もはや恒例行事…韓国・新旧大統領宅で「群衆が迷惑デモ」の理由 | FRIDAYデジタル

もはや恒例行事…韓国・新旧大統領宅で「群衆が迷惑デモ」の理由

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反対派から自宅前で激しい罵声を浴びている文在寅氏と金正淑夫人(画像:AFP/アフロ)
反対派から自宅前で激しい罵声を浴びている文在寅氏と金正淑夫人(画像:AFP/アフロ)

「土下座して謝れ!」

「北朝鮮のスパイめ!」

韓国南東部・梁山市ののどかな村に、罵声怒号が響く。前大統領・文在寅(69。ムン・ジェイン)氏の自宅前に連日数十人の群衆が集まり、昼夜問わず拡声器で激しい言葉を浴びせているのだ。近くには文氏を侮蔑するようなメッセージが書かれた横断幕がはられ、「刑務所に送るぞ」という意味から無数の手錠が飾られている。

「デモは、文氏が大統領を退任した今年5月から続いています。文氏は『故郷で静かな隠遁生活を送りたい。農作物を育てトレッキングをして過ごす』と話していますが、在任中の政策に反対する右翼団体が抗議しているんです。街宣車に乗った人々が大声で文氏を罵り、大きく振られた旗には『死刑』の文字が。

批判の対象は文氏だけではありません。夫人の金正淑氏にも、罵詈雑言が投げかけられています。デモの中心人物は文氏夫妻から名誉棄損などで告訴されていますが、デモが止む様子はない。周辺住民の中には、連日連夜続く罵声で体調を崩しノイローゼになった人もいるんです」(韓国紙記者)

迷惑なデモが行われているのは、文氏の自宅前だけではない。新大統領・尹錫悦(61。ユン・ソンニョル)氏宅でも、6月から反対派の抗議運動が行われているのだ。

「尹氏は『言論の自由』を理由に事実上、文氏への抗議デモを放置しているんです。文氏の支持である左翼団体が、これに激しく反発します。報復として、ソウル市内の高級住宅街にある尹氏のマンション前で連日スピーカーで罵声怒号。大音量で激しい音楽を鳴らしているんです」(同前)

住民の要請も無視

今年5月に大統領へ就任した尹大統領と夫人の金建希氏
今年5月に大統領へ就任した尹大統領と夫人の金建希氏

尹氏の住むマンションの住民は「赤ちゃんが寝ています」「受験生がいるので静かに」などと書かれた横断幕を掲げるも、デモに集まった群衆は無視。再三にわたる警察の自粛要請にもかかわらず、抗議運動は激しくなるばかりだ。なぜデモは止まないのだろう。朝鮮半島情勢に詳しい『コリア・レポート』編集長・辺真一氏が解説する。

「韓国ではデモや街宣への取り締まりが、厳しくありません。『1時間に3回大音量をあげれば違反』という規制はありますが、参加した群衆は1時間に2回に抑えるなど抜け穴を突いている。国会では、デモを取り締まる法律の制定を急いでいるようです」

背景には、韓国の独自の事情もある。辺氏が続ける。

「日本では、亡くなったり引退した要人を責めないという風潮があります。一方、韓国では辞任しても批判の手をゆるめません。刑務所に入るなど明確な罪を追わない限り、反対派は許さない。文氏の自宅前にいる群衆は、5年間の任期中の失政を糾弾しているんですよ。

尹氏の自宅前のデモは、文氏への抗議に対する報復です。文氏への抗議運動の中心人物の夫人が大統領府のスタッフだということも判明し、より怒りに油を注いでいる。どちらかが止めないかぎり、迷惑なデモは続くでしょう」

新旧大統領宅前で連日繰り返される抗議運動。負の連鎖は断ち切れそうにない。

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  • 撮影AFP/アフロ

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