1億円超の赤字…経営難「いきなり!ステーキ」意外な救世主の名前 | FRIDAYデジタル

1億円超の赤字…経営難「いきなり!ステーキ」意外な救世主の名前

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厳しい経営を強いられる「いきなり!ステーキ」
厳しい経営を強いられる「いきなり!ステーキ」

肉料理チェーン店「いきなり!ステーキ」が、経営難にあえいでいる。

運営する「ペッパーフードサービス」の業績は、21年12月期で売上高が前期比約39%減の約189億5000万円で14億1200万円の営業損失を計上。22年12月期は前期11%減の売り上げ168億4100万円、1億6500万円の赤字が出ると予想しているのだ。

「いきなり!ステーキ」が、東京・銀座に1号店をオープンさせたのは13年12月だ。良質な肉を立って食べられるという斬新なスタイルと価格の安さで、働き盛りの男性を中心に大人気に。19年には、全国で約500店舗を展開するほどの人気をはくした。なぜ、短期間で凋落してしまったのだろう。経済ジャーナリストの松崎隆司氏が解説する。

「急拡大路線がアダとなりました。限られた店舗数だと希少性があり、物珍しさで客が集まっていた。しかし店の数が激増したことで、目新しさが感じられなくなっています。さらに各店舗の距離が近くなり、店同士で客を取り合っているんです。

店舗数の急増は、サービスの低下も招きました。人手不足で接客などの質が落ち、クレームが激増。そこに新型コロナウイルスが追い討ちをかけている状況です」

社内報に載った社長の苦言

価格上昇などで客離れが加速している
価格上昇などで客離れが加速している

業績悪化から閉店が相次ぎ、22年4月現在で店舗数は最盛期の半分以下の220店ほどにまで減少。従業員の質の低下も深刻で、社長の一瀬邦夫氏は今年1月に発行した社内報で次のように訴えている。

〈ご来店されたお客様に不快な思いをさせたネガティブな従業員をゆるすことは、到底できません〉

「いきなり!ステーキ」をめぐる状況は、悪くなるばかりだ。前出の松崎氏が続ける。

「原材料の高騰などで、価格を上げざるをえなくなっているんです。オープン当初は300gのステーキを1000円以下の安さで食べられました。しかし現在は、多くの商品が1500円以上。『マイリブステーキ』(300g)の価格は2700円ほどです。利用者は『高い』という印象を受けるのではないでしょうか。

20年3月に『ペッパーランチ』は自社の有価証券報告書に、『ゴーイングコンサーン注記』を行いました。持続的に事業を展開するのが難しいというのです。店舗の整理などドラスティックな改革案を打ち出していますが、抜本的な解決には至っていない。自力での経営再建は、かなり厳しいと言わざるをえません」

自力での再生が難しいとなれば、他社の助けを借りるしかない。「いきなり!ステーキ」に、救世主は現れるのだろうか。可能性がある企業として、松崎氏は意外な企業をあげる。

「小売業大手の『ニトリ』です。同社は21年3月に、ステーキを中心にしたファミリーレストラン『ニトリダイニング|みんなのグリル』をオープンさせました。もともと『ニトリダイニング』の店舗の多くは、『いきなり!ステーキ』のフランチャイズでした。『いきなり!ステーキ』の長所や問題点を把握し、店舗を拡大しているんです。

両者には、サービス向上のための交流もあると聞いています。つまり親和性が高い。『ニトリ』は、コロナでの巣ごもり需要などが後押しし業績は絶好調です。『ニトリダイニング』が成長できた恩もあり、『いきなり!ステーキ』の救済に乗り出してもおかしくないと思います」

苦境の続く「いきなり!ステーキ」。利用者の舌を満足させる「お値段以上」のサービスを、復活できるだろうか。

  • 撮影山崎高資

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