(22)の起用法だ。立浪和義監督は当初、根尾の肩の強さをいかすため外野に専念するよう指示。しかし4月になると、本職であるショートへのコンバートが決まる。さらに5月に入ると、投手として起用。21日の広島戦や29日のオリックス戦の終盤に登板し、いずれも1回を無失点に抑えたが……。

たび重なるポジション変更や投打の「二刀流」に、苦言を呈した大物OBがいる。04年に中日の監督となり、4度のリーグ優勝を成し遂げた落合博満氏だ。5月29日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、こう批判した。

〈どうなんですかねぇ。どっちつかずになっちゃうんじゃないですか。二刀流をやるんであれば、原則パ・リーグですよ。DH(指名打者)がありますからね〉

いずれも大差での「敗戦処理」

ファンの間でも、根尾の二刀流は賛否両論だ。

「喜ぶファンは大勢います。エンゼルスの大谷翔平の活躍で、二刀流への期待が高まっていますから。根尾は高校(大阪桐蔭)時代、甲子園でもマウンドに上がっています。今回も最速150kmの速球に、130km台のフォークまで投げた。見ていてワクワクしますよ。

一方で、単なるファンサービスと批判する声があるのも事実です。2回の登板は、いずれも大差で負けている終盤でした(広島戦が1対8、オリックス戦が0対8)。試合展開にほとんど影響のない『敗戦処理』です。本気で根尾を投手として育てる意思があるなら、1点を争う場面で起用し経験を積ませるべきでしょう」(球団関係者)

球団や立浪監督の狙いは、どこにあるのだろうか。

「根尾は甲子園のスターで、全国区の有名選手が少ない中日にとってはファンを呼べる貴重な存在です。球団は、どんどん1軍の試合に出させたいハズですよ。

現場を任されている立浪監督としては、そう簡単に話を進められないというのが本音でしょう。根尾の守備は一級品ですが、打撃はレギュラーを獲得するのに力不足です。まだ高卒4年目ですから、できれば2軍でじっくり力をつけさせたい。

球団の意向もあり1軍に置いていますが、現状では野手としてなかなか出場の機会がありません。根尾を腐らせずモチベーションを維持するために、二刀流に挑戦させているのではないでしょうか」(スポーツ紙担当記者)

立浪監督は、今春のキャンプで根尾をMVPに選んでいる。対外試合で、打率わずか.083での選出だった。

「根尾の練習姿勢を評価したというより、『もっと頑張れ』という激励の意味を込めた選出でしょう。根尾は当初、本職のショートでの出場にこだわっていました。ただ本人も、自分にレギュラーを獲得できる力がないことを理解しています。どんな形でも良いから、試合に出たいという気持ちが強くなったのでしょう。

二刀流に関しても、立浪監督から登板の意思を聞かれ『投げたいです!』と即答しています。もうショートや外野などと言っていられない。ガムシャラなんです」(同前)

二刀流の背景にある、球団、監督、本人それぞれの思惑。野手として投手として、根尾の厳しい挑戦が続く。

  • 写真時事通信社

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