阿部元リポーターが見た「合同結婚式」韓国に嫁いだ日本人妻の悲惨 | FRIDAYデジタル

阿部元リポーターが見た「合同結婚式」韓国に嫁いだ日本人妻の悲惨

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韓国で行われた統一教会の「合同結婚式」。日本からも多くの女性が参加したことも(‘92年)

彼女との出会いは、’90年代後半、韓国の東北部のとある村であった。

寒い日の早朝、自転車に新聞を積んで一軒一軒配達をしていた。統一教会からの奪還を手助けする支援団体の手引きによって彼女と遭遇できたのである。

私は当時、『タイムアングル』(フジテレビ系)のリポーターとして、教団に関する事件を取材。その中で彼女へのインタビューが実現したのだが、自宅に戻る時間が決まっていたので、5分間の緊迫した取材であった。

彼女の名は洋子さん(仮名)。年齢は30代前半と言っていたが、ノーメイクで肌は荒れ、髪もパサついており、私の眼には40代半ばから後半に見えた。

関東の公務員の家に生まれ育ち、短大を出て何不自由のない生活を営んでいた。弟が一人いると言っていた。

統一教会に入信したのが6年前。短大の友人に誘われて、教義と世界平和に共感して信者となった。

合同結婚式への参加は、親をはじめ、誰一人として賛成はしなかった。しかし、

「自分なら出来る」

と“根拠のない自信”に突き動かされて決意したそうである。

相対者(夫となる人)とは、合同結婚式会場の韓国『88スタジアム』で初めて出会った。農家の次男坊で頼りがいの無い感じの男性であった。

合同結婚式が終わり、すぐに地獄が始まった。

韓国東北部の実家での結婚生活は、まさに生き地獄であった。

実家には次男の自室もなく、洋子さんは豚小屋で寝起きをしていた。

洋子さんは片言の英語は話せたが、夫は無学で韓国語以外は話せない。会話も無ければ一家団欒の時間もない。時折、夫が訪ねて来て用が済むと出ていってしまう。

ただただ労働力としての日々。加えて現金収入の為に新聞配達を強要された。

こんな劣悪な環境にも拘わらず不思議な事に、唯一の“より所”は

「統一教会の教書を読む事です」

と語っていた。

外に出る事が許されて、支援団体と接触が出来た。その支援団体によって、洋子さんは夫の入信の本心を知ることになる。

30年ほど前、当時の韓国の農家の次男坊へ嫁ぐ人はほとんどいない。
そんな中、統一教会の関係者から

「入信すれば高学歴の日本人女性と結婚出来る」

と勧誘され、入信したようだと聞かされたのである。

“何故逃げられなかったのか?”と洋子さんに聞くと、

「パスポートを取り上げられており、現金も無い。土地勘もなく自分がいる場所が何処なのかも分からない」

と語っていた。

私は帰国後、洋子さんの消息について八方手を尽くしたが行方は分からないままである。

その後、統一教会は文鮮明の死去により分裂。統一教会は『世界平和統一家庭連合』と名を変え、現在も合同結婚式を行っている。当時のような“日本人妻”の悲劇が、今も続いているのかは分からない。

洋子さんの無事を祈るばかりだが、統一教会を信じてアフリカ大陸等に渡った女性も当時は大勢いると聞いている。

世界の片隅で助けを待つ女性達の声が届く日は来るのだろうか…。

  • 阿部光利(元リポーター)

    ‘56年生まれ、フジテレビ『TIME3』専属レポーターとしてデビュー後、同局の『タイムアングル』、『おはよう!ナイスデイ』、『ナイスデイ』、『とくダネ!』、『2時のホント』などの情報番組でリポーターとして活躍。‘11年から‘19年までは東京都台東区議会議員に。‘20年、衆議院議員の公設第一秘書として活動。現在は、社会問題などを独特の視点で取材。ルポライターとして活動している

  • 写真Fujifotos/アフロ

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