悠々自適の隠居生活のはずが…文在寅「報復逮捕」の断末シナリオ | FRIDAYデジタル

悠々自適の隠居生活のはずが…文在寅「報復逮捕」の断末シナリオ

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今年5月に大統領を退任した時には笑顔を見せていた文氏だが……(画像:AFP/アフロ)
今年5月に大統領を退任した時には笑顔を見せていた文氏だが……(画像:AFP/アフロ)

〈ヒマラヤではありません。韓国のアルプス霊鷲山の山荘です。どこの山に登るにもカップラーメンは必須〉

6月24日、韓国の前大統領・文在寅氏(69)は楽しそうなコメントとともに登山の様子を自身のインスタグラムへ投稿した。登ったのは、南部・慶尚南道梁山(ヤンサン)市の自宅近くにある霊鷲山だ。風貌は任期中から一変。真っ白なヒゲを伸ばし、インスタントラーメンを食べながら友人と談笑する画像をアップしている。

「今年5月に大統領の任期を終えてからは、自宅で悠々自適の隠居生活を送っています。畑で農作物を栽培し、愛犬とたわむれてね。インスタの画像を見ると、大統領時代と違い表情もだいぶ穏やかになったようです」(韓国紙記者)

だが、文氏ののどかな生活は長く続きそうにない。前大統領逮捕の「Xデー」が現実になりつつあるのだ。背景には、文氏周辺に浮上したスキャンダルがある。『大韓金融新聞』の東京支局長・金賢(キム・ヒョン)氏が語る。

「18年6月に行われた、南部・蔚山(ウルサン)市長選をめぐる不正疑惑です。当時の野党候補を破って当選したのは、文氏の『30年来の友人』とされる宋哲鎬(ソン・チョルホ)氏。選挙には、多くの政府関係者が不当介入したとされるんです」

裁判が進まない意外な理由

文氏のインスタより。在任中と風貌が一変。アゴには白いヒゲが
文氏のインスタより。在任中と風貌が一変。アゴには白いヒゲが

ソウル中央地検は20年1月、政府の要人を次々に起訴する。公職選挙法違反で在宅起訴されたのは元政務首席秘書官など13人。さらに21年4月には国政状況室長ら2人を追加起訴し、逮捕された政府関係者は15人にのぼった。金氏が続ける。

「起訴状によると、選挙前に大統領秘書官が蔚山市の警察当局に対し野党候補や側近を汚職の疑いで捜査するよう指示したとか。結果、宋氏が勝利します。しかし、野党候補と側近は選挙後にいずれも不起訴となりました。

青瓦台(大統領府)関係者は、与党内で宋氏と候補者指名を争っていたライバルにも出馬断念を要請。宋氏の公約作りを青瓦台が組織的に支援し、市の内部資料を違法に持ち出した疑いが持たれているんです」

蔚山市長選挙事件は、文政権下の最も重大な不正疑惑だ。だが、公判は遅々として進んでいない。起訴から2年以上が経ちながら、1審判決がいつになるのか見通しすら立っていないのである。

「最大の理由は、野党系の検事総長と対立した政府の法相が、担当検事らを大量に左遷するなどして捜査を妨害したことです」(金氏)

法相と対立した検事総長こそ、現大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏だ。大統領に就任した尹氏は、「報復」ともとれる行動に出る。滞っていた前政権の不正疑惑に対し徹底捜査を命じたのだ。

「捜査の焦点は、事件当時に青瓦台ナンバー2の秘書室長だった任鍾晳(イム・ジョンソク)氏が関与していたかどうかです。宋氏の当選工作には、青瓦台7部門の秘書官室も関与しています。指示できるのは秘書室長、もしくは大統領だった文氏自身しかいません。

検察が証拠を得て任氏の起訴にこぎ着ければ、状況は一変します。捜査は秘書室長へ。さらに関与が明らかになれば、文在寅大統領の逮捕にまで及ぶ可能性があるんです」(金氏)

韓国の歴代大統領の多くは、辞任後悲惨な末路をたどっている。隠居生活を送る文氏の未来も、決して明るくはなさそうだ。

 

愛犬とたわむれる文氏。文氏のインスタより
愛犬とたわむれる文氏。文氏のインスタより
文氏のインスタより
文氏のインスタより
  • 写真AFP/アフロ

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