リーダー3度目の逮捕…警視庁が『神真都Q』を厳重警戒するワケ | FRIDAYデジタル

リーダー3度目の逮捕…警視庁が『神真都Q』を厳重警戒するワケ

『神真都Q』メンバーが購入させられた『テスラ缶』とは?

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「神真都Q会」の事務所に家宅捜索に入る警視庁の捜査員(2022年4月9日撮影)
「神真都Q会」の事務所に家宅捜索に入る警視庁の捜査員(2022年4月9日撮影)

7月13日、警視庁公安部は建造物侵入容疑で反ワクチン接種団体『神真都(やまと)Q』のリーダー・倉岡宏行容疑者(43)ら男女3人を再逮捕し、新たにメンバーの男女5人を逮捕した。

倉岡容疑者らは3月15日正午前、ワクチン接種会場となっている東京ドームに立ち入り、「(ワクチンを)打ったら5年以内に死ぬ」「子供だけには打たせるな」などと大声を上げ、接種を妨害。倉岡容疑者は今回で3度目の逮捕となった。警視庁関係者が語る。

「倉岡容疑者は3月15日の東京ドーム接種会場への侵入に続き、3月末には新宿区の子供向け接種会場へ、4月上旬には渋谷区のクリニックへ侵入し、逮捕されています。5月10日には東京地検から建造物侵入罪で起訴されました。リーダーが逮捕されたことで、神真都Qの幹部は過激な行動やデモの中止をメンバーに通達しました。YouTubeで盛んに行われていた反ワクチン活動もトーンダウンし、最近はすっかりおとなしくなっています。だからと言って団体が弱体化したわけではありません。構成メンバーは推定で1万人を超えており、いまだに強い影響力を持っています」

この4ヵ月で3度目の逮捕となった倉岡容疑者。なぜ何度も過激な活動を繰り返したのか。その背景には、多額のお布施の存在があるという。神真都Qは、陰謀論を唱える政治団体『Qアノン』の日本支部として2020年後半ごろに誕生。倉岡容疑者と共に陰謀論やオカルト論を展開するYouTuberのX氏がリーダーを務めていた。しかし、会員が増えるにつれて2人はあるビジネスを始めるようになったという。団体の初期メンバーが明かす。

「月に2~3回行われていた集会で、2人は『テスラ缶』という缶詰の販売を始めました。X氏は『アメリカの“エリア51”から輸入したこの特殊な缶を置くことで、病気やコロナにかからず、若返ることができる』などと謳い、4缶1セット約30万円で売り出した。効果に応じたグレードがあると語り、大きい金色のものは約250万円で販売していました。ただ、これが飛ぶように売れたんです。購入者の大半はX氏や倉岡の信奉者である30~50代の主婦たち。もちろん、若返りたい、病気を治したいという切実な理由で購入する人もいますが、大半は投げ銭のような感覚で2人を応援したい、近づきたいという一心で購入する人たちです」

こうして大金を得た2人はテスラ缶の売上を伸ばすために、オカルト論・陰謀論を説く集会だけでは限界があることに気づき、現実路線への転換を模索していたという。

「昨年末に、コロナワクチン接種条件の低年齢化が発表されるや否や、X氏は突然、反ワクチンを唱え始めました。最初のデモが大阪で行われたのですが、予想以上の人が集まった。加えてデモをやればニュースになり、団体の宣伝にもなる。結果として構成員が増え、『ワクチンを打たなくてもテスラ缶があればコロナに感染しない』と宣伝すればたくさん売ることができる。要は、反ワクチン運動はあくまでテスラ缶を売るための手段に過ぎないのです」(前出の初期メンバー)

神真都Qは今年2月、ロシアがウクライナに侵攻するや否や、今度は「プーチンは正義の味方」と主張を始めた。警視庁はその動向を注視している。

メンバーが7万円で購入した「テスラ缶」。4缶1セット28万円で販売されている
メンバーが7万円で購入した「テスラ缶」。4缶1セット28万円で販売されている

 

高さ10センチ幅9センチ。重量約1.5キロ。手にするとズッシリと重い
高さ10センチ幅9センチ。重量約1.5キロ。手にするとズッシリと重い

 

「テスラ缶」と名付けられているが、イーロン・マスクがCEOを務める『テスラ社』とは何の関係もない
「テスラ缶」と名付けられているが、イーロン・マスクがCEOを務める『テスラ社』とは何の関係もない
  • PHOTO毎日新聞社/アフロ(家宅捜索)、原一平(テスラ缶)

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