応援はしたいけど…『ちむどんどん』現場で生じる不協和音 | FRIDAYデジタル

応援はしたいけど…『ちむどんどん』現場で生じる不協和音

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盛り上がっている「#ちむどんどん反省会」

「#ちむどんどん反省会」のタグ付けされたツイートが、日々SNSに活発に書き込まれるなど、盛り上がりつつも批判の声が多いNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』。

景気低迷やコロナ疲れなどもあり、世の中が疲弊している昨今、ドラマは「悪人のいない世界」が好まれる傾向があり、関連記事も一般的には揚げ足取りや批判などよりポジティブなものが好まれることが多い中、本作には「どうしたものか……」と頭を抱えている記者や編集者の声をよく耳にする。

「『ちむどんどん』は朝ドラらしく明るいですし、みんなが言うほどそこまで特別にひどいわけではないと思うんですけどね。そもそも朝ドラって、昔はこんなもんでしたよねえ。でも、近年は視聴者の目が肥えてしまっていることがありますし、何より不運だったのは、緻密に作り込まれた『カムカムエヴリバディ 』の後だったために、比較されてしまうことですよね」

そう語るのは、あるエンタメ雑誌編集者。

また、スポーツ紙記者も苦笑気味に言う。

SNSの『反省会』を拾い上げる記事はネット上に山ほどありますけど、それをどの媒体も横並びでやったところで、意味がないですよね。それに、毎朝観るものだから、少しでも楽しみたいと思っている人は少なくないはず。できるだけ良いところを見つけて応援するスタンスのポジティブな記事を届けたいとは思っているんですが、それにしてもあまりに展開がいろいろ雑で、どこをどうやって褒めたら良いのか悩んでしまうことは確かに多いんですよ」 

それにしても、日々「反省会」ネタばかりが話題になる不評ぶりは、演者や作り手には届いていないのだろうか。こうした問いに対し、NHK関係者は言う。

「もちろんSNSなどの反響はチェックしていますし、その内容も承知しています。ときには、視聴者の反響について別部署から制作スタッフに伝えることもあります。ただ、朝ドラはだいぶ先まで撮影が進んでしまっているため、そうした視聴者の声が作品の中身にダイレクトにはなかなか反映されにくいところがあるんです」

NHK公式HPより

特別編で追加された「修正」と「補足」

こうした不調の「打開策」として、6月21、22日には二夜に渡り、『ちむどんどん 特別編』として、「前編 シークワーサーの少女」&「後編 別れの沖縄そば」が放送された。辛口な評価の多い本作において、懐かしむ声の多い第1週第2週の可愛い子役時代を振り返るものである。これにより、多くの視聴者に「ちむどんどん」した頃を思い出してもらい、まだ観たことのない層を取り込もうという狙いがあったのだろう。

しかし、そこでは本編では描かれていなかった内容がナレーションで付け加えられていた。大森南朋演じる比嘉家の父・賢三が急死した後、葬式後にもたれた親族の話し合いにより、サトウキビ畑を売って借金の返済に充てたということが、ヒロイン・暢子を演じる黒島結菜によるナレーションで「追加」されていたのだ。

また、イカスミジューシーをヒントに、「イカスミパスタ」を暢子が発明したことになってしまっている本放送は多くの視聴者からツッコミを受けていたが、6月18日放送の土曜総集編では「イカスミは見た目がちょっとという理由からフォンターナでは出していませんでしたが」というジョン・カビラのナレーションで補足。視聴者からツッコミが出た箇所を踏まえて、総集編のナレーションで「修正」「補足」するという事態が起こっているのだ。

これにより、SNSでは「総集編のほうが見やすい」「本編見てれば分かることなのに、分かりづらいという声があってわざわざ総集編で追加したのでは」といった好意的な声がある一方、「辻褄が合わないところは総集編で改ざんするのか」「まとめや総集編で歴史の改竄が進む」といった批判もさらに増えている。なかには「総集編だけ見れば良いってことですね」という声も出てしまっているが……。

先述のテレビ誌記者は言う。

「役者さんたちは皆さん、少しでも作品を盛り上げようと一生懸命演じていらっしゃるのですが、大雑把な脚本・演出と、役者さんの熱意とがうまくかみ合っていないところもあるのではないかと思います。 

例えば、先日も『あさイチ』に賢秀役の竜星涼さんが出演されたときに、カットがかかるまではアドリブをし続けると語っていましたし、公式ホームページの『黒島ラジオ』でも黒島さんが竜星涼さんのアドリブの話を語っていましたが、自分が金吾(渡辺大知)の親相手に詐欺行為を働いたにもかかわらず、乗り込んできた石川(山田裕貴)に『可愛い妹を泣かせたら許さん!』と“イイ兄”感を出してみせるのは多くの視聴者にサイコパスと言われていました。こうした矛盾も、脚本・演出がざっくりで、アドリブが多いからなのかと考えると、なるほど……と思います」

制作サイドにも不穏な空気は広がっている…!?

ちなみに、作り手の中にも不穏な空気は広がっているようだ。 

「制作関係者にインタビューした際、『それは僕が言うことではないから』『それは〇〇が考えていることだから』『それはHPに書いてあること』などと、終始ピリピリした空気に驚きました」(先述のエンタメ雑誌編集者)

折り返し地点まで来て今のところ主人公に対する共感はなかなか得られず、作品についても辛口コメントが増える一方。しかし、残り半分弱をかけてこの評価を見事覆し、最終的には「毎朝気持ちよく、一人の主人公に感情移入」できる作品に終着することを期待したい。

  • 南山ヒロミ

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