抗争再激化! 六代目山口組・司忍組長「電撃上京」の狙い
佐賀県では六代目山口組系組員が神戸山口組系の事務所に車で複数回突っ込み……
6月2日の午後3時過ぎ、東京駅の八重洲中央口付近では背広姿の私服警官たちが周囲を警戒していた。鉄板入りとみられるブリーフケースを持つ若い組員らしき姿もあった。

午後4時少し前、屈強な男たちに囲まれて、一人の男が駅構内から出てきた。六代目山口組の司忍組長である。司氏はグレーの背広に黒のネクタイ、サングラスというファッションだった。なぜ司氏は東京駅に現れたのか。
「この日、76歳で亡くなった住吉会の関功代表の葬儀が千葉県富里市で行われました。そこに向かうために新幹線で上京したのだと思われます」(捜査関係者)
この日の夕方、千葉県富里市にある共和一家の本部は多くの組員たちで賑わっていた。共和一家は関氏の出身団体であるため、ここで葬儀が執り行われたようだ。夜7時半頃、そこに司氏を乗せた車がやってきた。しかし、葬儀会場に入った司氏はすぐに出てくると、車に乗り込み、走り去っていった。滞在時間はわずか10分ほどだった。
山口組を取り巻く抗争は再び激化している。6月6日、佐賀県で六代目山口組系組員が神戸山口組系の事務所に車で複数回突っ込んだ。5日には神戸山口組の井上邦雄組長の自宅に10発以上の銃弾が撃ち込まれるという襲撃事件も起きている。暴力団事情に詳しいノンフィクションライターの鈴木智彦氏が話す。
「今後も襲撃事件は断続的に起きると考えられます。住吉会の葬儀に司氏がわずか10分間ほどしか滞在しなかった背景には、近年警察が暴力団の葬儀に強い圧力をかけているということがあると思います。ただ、それでも司氏が上京したのは、今後も抗争が続いていくなかで、住吉会との友好関係を維持していきたいという考えがあるからでしょう」
襲撃事件発生の頻度は間違いなく高まっている。「血の雨」が降る日も遠くはないかもしれない。

『FRIDAY』2022年6月24日・7月1日号より
PHOTO:濱﨑慎治