最下位転落の危機…巨人・原辰徳監督「それでも続投」の特殊事情 | FRIDAYデジタル

最下位転落の危機…巨人・原辰徳監督「それでも続投」の特殊事情

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波に乗れずベンチで虚ろな表情の原監督。左は阿部コーチ(画像:共同通信社)
波に乗れずベンチで虚ろな表情の原監督。左は阿部コーチ(画像:共同通信社)

今季の巨人が凋落著しい。

プロ野球は、7月24日に前半戦の日程を終えた。巨人は5月までヤクルトと首位争いを演じるも、6月以降は徐々に後退。借金は5に膨らみ順位を5位にまで下げた。6位中日との差は安全圏とは言えない3・5ゲーム。リーグ最速で50敗に到達し、ここから最下位転落の危険性も十分あるのだ(成績は7月25日時点)。

「低迷の最大原因は、7月15日の広島戦からプロ野球史上初となる4試合連続満塁被弾を喫するなど、崩壊状態の投手陣にあります。チーム防御率は12球団ワーストの4.05。特にリリーフ陣の防御率が4.25とボロボロで、終盤に逆転されるケースが目立つ。頼みの先発陣は絶対的なエースだった菅野智之に衰えが目立ち、世代交代が求められています。

外国人投手も、あまり調子が良くありません。新加入のアンドリースは、7月16日の広島戦で7安打を浴び6失点するなどいまだ白星なし。7月20日のヤクルト戦では、クロールが村上宗隆に3ランを浴びるなど新型コロナウイルス感染で主力を欠く相手にノックアウトされました。打つ手がない状態と言えます」(球団関係者)

野手でも主砲・岡本和真や丸佳浩ら、中心選手が新型コロナで大量離脱。巨人には、光明が見えない。もし最下位となれば、75年の長嶋茂雄政権下以来47年ぶりの屈辱となる。

「原辰徳監督(63)の責任は大きい。全権監督としてチーム編成から現場の指揮、選手起用まですべて任されていますから。今季の原監督は、采配に疑問が残ります。先発を早めに交代させるケースが目立ち、脆弱なリリーフ陣に頼ろうとしているんです。

象徴的なのが、7月17日の広島戦でしょう。4対0とリードし、先発の高橋優貴が1点を返されると4回途中で交代。前日に敗戦処理登板した鍬原拓也を投入し、満塁本塁打を浴びました。采配が振るわないのです」(スポーツ紙担当記者)

「安心なさったこともあるでしょう」

東海大時代、3塁の守備についた原監督(画像:山田真市/アフロ)
東海大時代、3塁の守備についた原監督(画像:山田真市/アフロ)

原監督は、昨年末に巨人と3年契約を結んだ。今季終了後も任期が2年残っているとはいえ、最下位に落ちれば決して安泰とは言えない。だが、原監督はあくまで前向きだ。7月20日に読売新聞東京本社(千代田区)で山口寿一オーナーへ前半戦報告を終え、報道陣にこう話している。

「オーナーは、すごく親身になって見てくださっているのでね。良いところ、足りないところ、そういうところも含めていい話ができたかな。オーナーはチームの現状を聞いて、安心なさったこともあるでしょう。さらに期待をしてくれたらありがたいですね」

投手陣が崩壊し、最下位転落危機にある「チームの現状」を聞き、山口オーナーは本当に「安心なさ」り「期待をしてくれた」のだろうか。原監督の強気の背景には、チームの特殊事情があるという。

「堀内恒夫さんが率いた05年に5位と低迷すると、巨人は三顧の礼で原監督を迎えています。今季で球団史上最長の16年も監督を務めてもらっていることもあり、球団から責任問題を問うことは難しい。

原監督に代わる人材がいないのも、要因の一つです。コーチの阿部慎之助や元木大介の名前も挙がっているものの、指導者としては経験不足という見方が大半です。背景には、現役引退後にすぐ監督に就任した高橋由伸の例があります。高橋は現役続行の意志を残しながら監督となり、3年連続で優勝を逃した。以後、巨人では指導経験の少ない人を監督に起用するのは後ろ向きになっています。原監督には契約満了まで務めてもらい、後進の育成に務めてもらうしかないでしょう」(同前)

いまの巨人が抱える“閉塞感”を打開できる策はなかなか見つからなさそうだ。

75年3月、東海大相模高時代に本塁打を放った原監督(画像:岡沢克郎/アフロ)
75年3月、東海大相模高時代に本塁打を放った原監督(画像:岡沢克郎/アフロ)
  • 写真共同通信社

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