六代目山口組・司忍組長が若頭らを引き連れて新横浜駅に現れた理由
神戸山口組・井上邦雄組長、絆會・織田絆誠代表が相次いで襲撃され、分裂抗争が新展開を見せる中
「報道陣が来ているなか、司忍組長が清田次郎総裁と握手をしたり、談笑もしていた。当代の司組長が若頭、さらに若頭補佐まで従えてお見舞いに来たのです。それだけ、稲川会と友好関係にあることをアピールしたいという狙いがあるのでしょう」(暴力団事情に詳しい、ノンフィクションライターの鈴木智彦氏)
6月17日朝10時頃、JR新横浜駅の周辺は異様な厳戒態勢だった。上空には神奈川県警のヘリが飛び、十数名の私服警官が周囲を警戒していた。そんななか新幹線の改札口から出てきたのは、六代目山口組の司忍組長。竹内照明若頭補佐が先導し、迎えの車の前には高山清司若頭の姿まである。
「この日、一行は稲川会の中核組織である山川一家の本部に向かいました。この少し前から稲川会の総裁・清田次郎氏が体調不良で静養していた。その『お見舞い』にやってきたのです」(全国紙記者)
司組長は1時間ほど本部に滞在し、昼食をともにしたという。出て来る際、司組長と清田氏はガッチリ握手を交わした。
ここ最近、六代目山口組は攻勢を強めている。6月5日には神戸山口組の井上邦雄組長の自宅に10発以上の銃弾が撃ち込まれる事件が発生。翌6日には、神戸山口組から再分裂した絆會の織田絆誠代表の自宅に乗用車が突っ込んだ。どちらも逮捕されたのは六代目山口組の関係者とみられる。前出・鈴木氏が語る。
「一連の襲撃事件は、六代目山口組の上層部が指示を出しているというより、『やれば評価される』という空気を感じ取った人間が、いわば自発的に起こしていると考えられます。今回の上京のような『積極的な外交』が、こうした風潮を加速させる可能性はあります。ただ、神戸側も手をこまねいてるばかりとは思えません。何か行動を起こす可能性はあります」
山口組分裂抗争はいままさに風雲急を告げている。
『FRIDAY』2022年7月8日号より
- PHOTO:濱﨑慎治 結束武郎