石川で連日激震…専門家が警鐘「スーパー南海地震の不気味な予兆」 | FRIDAYデジタル

石川で連日激震…専門家が警鐘「スーパー南海地震の不気味な予兆」

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6月19日の揺れで倒れた塀。ケガ人も多く出ている(画像:共同通信社)
6月19日の揺れで倒れた塀。ケガ人も多く出ている(画像:共同通信社)

「生まれてから、一番大きな揺れでした。本当に恐い……。毎日のように地震が起き、店内には棚から落ちた商品が散乱しています」

こう話すのは、石川県珠洲市にある「スーパーはまおか」の女性スタッフだ。

日本海側を中心に、不気味な揺れが続いている。6月19日に石川県能登地方で震度6弱、6月20日に同能登地方で震度5強、北海道宗谷地方で震度4、新潟県上越地方で震度3……。19日に起きた能登地方の大きな横揺れは、約30秒間にわたり続いた。北陸地方では、各地で神社の鳥居や墓石、住宅の塀が倒壊。10人ほどの負傷者が出ている。

だが、連日の大きな地震は予兆に過ぎないという。立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏が解説する。

「北陸、上越地方は北米プレートとユーラシアプレートが、正面衝突している場所です。マグニチュード(M)7.5規模の大きな地震が起こすエネルギーが溜まっています。しかし今回起きているのは、M5.4クラス。石川や福井、富山、新潟などを震源にした大地震が起きる前の、中規模な揺れと言えるでしょう」

想定犠牲者は50万人

日本列島は上記2つのプレートだけでなく、太平洋プレートやフィリピン海プレートと4つの巨大プレートの上にある。一つの大きな地震が各プレートのストレスと連動し、溜まったエネルギーを放出させる危険があるのだ。高橋教授が続ける。

「今回と似たケースが、1943年に起き1000人以上が犠牲になった鳥取地震(最大震度7、M7.2)です。この災害は、各地で地震を誘発しました。1944年の東南海地震(震度7、M7.9)、1945年の三河地震(震度6、M6.8)、1946年の南海地震(震度6、M8.0)、1948年の福井地震(震度6、M7.1)……。

特に1948年の福井地震では、福井、石川両県で3700人以上の死者が出ています。今回も1943年の鳥取地震のように、各地の大地震と連動する可能性が高いんです」

高橋教授が最も恐れるのが、関東から沖縄にかけての広大な範囲でおきるスーパー南海地震の誘発だ。

「北陸、上越地方でぶつかり合う北米プレートには太平洋プレートが、ユーラシアプレートにはフィリピン海プレートが潜り込みストレスを溜めています。つまり北陸での大きな地震が、太平洋プレートとフィリピン海プレートにも影響を及ぼす危険があるんです。

両プレートのエネルギーが爆発すれば、スーパー南海地震の発生は、避けられないでしょう。沖縄や九州、中部地方だけでなく首都圏も大きな揺れに襲われます。さらに今後は梅雨の大雨にも注意が必要です。雨で緩んだ土地が揺れれば、地滑りや土砂崩れを引き起こす可能性があります」

高橋教授の想定によると、スーパー南海地震が発生すれば津波を引き起こし少なくとも50万人が犠牲になるという。巨大な震災が、いつ起きてもおかしくない状態にあるのだ。

  • 写真共同通信社

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