ハリウッドザコシショウが語る「イチオシ芸人」と「事務所の危機」 | FRIDAYデジタル

ハリウッドザコシショウが語る「イチオシ芸人」と「事務所の危機」

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取材を申し込むと「よく聞いてくれた!」と絶叫。自身の思いをブチまけてくれた

「他の人がやっていることをやっても意味がないんです。今回挙げたヤツらは自分たちにしかできないものをやろうって気概を感じます。それがいいですよね」

いつになく真面目な表情で、自身のお笑い論を語るのは「誇張しすぎたモノマネ」で知られるハリウッドザコシショウ(48)だ。所属する『ソニー・ミュージックアーティスツ』(以下:SMA)では兄貴分として慕われ、事務所芸人で構成される「ハリウッド軍団」には20名弱の芸人が籍を置く。今年でデビュー30年目を迎えるザコシに現在のお笑い界について聞くと、“誇張しすぎないありのまま”の意見を聞かせてくれた。まず初めに話し始めたのは、3組の注目芸人だ。

「好きなヤツを挙げていいんですか? かなりマニアックになっちゃいますよ? 目をかけているのはお笑いコンビの『虹の黄昏』とピン芸人の街裏ぴんく(37)。あと注目してるのは『ランジャタイ』ですかね。この3組には共通点があって。普通のことをやっていないんですよ。他人がやっていない、手垢がついていないことに挑戦している。そこがいい。ただただ自分たちのやりたいことだけを、ずっとやっているんです。

中でも一番来てほしいのが『虹の黄昏』。かまぼこ体育館(42)と野沢ダイブ禁止(43)の同級生コンビで舞台を所狭しと駆け回り、絶叫しあう超ハイテンションな掛け合いはコイツらじゃないとできない。売れてくれねぇかな」

目をかけている芸人には、ほかにも軍団員の「ダーリンず」の名前も挙げた。褒める一方で「もっともっと頑張れよ!」と激を飛ばした

中堅芸人が多い中、若手の注目株について聞くと「あんまわかんねぇな」とバッサリ。その理由を聞くと、なんともザコシらしい答えが返ってきた。

「さっき挙げたヤツら、おっさんばっかだって思ったでしょ? そうなんだよ。きったねーおっさんばっか(笑)。でもそういう何回も挫折を経験しているヤツのほうが、人間臭くって好きなんです。あくまで個人的な考えですが、若い子って意外と普通なんですよ。カッコつけた笑いを求めるというか。でもどっかで壁にぶち当たって、それを乗り越えるために変わっていった後のほうが人として面白くなる。芸が人間臭くなるっていうか。そういうほうが、僕は好きですね」

ザコシ自身、『R-1ぐらんぷり2016』で優勝するまでの23年間は挫折の連続だったという。お笑いから離れて漫画家を目指していた時期もあった。お笑い界の酸いも甘いも噛み分けてきたからこそ、若くしてブレイクした第7世代についても独自の考えを展開する。

「僕は元々ばかばかしい笑いが好き。でもそういうのって追い詰められて切羽詰まったり、先輩に無茶振りされたりする中で生まれるものなんですよ。だからちょっと気になるのは、第7世代って今後どうなっていくんやろうなって。どっかで壁にぶつかった時に、何人登り切れるんだろうって思う。今はみんなで一緒にやろうって感じですが、同じような芸風、同じようなキャラは絶対淘汰されますから。逆に言えばそこからどうやって伸びていくのか。ぜひ見てみたいですね」

 

年齢制限のせいで『R-1』から裸芸が消えたと語る。泥臭い芸風が賞レースから消えていくことに、危機感を覚えているという

『バイきんぐ』が『キングオブコント2012』を制してから10年。『錦鯉』が『M-1グランプリ2021』で優勝したことで、SMAは主要お笑いタイトル3冠に輝いた。事務所はまさに上り調子……かと思いきや、ザコシが抱いていたのは全く逆の感想だった。

「後輩たちのネタに対する姿勢を見ていると、ちょっとどうかなって思う時があります。なんというか……気迫が足りないんです。僕からしたら『バイきんぐ』や『錦鯉』はエリートなんですよ。そうじゃないヤツらは、たとえば小峠(英二・46)の2倍、3倍は努力しないと。僕だって毎日ユーチューブを投稿している。どれだけ忙しくても1日に一回はカメラの前に立って、面白いことをやると決めている。そういうちょっとの積み重ねが大事なんです。正直、キツい言葉ですが今の後輩たちの姿勢を見ていると、もう誰も売れないんじゃないかなって不安になってきます」

自身のブレイクのキッカケとなった『R-1』も2021年から年齢制限が施行され、芸歴10年以下のピン芸人しか出場できなくなった。そのことも危機感に拍車をかけている。

「もともと『R-1』は再スタートのキッカケを提供してくれる、すごくいい場所だったんです。僕だってコンビで10年やってダメだったけど、『R-1』でピン芸人として舞台に立つキッカケをもらえた。でも年齢制限ができたことで、燻っているヤツらが再挑戦する場がなくなっちゃった。ウチは年齢だけは高いヤツが多いから、モロに影響を受けますよね」

後輩たちに対しての素直な想いを語るザコシ。それでも事務所のために、夢見ていることがあるという。

「結局は自分がどうするかなんで。ただ、たとえばSMA芸人の冠番組みたいなものができればすっごい嬉しいですよね。売れてるヤツが司会やって、ネタ見せコーナーとか作って。そうすればみんな気合が入るじゃないですか。地方のローカル局でもいい。そしたらみんなの士気も上がりますよね」

事務所事情や後輩への想いを赤裸々に語ってくれたザコシ。最後に自分自身のこれからの目標について聞くと、少し意外な答えが返ってきた。

「自分の冠番組! めちゃくちゃやりたいです。『一人ごっつ』(フジテレビ系)とか憧れますよね。たださっき言ったこととは真逆ですけど、冠番組ではネタ見せはやりたくないんです。評価コメントしないといけないじゃないですか。どの立場で言ってるんだみたいな感じになると嫌(笑)。そうじゃなくて、自分が散々バカをする番組ができたら、それが一番じゃないですかね」

予定時間をオーバーしてインタビューに応じてくれたザコシ。自身の夢のため、事務所のため、これからもお笑い界を先頭に立って引っ張っていく。

8月6日(土)東京・北沢タウンホールを皮切りに、静岡・大阪の3都市5公演で、毎夏恒例ミニ単独ライブツアーを開催予定。東京以外での開催は3年振りとなる。「1年分のクレイジーな笑いをご提供しますんで。楽しみにしててください」と意気込みを語った
  • 写真結束武郎

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