「就職志望ランク6位」の大塚商会が「昭和ギャグCM」を続ける訳 | FRIDAYデジタル

「就職志望ランク6位」の大塚商会が「昭和ギャグCM」を続ける訳

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あのダジャレは、社長自ら考案! 

「コピー用紙ないや。ようし、補給しよう。サイズは…A4でえーよん!」「バインダーないなあ そうだ 頼めバインダー」など、コテコテのおやじギャグのCMが印象深い大塚商会。しかし、就職サイト「ブンナビ」を運営する文化放送キャリアパートナーズ(東京都港区)の調査によると、「通信・IT・ソフトウェア」カテゴリーでは6位。事務用品から介護用品まで扱う一方、システムインテグレーションを手がけるIT企業でもあるのだ。そんな会社が、なぜ昭和感あふれるCMを流しているのか。

昭和感満載のお馴染みのCM。上記のバージョンは、「たのめーる」のCMの中でもっとも多く放映されているとか

「あのCMは社長の決断なんです。大塚裕司が社長に就任したのは2001年。『たのめーる』のキャラクター“たのくん”が登場するCMは、その翌年2002年から放映しています」

こう言うのは販売企画部次長の丸山義夫氏。なんと、あのダジャレは社長自らセレクトしていると言う。

「ダジャレ自体は広告代理店が考えてくるんですけど、突然社長からお呼びがかかる。納得がいくものがないと社長と2人で、『たのめーる』の分厚いカタログをひっくり返して、ああでもない、こうでもないと考えるんです(笑)」

社長自ら考案したものもある。

「デスクマットが届いた。 おまっとーさんでした」「新しいパソコンに新しいOS オーイエース」などがそれ。

「ダメなものに対して、社長は決して『〇〇だからダメ』とはおっしゃらないんです。『僕がなぜダメと言ったかわかる?』と聞かれる。たとえば『急須がないよ 万事きゅうす』はダメと言われたことがありました。考えてみると、我々はソリューションベンダーなのに、解決策を提案していない。だからダメなんだとわかりました。つねに、そういうお考えをする方なんです」

なんだかNGになったもののほうが、社長の考えがわかる気がする。丸山氏と2人で考えているというが、社長の考えを知る絶好の機会。2人だけでなく、ほかの社員たちも参加したほうがいいように思うが、どうだろう。

「たのめーる」CMの陣頭指揮をとる大塚裕司社長。大学卒業後、某銀行に就職。いちばんつらかったのは、そこで倒産をみたこと。「それゆえ自社は絶対倒産させないという経営理念をお持ちです」(丸山氏)。サンバ好きで、浅草サンバカーニバルに参加したことも

イメージは昭和30年代。街の電器屋さんを目指して

CMには“たのくん”という犬が登場するが、“たのくん”が犬なのは、犬はご主人に忠誠をつくし、寄り添うということから、大塚商会の顧客への姿勢の象徴としてなのだとか。

「親しみのあるキャラクターで、昭和30年代のイメージを出したいということが社長の希望だったのです」

昭和30年代といえば、映画『三丁目の夕日』で描かれている時代。いったいなぜ昭和30年代を?

「そのころ、街の電器屋さんは電球一つでも駆けつけてくれて、その場で取り替えてくれた。ラジオの調子が悪い、テレビの映りが悪いといえばみてくれる、なんでも相談にのってくれる存在でした。大塚商会もそういう会社でありたいと言うのです。 

我々のお客様は大半が中小企業で、デジタル化といっても、敷居が高い。インターネットで困っている、セキュリティで事故を起こしてしまった、クラウドってよくわからない……街の電器屋さんに相談していたように、そういうことをすべてうちに任せてくださいという気持ちから、昭和30年代のイメージを大事にしているんです」

大塚商会の業務内容をよく知らない会社でも、あのCMは知っている。飛び込みで営業に行っても、「あのダジャレの会社ね」と言われ、CMを糸口に話がはずむ。“たのくん”は営業マンにとって大事な存在になっているというのだ。

「オフィスまるごとお任せくださいというのが、わが社のモットー。コピー用紙1枚からシステムインテグレーションまで、お客様の『困った』を聞いて、信頼関係を作って提案しろと、つねに言われています」

電子帳簿保存法、インボイス制度に向けて“たのくん”はますます活躍

昭和30年代をイメージしたCMを流しているからといって、古い体質の会社かといったら、そうではないらしい。

「当社は、1961年の創業当時から年功序列ではなく、成果主義。 

人事査定も上司だけが行うのではなく、上司自身も部下からも評価されて、評価がよくないと教育を受け直したり、人事から指導を受けることもあります。 

CMのようにほんわかした雰囲気もありますが、メリハリのきいた会社だと思います」

それにしても、今やCMはリクルートにとっても大事なツール。システムインテグレータ―の企業であることをアピールしなくていいのか?

「それまでは社長の強いご意思でCMは『たのめーる』だけでしたが、実は去年から『あなたのための、DXでありたい』というCMを流しているんです。けれど、まだ認知度が低くて、あのCMが大塚商会のCMだとわかってもらうためには、時間がかかると思います(笑)」

大塚商会はメーカーではない。さまざまなメーカーから商品を仕入れ、顧客に最適なシステムを作り上げる。

「それが当社の強みだと思っています。 

今、半導体不足で製品を作れず、困っているメーカーさんが多いですけど、当社はビジネスパートナーとなっていただいている会社が複数ありますから、その中から製品を提供できるメーカーさんをお客様に紹介することができる。 

2022年1月から『改正電子帳簿保存法』が施行され、2023年10月からはインボイス制度も始まります。システムインテグレーションがますます重要になってくる。 

そんなとき“たのくん”を突破口に『実はIT企業なんですよ』と入っていける。新規顧客の開拓に“たのくん”はとても役立ってくれています」

■“たのくん”のCMライブラリーはコチラ

  • 取材・文中川いづみ

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