仮面ライダー俳優・半田健人に下った「700万円の支払い命令」
かつての所属先と泥沼裁判になっていた! 事務所が負担していた家賃などの返還を請求されて……
「長かったですね……」
FRIDAYの直撃に半田健人(38)はそう呟き、遠い目をして空を眺めた。その表情は、どこか爽やかだった――。
仮面ライダー俳優として知られる半田が、かつて所属した芸能事務所と金銭を巡る泥沼訴訟となり、今年5月に約700万円の支払い命令を下されていたことが明らかになった。
「半田は’01年、17歳の時にジュノン・スーパーボーイ・コンテストでファイナリストに選ばれ芸能界入り。’03年に『仮面ライダー555』で主演に抜擢されブレイクを果たしました。鉄道や昭和歌謡に造詣が深く、『タモリ倶楽部』に出演するなどタレントとしても活躍。現在は歌手業にも力を入れており、’16年にはメジャーデビューもしています」(スポーツ紙芸能担当記者)
そんな半田と事務所の争いの始まりは、何と11年前に遡る。
「仮面ライダーでブレイク後の’05年に、半田は事務所と1年ごとに自動更新されるマネジメント契約を結びました。裁判資料によると、当時の半田の月給は55万5555円。主演した『仮面ライダー555』にちなんだ、まさにライダー愛と言える給料です」(全国紙司法担当記者)
半田と事務所は、二人三脚で芸能活動を行っていた。だが、’10年にマネジメント契約の内容変更をしたことを契機に、関係は破綻することになる。
「’10年に半田が『仕事をセーブしたい』と事務所に伝え、事務所側もそれを了承。これまで1年更新だったマネジメント契約を6ヵ月更新に変更しました。しかし、いざ半年が経つと、半田は『契約自体が終了した』と主張。一方、事務所側は『内容を変更しただけで契約が終了したわけではない』とし、互いの主張は平行線をたどりました。結局話はまとまらず、’11年、業を煮やした事務所側がマネジメント契約の有無を巡り、東京地裁に提訴したのです」(半田の関係者)
翌’12年、地裁は半田の「契約は終了した」という主張を支持する形で事務所側の訴えを棄却。事実上、半田の勝訴となった。だが、ここからさらなる法廷バトルが繰り広げられることとなる。
「事務所は、契約が終了したとされる’10年10月から判決が出る’12年まで、半田に対して給与や自宅マンションの家賃、光熱費、携帯代、はては住民税まであらゆる生活費用を支払っていたと主張。そして、’20年10月、800万円超の費用の返還を求め、再び東京地裁に提訴したのです。費用について半田は『契約終了後も事務所は、契約が存続しているとテレビ局やイベント主催者に説明していた』と反論。まさに泥沼法廷闘争の様相を呈していました」(同前)
そしてついに、第2ラウンドの判決が下ったのだ。今年5月16日、東京地裁は事務所側の主張を認め、半田に対し、700万円を超える費用の支払いを命じた。
巨額の返済を背負った男は何を思うのか。7月上旬の夕方、渋谷にあるレコードショップから出て来た半田を直撃した。
――半田さん、フライデーです。5月に判決が出た以前の所属事務所との裁判についてお聞きしたい。
「ひとことで言えばもう済んだことです。(裁判となった事務所の社長は)お世話になった方ですし、僕としては争うつもりは本来なかったのですが、これで決着をつけるしかなかった。法の下、終結したのであればお互いそれで納得しようという話です」
――最初の提訴から11年が経ちます。
「長かった……。これで終わりにしたいし、向こうもこれで納得してもらえればと思います。お互いにこれから前を向いて行くしかないと思ってます」
――今後は持ち前のライダーパワーでさらなる飛躍を?
「そうですね。これからは歌のほうも力を入れてやっていきたいです。これからもう一軒、レコード屋を回る予定なんですよね。それでは!」
そう笑顔で語ると、渋谷の雑踏の中に消えていった半田。巨額の支払い命令が下ったとはいえ、11年という長きにわたる争いがようやく終わり、心は晴れやかなようだ。




『FRIDAY』2022年7月22日号より
PHOTO:小川内孝行