「偽の債権者」まで用意! 地面師集団の「狡猾すぎる手口」 | FRIDAYデジタル

「偽の債権者」まで用意! 地面師集団の「狡猾すぎる手口」

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秋田容疑者らが手がけた「富ヶ谷事件」の現場の土地

「詐欺の舞台となった土地は、中野区の西武新宿線の沼袋駅からほど近い場所にあります。広さは約360㎡。事件当時は更地でしたが、現在は実際の所有者が家を建てて住んでいるそうです」(全国紙社会部記者)

5月17日、警視庁捜査2課は17年4~5月にかけて、都内の不動産会社から現金7000万円を詐取したとして、不動産仲介業の秋田修容疑者、上野健二容疑者、樫尾幸宏容疑者、山崎一次容疑者の4人を再逮捕した。今年4月、4人はこの中野区の土地について、虚偽の登記申請をしようとした際、法務局に見破られ、電磁的公正証書原本不実記録未遂という容疑ですでに逮捕されていた。

「当局は秋田が首謀者、上野は指示役、樫尾が司法書士などの手配役、山崎はなりすまし役とみています。秋田、上野の両名は21年1月に立件された渋谷・富ヶ谷の地面師事件でも逮捕されています。この事件は積水ハウス事件で名をはせたカミンスカス操容疑者も関わっていました」(前出・記者)

そんな名うての地面師集団がターゲットにしたのは、新宿の不動産会社A社だ。17年4月頃、A社は秋田容疑者らから、中野区の土地を「1億2000万円で買いませんか」と持ちかけられた。

「土地を1億2000万円で売買するにあたり、秋田容疑者らとA社の間に、B社という仲介業者が入っています。容疑者らが扮した偽の土地所有者からB社が土地を7000万円で買い、それをB社がA社に1億2000万円で売却するというスキームでした。事件の発覚後、B社はA社に5000万円を分割で返済中です。そのため、今回の純粋な被害額は7000万円ということになっています」(民放ディレクター)

地面師たちはターゲットをだますためにありとあらゆる手段を使う。なりすまし役の人間には、本物の土地所有者と年齢や背格好が似た人物を選び、運転免許証や住民票なども偽造する。

「今回、A社を騙すために秋田容疑者らは偽造の運転免許証を提示するなどして、なりすまし役を本物の土地所有者と信じ込ませたようです。さらに狡猾なのが、代金の振り込み先に『偽の債権者』という役まで用意していたのです。なりすまし役の山崎が『実は私には借金がある。カネはその借金の債権者が指定した口座に振り込んでほしい』と伝えていたのです。決済日には弁護士まで呼んでいました。非常に入念に準備して、A社をだましていったのです」(同前)

そうしてA社はまんまとカネを奪われてしまったのだ。地面師事件の捜査が難しいのは、事件に関与する第三者が「共犯者」なのか、「善意の第三者」なのかが判別がつかないところだ。前出・記者が語る。

「仲介したB社について、当局は共犯関係にはないとしながらも、『純然たる被害者とは言えない』と言っていました。さらに決済日に現れた弁護士も、事実上の共犯者である可能性が高いとみられています。しかし彼らは今回もちろん逮捕されてはいません。過去の地面師事件では、こうした『事実上の共犯者』が複数の事件に関与していました」

地面師集団、そして共犯者たちは巧みに法の網をくぐり抜けながら、今日も水面下でうごめいている。(文中一部敬称略)

  • 撮影蓮尾真司

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