偽台本の演技で…3回逮捕の映画関係者「出演女性へ卑劣わいせつ」
小中学校時代の同級生の男女が、久しぶりに再会した。母校の教室で見つめ合う2人。
「ずっと好きだったのに……」
2人は激しくキスをし、男性は女性の胸に手を伸ばす――。
これは、『教室』というタイトルの台本に書かれた1シーンだ。しかし『教室』は実際の作品の台本ではなく、男性役の自称・映画プロデューサーがわいせつ目的に作ったものだった。
実に3回目の逮捕となった。6月9日、警視庁捜査1課が準強制わいせつの疑いで再逮捕したのは、東京都練馬区に住む無職・吉岡康成被告(53)だ。吉岡被告は、自主制作映画の出演者をインターネットで募集。東京・池袋のレンタルルームで応募してきた女性に「オーディション」と称し、わいせつ行為を繰り返していたとされる。吉岡被告は2月に20代女性への強制わいせつ容疑などで逮捕、3月に起訴。5月にも、別の女性への犯行で再逮捕されていた。
「オーディションは今年1月、3日間にわたり行われました。募集要項には、こう書かれていたとか。『海外映画祭で受賞実績のある監督が担当。クランクインは22年4月』と。応募した女性がレンタルルームを訪れると、部屋にはスタッフがおらず吉岡被告がマンツーマン指導。偽台本の男性役を『ボクが演じます』と名乗り出て、何度も女性たちにキスや身体を触るなどの行為を繰り返していたようです。
オーディションに参加した女性は、30人ほどになります。被害女性の1人が募集要項に書かれた『受賞実績のある監督』の名前をたずねると、吉岡被告は『合格しないと教えられない』と返答。不審に思い警察に相談したそうです。調べに対し吉岡被告は『一切黙秘します』と話していたとか」(全国紙社会部記者)
元アイドルが語る対策

吉岡被告が、映画関係者であることは間違いないようだ。実際に『WILD』という格闘技を題材にした自主制作映画を企画し、脚本家やカメラマンもセッティングしていたという。だが昨今報道される監督やプロデューサーのセクハラを例に出すまでもなく、吉岡被告の卑劣な行為が許されるハズもない。
わいせつ容疑で逮捕された別のプロデューサーから誘われたことのある、元『アイドリング!!!』リーダーでボイストレーナーの遠藤舞氏が当時の状況を語る。
「突然DMで仕事の依頼が来たのですが、自分がどこの誰という自己紹介がまったくなかったんです。怪しいと思いました。文章も稚拙で社会人とは思えない感じ。しばらくやりとりをしましたが『こんな人は信用できない』と思い、仕事は丁重にお断りしました。
今回の事件のように、オーディションでいきなり初対面の男女が身体の接触をするなどありえません。せいぜいセリフのかけ合いぐらいでしょう。判断材料として、ちゃんとした企画書があるか、会社が募集していれば電話番号や所在地などで実在するか事前に確認すべきです。決して1人でオーディション会場に行ってはいけません。知人と一緒に訪れ、おかしいと感じたらスグに退去すべきだと思います」
警察は、吉岡被告に余罪がないか調べている。
撮影:蓮尾真司