13兆賠償命令…東電元会長「お一人ラーメン」後に語っていた弁明 | FRIDAYデジタル

13兆賠償命令…東電元会長「お一人ラーメン」後に語っていた弁明

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原発事故から1年半後の12年12月、ラーメン店で一人で昼食をとっていた勝俣元会長
原発事故から1年半後の12年12月、ラーメン店で一人で昼食をとっていた勝俣元会長

「7ヵ月かけて書いた判決です。最後までしっかり聞いてください」

東京地裁第103号法廷に、裁判長の厳粛な声が響く。「言いたいことがあるかと思いますが心の中でお願いします」と、傍聴席へ異例のお願い。その後30分以上にわたり判決文を読み上げてから、語気を強めてこう語った。

「被告らの対応は東京電力内では当たり前の行動だったかもしれないが、原子力事業者としては安全意識や責任感が根本的に欠如していたと言わざるをえません」

7月13日に下された、福島第一原発事故をめぐる株主代表訴訟の判決。朝倉佳秀裁判長は、津波対策を怠り東電に巨額の損害を生じさせたとして、勝俣恒久元会長(82)や清水正孝元社長(78)ら旧経営陣4人に計13兆3210億円の支払いを命じた。

「原発事故で旧経営陣の過失を認めた司法判断は初めてで、賠償額としては過去最高のレベルでしょう。政府の地震調査研究推進本部や東電内から敷地の高さを超える津波が来る可能性が指摘されながら、旧経営陣は具体的な指示をしなかったと指摘。指示があれば、担当部署は『浸水対策を発想することは十分可能だった』と認定したんです」(全国紙司法担当記者)

「私は知らないって!」

本誌記者の直撃に声を荒らげる場面もあった勝俣元会長。12年12月撮影(画像を一部加工しています)
本誌記者の直撃に声を荒らげる場面もあった勝俣元会長。12年12月撮影(画像を一部加工しています)

判決後の記者会見で、原告側代理人の海渡雄一弁護士はこう喜びを表した。

「100点満点の判決です。苦しい生活へ追い詰められた、たくさんの住民に心から喜んでもらえると思う。原子力事業者の役員には大変な重責が伴うことが明確となり、脱原発に向けた経営判断につながっていくと願っています」

東電の旧経営陣は、原発事故の責任をどう感じているのだろうか。事故から1年半後の12年12月、東京・四谷のラーメン店「大勝軒」で一人昼食をとっていた勝俣元会長。食事後に『FRIDAY』が直撃すると、こう弁明していた。

「私は知らないって! 現役の人に全部ゆだねたんだから。無責任にいろいろ言うのはおかしいでしょう」

判決によると、都合の悪い情報が表沙汰にならないよう腐心していたという東電の旧経営陣。未曽有の事故を起こした大企業のトップとして当事者意識があるのか、あらためて問われている。

12年3月、自宅の郵便受けから新聞をとる勝俣元会長
12年3月、自宅の郵便受けから新聞をとる勝俣元会長
  • 撮影船元康子 蓮尾真司

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