死亡報道も…健康不安説のプーチン「9月クーデター計画」の中身
英紙『デイリー・スター』が、同国の諜報機関「MI6」関係者の証言として驚きの報道をしている。
〈プーチン大統領は、すでに死亡している可能性があります。正確に把握するのは不可能だが、プーチン大統領は過去に体調を崩した時には影武者を登用していたとか。現在も、同様の動きをしているようです〉
ロシアのプーチン大統領の、極端な異変を指摘したのは「M16」だけではない。各国の要人からも、影武者説を匂わせる発言が相次いでいるのだ。
「彼は3年前とまったくの別人のように見えた。頑固で孤立している」(フランスのマクロン大統領)
「不安定さが急激に増している。以前とは、完全に違う人物としか思えない」(米国の元駐ロシア大使マイケル・マクフォール氏)
甲状腺の専門医が35回訪問
ロシア情勢に詳しい、筑波学院大学の中村逸郎教授が話す。
「私も各国の高官同様、現在のプーチン氏は以前とまったく別人だという印象を受けます。顔がこわばり、表情がなくなってしまった。象徴的だったのが、今年2月にベラルーシのルカシェンコ大統領と会談した時です。プーチン氏は手をグルリと回し、イスの肘掛を強く握り締めていました。つま先を激しく動かし、明らかに落ち着きがなかったんです」
死亡説の真偽は定かではないが、健康に不安を抱えているのは間違いないようだ。
ロシアの独立系メディア『プロエクト』は、プーチン大統領に関する行動記録を入手。今年4月に発表された同メディアの報告によると、16年から20年の4年間で甲状腺の専門医が大統領のもとを35回訪問したという。昨年9月に公の場に姿を現さなくなった時期には、甲状腺がんの手術を受けたのではないかと報じている。前出・中村氏が続ける。
「報道は、かなり信憑性が高いと思います。『プロエクト』は政権寄りでも批判一辺倒でもなく、冷静に事実を伝え調査報道に定評のあるメディアです。また医師の名前や肩書きまで、細かく明らかにしている。プーチン氏の甲状腺に、なんらかの異常があるのは間違いないでしょう」
健康に重大な問題を抱えていれば、大国ロシアの運営などできるハズがない。ウクライナと紛争中の現在はなおさらだ。「MI6」の元長官リチャード・ディアラブ氏は、米紙『ニューヨーク・ポスト』などの複数のメディアにプーチン大統領は失脚するとの予測を明かしている。ロシア国内にクーデター計画があるというのだ。中村氏の予測だ。
「仕掛けるとしたらロシア連邦保安局(FSB)でしょう。FSBは、91年8月に当時のゴルバチョフ大統領にクーデターを起こしたKGBの後身です。プーチン大統領の出身母体であり、国家の機密情報を多く持っています。プーチン大統領が失脚すれば、FSB長官のボルト二コフ氏が就任するでしょう。
クーデターが起きるとしたら、9月の可能性が高い。プーチン大統領は、例年同時期に南部ソチやシベリア山脈で休暇を取ります。首都モスクワを離れ、つけ入るスキが生まれるからです」
ウクライナでの苦戦にクーデター計画と、内憂外患のプーチン大統領。健康不安説が国内外に広がり、さらに追いつめられているようだ。
- 写真:ロイター/アフロ