<figure id="attachment_256194" aria-describedby="caption-attachment-256194" style="width: 2153px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="04bd0f75"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/07/tabe-nino.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-256194" class="wp-caption-text">『マイファミリー』で夫婦役を演じた二宮と多部</figcaption></figure>
７月24日スタートの『新・信長公記～クラスメイトは戦国武将』をもって、全ての夏ドラマが出揃った。が、残念ながら見えてきたのは「惨敗」に等しい状況だ。
思えばドラマに関しては、今年の春も「総崩れ」などと苦戦が話題になった。コロナ禍によるステイホームが解除されたとはいえ、なぜこれほどまでにドラマ離れが進んだのか。その背景にあるものを分析してもらうべく、ドラマ事情に詳しい記者、ライター、編集者３人の対談取材をおこなった。
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インタビューライター・Ｎ本　今期もドラマは苦戦していますね。かろうじて平均視聴率２ケタを取っているのは、シリーズものの『刑事７人』を除くと、綾野剛の『オールドルーキー』と坂口健太郎の『競争の番人』のみ。
エンタメ担当編集者・Ｆ本　それどころか、かつてなら打ち切りラインと言われた５％を切っているドラマも少なくないほどよね。一体どうしちゃったのかしら？
芸能記者・Ａ田　『半沢直樹』から続く固定ファンがいるTBSの日曜劇場はいったん置いておくとして。そうすると、今期合格点といえるのは『競争の番人』ぐらいです。このドラマは今期唯一といえるテンポのいい事件解決もの。今年のゴールデン滞ドラマのトップ３を見ると、阿部寛の『DCU』、二宮和也の『マイファミリー』、菅田将暉の『ミステリと言う勿れ』と、皆テンポのいい事件解決ものなんですよ。
<h2>苦戦する恋愛＆お仕事もの</h2>
<figure id="attachment_256196" aria-describedby="caption-attachment-256196" style="width: 1707px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c82b03fc"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/07/nagano.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-256196" class="wp-caption-text">『ユニコーンに乗って』の撮影で永野が全力疾走！</figcaption></figure>
Ｆ本　たしかに。恋愛ものやお仕事ものは総じて苦戦している印象があるわね。
Ｎ本　でも事件解決もので言うなら、今期は有村架純と中村倫也の『石子と羽男―そんなコトで訴えます？―』や、仲野太賀や林遣都の『初恋の悪魔』もそうですよね。テンポも決して悪くないと思いますが。
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Ａ田　ただこの２つは、力の置きどころが事件解決より人間模様にあるんですよ。配信系ドラマが増えた昨今は、ちょっとでも退屈なシーンがあるとすぐにスキップできる時代。見る側も短気になっているので、人間模様を描かれ始めると途端に飽きてしまう傾向があるんです。
Ｆ本　実際、『競争の番人』も初回を見たときは「１話完結じゃないんだ！」とまどろっこしさを感じたわ。それで第２話はすぐに見ず、第３話でいったん解決したと知ったところで、２、３話を続けてまとめ見したの。そうしたら、けっこう面白く見られたわ。
Ｎ本　皆、“過程”じゃなく“結果”を見たいということかもしれませんね。
<div data-friday-nextpage-lead="後半に期待が持てるドラマはーー"></div>
<figure id="attachment_256195" aria-describedby="caption-attachment-256195" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3d1ff626"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/07/hashimoto.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-256195" class="wp-caption-text">『家庭教師のトラコ』では橋本のユニークなファッションに注目</figcaption></figure>
Ｆ本　でもそうすると、今期のドラマはもう希望がないってことかしら？
Ｎ本　なかなか挽回するのは厳しいでしょうね。竹内涼真の『六本木クラス』も、如何せんオリジナルがあの『梨泰院クラス』ですから、最初こそ「どうリメイクされるんだろう？」と怖いもの見たさでそこそこの視聴率を取っていましたが、やはり苦しかった。下がり方がハンパないですよね。
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Ｆ本　永野芽郁の『ユニコーンに乗って』はどうかしら？　平気視聴率も８％台と、比較的健闘しているほうだと思うけど。
Ａ田　こちらはアカデミー賞俳優・西島秀俊の魅力で何とかもっている感じですね。しかし内容があまりにお粗末。夢を追いかけるスタートアップの世界を描いていますが、その程度で上手くいったらみんな成功しているよ、という声が多い。まあでも、西島さん頼みで何とか現状維持でいくんじゃないでしょうか。
<h2>『逃げ恥』の例も……</h2>
Ｎ本　個人的には、可能性があるとしたら橋本愛の『家庭教師のトラコ』じゃないかと思っています。脚本が『家政婦のミタ』で知られる遊川和彦ですが、彼の作品はどこに向かっていくか分からない。うまくハマると後半盛り上がってくることがありますから。
Ａ田　コスプレ連発の橋本愛が美しいですしね。
Ｎ本　そうそう、それもポイント。あのモンスタードラマ『逃げるは恥だが役に立つ』も、最初はそんなに面白いと思っていたわけじゃなくて、ただただガッキー（新垣結衣）が輝いているなあと見ていた感じでしたから。そうこうしているうちに、めちゃくちゃ面白くなってきた。
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Ｆ本　後半になって盛り上がってくる展開はよくあるけど、そのとき既に視聴者が離れていると挽回は苦しいものね。盛り上がってくるところまでいかに見る者を逃がさないかは、主演の魅力にかかっているということね。
A田　思えば『マイファミリー』だって前半はちょっと危なかったけど、何とかニノと多部ちゃん（多部未華子）の力で引き留めたという感じでしたよね。
Ｆ本　とりあえず今期は、『競争の番人』と『家庭教師のトラコ』を見続けてみるわ。あ、それとあと『鎌倉殿の13人』ね。結局、これが一番面白いというのが素直な気持ち……。
<figure id="attachment_256197" aria-describedby="caption-attachment-256197" style="width: 1811px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6938a1e3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/07/ayano.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-256197" class="wp-caption-text">『オールドルーキー』のロケ現場での綾野</figcaption></figure>
<figure id="attachment_256198" aria-describedby="caption-attachment-256198" style="width: 2293px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4102989f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/07/sakaguthi.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-256198" class="wp-caption-text">坂口健太郎の『競争の番人』は数少ない健闘作品</figcaption></figure>

近藤裕介

愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

奈々子

『ユニコーンに乗って』『マイファミリー』……。夏ドラマが低視聴率で軒並み惨敗だ。芸能記者ら３人の専門家がその理由を分析。孤軍奮闘した意外な作品も。一人勝ちとなった驚きの理由とはーー。

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