夢を叶えて…「億り人」たちの意外すぎる「日々のおカネの使い方」 | FRIDAYデジタル

夢を叶えて…「億り人」たちの意外すぎる「日々のおカネの使い方」

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
大規模金融緩和を継続すると黒田総裁は発言。軟調な株価や円安基調はなかなか上向きにならないが、〝億り人〟はどう見ているのか

「コンビニに行かない」徹底した物欲コントロール
「桶井道」さんのケース

投資で億単位の資産を築き上げた″億り人″と聞くと、高級住宅街に住んで外車を乗り回して……というイメージが浮かぶかもしれない。だが、″投資の神様″ウォーレン・バフェットが毎朝マクドナルドを食べ、散髪代の10ドルすらケチると言われるように、普通の会社員から億り人になった人たちも、意外に堅実な暮らしをしているようだ。

「私の日課は、出かける前に水やお茶を水筒に入れることです。マイボトルは、私にとって『節約の神器』。1日500円のコーヒー代を節約すれば、年間で18万円、サラリーマン生活を43年とすれば770万円も貯められる計算になります。巷(ちまた)で話題になっている『老後2000万円問題』の4割は、マイボトル生活に切り替えるだけでクリアできるのです」

こう語るのは、47歳で資産1億円を突破した桶井道(おけいどん)氏だ。25歳から株式投資を始め、日本株や米国株のETFなどの運用が軌道に乗り、22年間で「FIRE」を達成し、’21年に退職。現在は親の介護や家事をしながら、配当金などの収入をベースに生活している。

「投資生活に関しては、昔よりも余裕が出ました。少し前までは、暇さえあれば株価チャートを見て一喜一憂していましたが、FIREしてからは長期投資を意識して、むしろお金のことを考える時間が少なくなりました。

会社員時代の年収は400万円台で、投資のタネ銭を作るためにはどうしても節約が必要でした。その習慣が今も続いていて、たとえば私はコンビニにできる限り行かないようにしています。と言うのも、コンビニは誘惑が満載で、無駄遣いの温床になるからです。飲み会も、歓送迎会や新年会など重要な会にだけ参加しますが、他は断り、二次会には行きません。慣習的な支出は、人生の『含み損』と考えています」

退職して1年半で、総資産は2000万円増え、年間配当金も1.5倍に増額したという桶井氏。まさに「お金がお金を稼いでくる」理想的なFIRE生活を送っているはずなのだが、そのウラには徹底した「物欲のコントロール」があるというから驚きだ。

「物欲はモノを見つけた時がピークで、数日すると買う意欲が下がるケースが多いです。だから、安いという理由で衝動買いしてしまいがちな初売りやセールには行かないようにしています。一方で、まったく贅沢しないわけではありません。『ザ・リッツ・カールトン』のような高級ホテルでティータイムを楽しんだり、月1回は高級寿司店で食事をしたりしています。その時は、とくに金額の上限を設けていません。プチ贅沢(ぜいたく)の満足感は中途半端ですが、とことん贅沢をすれば、余計な物欲が湧くこともなくなり、資産形成欲も増していくはずです」

桶井氏は億り人になって、若い頃買えなかったモノを買い漁(あさ)るどころか、少しずつ「断捨離」を始めている。手持ちで増えていっているのは「投資の幅」だけだという。

「集めるものは世界の株式とREIT(不動産投資信託)、ETFだけでいいです。現在の投資先は30ヵ国で、これをどこまで増やせるか、『地球儀投資』を楽しみにしています。今後欲しいものは……60歳でシニアマンションに入居したいと思っています。月額料金は配当金と年金で賄(まかな)える計算なので、贅沢にも損にもならないはず。最期は、今住んでいる街に高規格救急車を寄贈したいです」

夢を叶えた人生にしては地味かもしれないが、こうした「ちりつも」の結晶が、おカネに困らず生活を送れる″億り人″の称号なのである。

コツコツ投信長者は今日もスーパーをハシゴ
「井上はじめ」氏のケース

「お恥ずかしい話、現在失業中でアルバイトをしながら就活しています。去年は、東京五輪の選手村やハウスクリーニングの会社などでアルバイトをして生活費を稼いでいましたね。選手村では外国人選手の部屋のエアコンを修理したりして、いい経験になりました。ただ、そろそろ稼げる仕事を見つけないとまずいんですよね……」

目下のところ「職探し中」だと語るのは、元会社員の井上はじめ氏である。だが、彼も’21年2月に資産1億円を突破した、れっきとした″億り人″なのだ。会社員時代、手取り22万円から毎月10万円を投資信託に回すところからスタートし、6年間で800万円を積み立てた。その後、不動産や仮想通貨の分散投資を成功させ、14年間かけて資産1億円に到達した。

「当時からアーリーリタイアを目標にしていて、学生時代と同じ生活水準で積み立てれば十分なタネ銭ができると思ってやりくりしていました。結婚した現在も、夫婦での生活費は月15万円に収めるようにしています。節約例で言えば、動画配信サイトなどのサブスクにはできる限り手を出さないようにしています。去年『ネットフリックス』で『イカゲーム』が流行っていて、観たかったんですけど、それもガマンしました。

一度生活水準を上げてしまうと戻すのに苦労する、と言いますし。遊興費は、『欲しいものリスト』を作って管理しています。基本的に1万円を超えるものはメモして、週に1回メールでリストのリマインドが来るようにしています。衝動買いが激減しますし、買った後に満足度をつけて言語化することで、自分が本当に欲しいものを冷静に見極められるのでおすすめです」

月1000円台のサブスク費用もケチるという井上氏だが、コツコツ積み立て投資で資産を築いた人は節約を「楽しんでやる」マインドが強いようだ。

「必需品の買い物のハシゴは大好きです。魚だったら築地まで行って、アラを100円で買ってきたり、肉だったら専門店で豚肉の端のほうを100g20円で買ってきたり。スーパーマーケットなら『オーケー』や『業務スーパー』が大好きで、バイクで10分以内に店舗があるかどうかが住むところを選ぶ理由になっています」

その一方で、現在も月50万円を投資信託、5万円を仮想通貨の積み立てに回し、NISAやiDeCoをフル活用するなど、15万円の生活費含め月100万円が実質的な支出であるという。井上氏の金銭感覚は一般人からすれば独特に思えるが、カツカツした気持ちはなく、むしろ余裕があるという。

「資産が5000万円を超えた時、気持ちが大きく変わって、本当にやりたくないこと、納得できない仕事は断るようになりました。不動産投資の家賃収入が一定額入ってきて、節約も苦ではないので毎月の生活は黒字。2倍の1億円に達するのは時間の問題だなと思っていました。たぶん、資産がない時に1億円ポンと渡されたら、100万円くらいなら欲しいものを買っちゃうと思うんです。でも、長い歳月をかけて1億円を作ったから、100万円払ってそれを所有する価値があるのか、と考えるようになりました。

自己満足とか節税とか言われるかもしれませんが、ある程度資産ができた頃から寄付をするようになりました。’11年に東日本大震災があった時に、寄付をしたかったけれどそれほどの資産がなく、目を背(そむ)けてしまった記憶があります。今は毎年資産の0.1%程度の寄付なので、本当の資産家の寄付とは規模が違うかもしれないですけど、お金がなかった頃にできなかったことをやって社会に貢献できると、こういうお金の使い方もあるんだなと実感できるようになりましたね」

オーケーで節約して寄付をする、そんな奇特な億り人もこの国にはいるのだ。

大幅なディスカウントが人気のスーパー、オーケー。売り上げ5000億円を超え経営も絶好調

バーレスク貸し切りで豪遊…!
「東条駿介」さんのケース

「投資家の仲間で『バーレスク東京』が好きな人がいて、ちょっと興味があったんです。″億り人″になる前から、年に一回くらいはパーっと使うこともあって、女性がお酒を出してくれるようなお店でも散財していました。それで、本を出した記念のパーティーと引っ掛けて、貸し切ってみたんです。でも、ウン百万という金額ではないですよ」

露出度の高いコスチュームに身を包んだ美女がショーを繰り広げるバーレスク東京を、一晩貸し切り。前出の二人とは打って変わって「ザ・成功者」なおカネの使いみちを選んだのが、『超お買い得になった株と不動産で1億円作る!』(ダイヤモンド社)の著者、東条駿介氏(53)だ。

東条氏はIPO(新規公開株)銘柄に狙いをつけ、資産を一気に増やした。格安のワンルームマンション投資などでポートフォリオを拡げ、19年間で億り人の仲間入りを果たした。資産が2億円に達した現在も会社員として働いており、本業と並行して投資を続けている。

「妻が堅実な人間で、投資にはどちらかというと反対で、かつてはオリエンタルランドや飲食店の株を買って、優待券で懐柔しましたね。妻に限らず優待券はコミュニケーションツールとして便利だと思います。妻に資産額は明かしていないので、自分が億り人であることには気づいていないと思います。リーマンショックで資産が2000万溶けた時には、『あなた顔色悪いから病院行ったら?』と言われましたが……。

それからまとまった資産ができて、お金が心のゆとりを作ってくれることに気づきました。とくに医療はそうで、あれば受けられる治療も増えるし、病室も選べるようになる。バーレスクの話とは矛盾するかもしれませんが、お金は楽しみを得る以上に、嫌なことや辛いことを回避する防衛手段として活用するのがいいと気づきました」

投資で稼いでいることは会社にも秘密にしているという東条氏だが、優待券の例のように「コミュニケーション」に気を配ることこそ、さらなるおカネを稼ぐための重要な「使いみち」だと語る。

「自分だけ得をしたいと思うと儲からないもので、不動産の営業マンに自分の収益物件を他社より高く売ってもらえるように焼き肉をご馳走したり、証券マンに菓子折りを持って会いに行き、この先IPOの話がないか実際に聞いてみたりしますね。投資に限らず、人と接するのは大事だと思います。老後は『投資バー』『投資カフェ』みたいな店をやって暮らしたいですね。『保険ショップ』が巷にあるように、投資を相談できる窓口がカジュアルにあってもいいと思うんです。投資はボケ防止にもいいので一生続けていくでしょう」

「人への投資」と言えば大袈裟かもしれないが、投資巧者はこうしたカネ使いもテクニックとして持っている。

東条氏が開いた『バーレスク東京』貸し切りパーティーでステージに上がるキャストたち

「子育て」にお金のこだわり 湾岸タワマンに住むワケ
「坂本慎太郎」さんのケース

「20代半ばで1億円に到達したので、お金を使う遊びはひと通り体験しました。でも、そういう遊びはずっと続けていきたいと思うものがなく、今では投資と小さい事業、講演で動き回っているのが楽しいです。現在は守りの資産運用で、年率4%で回せれば元本は減らない。分散を心がけて、大きな変化が起こっても大丈夫なようにしています」

こう語るのは、『こころトレード研究所』の坂本慎太郎氏だ。坂本氏は証券会社に就職後、わずか3年で″億り人″に到達。27歳でかんぽ生命に転職してからも資産を増やし続け、35歳で独立。現在は株や債権、ゴールドや不動産などの分割投資を実践し、年間約1000万円を運用で稼ぎ出しているという。

「FIREしてからは、資産の桁にゼロを増やすことよりも、当面のお金の心配をせずに他の仕事に注力したいと考えるようになりました。今では時間がもったいなくてクーポン類を使うのをやめましたし、タクシーにも乗ります。と言っても、高級なものが好きなわけではなくて、昔は『ウブロ』や『オーデマ・ピゲ』のような高級時計も持っていましたが、転職した際に『上司よりも高い時計をつけて会社にいくのはどうなんだろう』と思って売ってしまいました」

倹約はせずとも豪奢な暮らしはしない、というのが坂本氏の今のスタイルのようだが、お金の使いみちについてとりわけ意識していることがあるという。それは、「子育て」だ。

「高級住宅街ではなく、湾岸エリアのタワーマンションに住んで、生活レベルは一流企業の会社員と同程度にするように意識しています。必要以上に生活水準を上げてしまうと、子供の将来の選択肢が狭まるかもしれないからです。上昇志向があって、かつ常識的な金遣いをしている人が多く住んでいるのは、おそらく湾岸エリアだろうと思います。富裕層よりも、この街で暮らす子供たちからのほうが吸収するものがあると思いますし、私も『パパ友』から刺激をもらっています」

億り人の「英才教育」は、あえて資産を「見せびらかさない」ことにあった。

湾岸エリアのタワーマンションはひとつの〝村〟の様相を呈している。ファミリー層が多く、意外と近所付き合いもある

お金を使いきれない……? 5億円貯めた男の「終活」とは
「www9945」さんのケース

「現在の配当金は、税引き前で年間およそ1500万円。米国株の配当金700万円はそのまま米国株に再投資をして、日本株の配当金800万円は生活費に充てています。専業投資家の性(さが)なのかもしれないんですが、どうしても再投資サイクルを崩したくないっていう気持ちが湧いてしまって、お金がなかなか減らないんです」

そう語るのは、個人投資家の「www9945」氏だ。新卒で入った会社を持病で退職し、ギリギリで生活していた時には所持金60円しかなかったという同氏は、再就職先で清掃員として勤務しながら貯金100万円を作って株式投資に回し、投資生活21年で資産1億円を突破。50代になった現在は仕事を辞めて専業投資家になり、日本株と米国株の信用取引をベースに運用し、資産5億円にまで増やしている。

「今年5月まで、家賃5万円の団地に住んでいました。40代半ばまで会社員生活をしていたせいか、あんまり高い買い物に興味が湧かないんです。よく億超えたらマンション買うとか言いますけど、そんなお金があったら投資に回します。趣味といえば……コロナ前は、自分が株を持っているベトナムやインドネシアなどに旅行しました。

あと、年に一回、有馬記念だけ馬券を買っています。これも会社員時代の名残りで、ボーナスが出る12月だけお金を使いたくなるんです。でも、競馬は1が10になるかゼロになるかの世界で、それなら株で稼いだほうが手っ取り早い。競馬はあくまでお祭り感覚でやっています」

老後に持て余すほどの資産を持ちながら、やはりその使いみちには「投資」がチラつくという「www9945」氏。家族3人に非課税上限まで「暦年贈与」をしているが、それでも年間330万円だから、同氏のポートフォリオからすれば微々たるものだ。今後どう使っていくか、同氏は早くも「億り人の終活」に焦点を合わせているという。

「マネー誌を読んでいると、どの投資家が何%儲かったという情報がイヤでも入ってくるんです。そうすると、彼らには取り残されたくないという気持ちが湧いてくる。投資家ってゆるく競争しているんですよね。だから使おうと思っても、先ほど言った通りパフォーマンスを上げたい気持ちが勝ってしまいます。ただ、信用取引で上値を追う私の投資スタイルは、だんだん肉体的にも精神的にも辛くなってくる。50代になって、腰が痛かったり、夜中にトイレに起きたりと身体の衰えを実感することが増えました。独身で子供もいないので、そろそろ使う方向に舵(かじ)を切らないと、せっかく積み上げたおカネを使い切らずに死んでしまうかもしれない。それは怖いです」

億単位の資産を積み上げるのは大変だが、使い切るのも簡単ではないようだ。

「有馬記念だけは毎年馬券を買う」という「www9945」氏。昨年はコロナ禍での開催となったが売り上げは約500億円

『FRIDAY』2022年7月8日号より

  • PHOTO共同通信社 時事通信社

Photo Gallery5

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事