ＢTＳ活動休止の背景　日本と韓国で真逆「意外すぎる芸能界事情」

BTSの活動休止発表を発端に、韓国アイドル界の“構造的問題”が注目を集めている。

そこで韓国アイドルたちの取材を専門とし、彼らの働く様子を多く見てきたメディア関係者たちに話を聞いてみることにした。言動が逐一映し出されるテレビの現場とは違い、雑誌などの取材現場というのは、撮影の瞬間以外はその姿が視聴者の目にさらされることがない。それゆえ、よりタレントたちの素が出やすいものだ。

そんな現場で制作サイドは、韓流アイドルたちのどのような一面を垣間見ていたのか。取材をおこなったところ、日本のアイドルとはやや異なる２つの側面が見えてきた。

１つは、24時間手抜きなしとも言えるほどのマジメさだという。

「彼らは本当に、いついかなるときも感じが良くて一生懸命です。大忙しで疲れているだろうに、決してそういった態度は見せない。メイクルームではボンヤリしていることもありますが、ひとたび撮影やインタビューとなるときちっとスイッチを入れてくる印象。常に笑顔で、１つ１つの質問にとても丁寧に答えてくれます。それゆえ取材時間があまりないのに時間がオーバーしてしまって、事務所の人にブチ切られることもしょっちゅうというほどです」（インタビューライター）

「こんなことを言っては何ですが、日本の男性アイドルには、雑誌の取材現場ではけっこう態度の悪い人も多いんです。『テレビで見せている顔と違い過ぎるでしょ』と思うことも少なくありません。でも韓流アイドルにそんな人はまずいませんね。彼らは１つ１つの仕事が勝負、と受け止めている印象。私たちにも必死に愛嬌を振りまいて、爪痕を残そうとしているのを感じます。

でもたしかに、あんなに全てに全力投球だとどこかで壊れてしまうでしょう。腹が立つこともありますが、上手に抜くところでは抜いている日本のアイドルのほうが、ある意味普通かなとも感じます」（フリー編集者）

スタッフが撮影中にお菓子をバクバク

もう１つ気になったのが、日本とはちょっと事情が違う構造だ。

「日本はアイドルでも俳優でも、基本的には『取材をさせてもらう』というスタンスで、こちら側はできる限りもてなします。余るほどの食べ物や飲み物を用意し、『寒くないですか？』などと常に環境にも気を配ったり。それゆえ、中には勘違いしてしまうタレントも出てくるのですが……。

でも韓国アイドルに関しては、私が見る限りではそういう上下関係はなさそうです。彼らの撮影には必ず、『この人は何者なんだろう？』というよく分からない大人が何人かついて来るのですが、その人たちはタレントたちを気遣うことなく好き勝手に振る舞っています。時には彼らが休憩スペースを占領していて、タレントたちのほうが行き場がなくウロウロしていることも。これは日本では絶対に見られない光景ですね」（別のインタビューライター）

韓国は日本よりもスタッフとタレントの立場が対等だと言われるが、それを象徴するような出来事もあったという。

「大人数のガールズグループの大型企画撮影にあたって、私たちは日本で人気のスイーツやこだわりのおつまみをたくさん用意しました。ところがタレントのメイク中や撮影中に、お付きのスタッフたちがそれらをほぼ食べ尽くしてしまったんです！　撮影が終わる頃にはコンビニで売っているようなチョコぐらいしか残っていませんでした。それでも彼女たちは『わ～、チョコがある♡』と嬉しそうにポリポリ食べていて。早朝からの撮影でお腹が空いていたでしょうに、可哀そうで涙が出そうでした。

日本ではスタッフがタレントより先に食べ物に手をつけることは100％ないので、私たちもまさかこんなことが起こるとは予想できず。BTSくらいの人気になるとさすがに違うのかもしれませんが、あらためて韓国と日本の違いを感じた出来事でした」（雑誌編集者）

日本と韓国、どちらのアイドル界も一長一短なのだろうが、いずれにしても今回のBTS問題を機に、少しでも彼らの声が届いてその構造的問題が改善されていくことを願ってやまない。