東名あおり運転事故・石橋和歩被告は強烈なイジメられっ子だった
「公開処刑」の衝撃写真をスクープ入手
まずは下の写真を見てほしい。男性の額にキン肉マンを模した「肉」の字が書かれ、顔中にマジックペンで落書きがされている。さらに他の写真に目を移すと、モヒカンに刈り上げられた姿や、剃(そ)り込みを入れられた姿も。この写真に写っているのは、’17年6月に東名高速であおり運転をし、家族4人を死傷させた、石橋和歩被告(26)だ。
逮捕後、6回にわたる公判でも反省の色を見せず、遺族の感情を逆なでし続けた石橋被告。法廷では「この事故がなければ自分は身体の弱い彼女と結婚するつもりだった。彼女を支えていきたいので、事故のことは許してほしい」と身勝手に言い放ち、世間からも猛バッシングを受けた。そんな石橋被告に検察側は懲役23年という異例の重罰を求刑し、12月14日、横浜地裁は危険運転致死傷罪を認めて懲役18年の判決を下した。
「実は、彼は21歳で運転免許を取得してから交通違反を7回、事故を4回起こしています。女性が助手席に座っていると気持ちが大きくなり、攻撃的な態度を取るという証言もある。いずれにしても、石橋が何度トラブルを起こしてもまったく反省していなかったことは明らかでしょう」(全国紙社会部記者)
昨年8月に起こした別のあおり運転の際には、「自分は人を殴るために生きている」と叫び、被害者を恫喝(どうかつ)した石橋被告。ところが、彼の知人によると、そんな”モンスターっぷり”とはまったく違う、彼の別の表情が浮かび上がってくる。実は、石橋被告は地元・福岡では強烈なイジメられっ子だったというのだ。本誌は石橋被告の知人から、写真数点を入手した。
「つい数年前まで、アイツは地元の仲間の中でイジメを受けていました。普段の石橋は、口数の少ない大人しいタイプ。自分の意見を主張しないので、仲間内でもイジられキャラでしたね。あおり運転で報じられている姿とは違って、強気な態度ではなかったですよ」(石橋被告の知人)
石橋被告は以下の写真のようにグループ内でイジメられ、その姿を写真に撮られ「公開処刑」のように晒(さら)されたのだった。あまりにかけ離れた二つの顔を持つ石橋被告。そのギャップについて、精神科医の和田秀樹氏はこう指摘する。
「恥をかかされたり惨(みじ)めな思いをさせられることで、感情の振れ幅が大きくなることがあります。さらに今回の事案もそうですが、イジメられた経験のある人は、自分よりも弱そうな他者に対して高圧的な態度を取ってしまうことがあるのです。イジメにより沁みついた被害者意識で、『自分は弱い存在。その弱さがバレたら、何をされるかわからない』という恐怖心に苛(さいな)まれる。その結果、何とか虚勢を張ろうと攻撃的な態度を取ってしまうのでしょう。今回は、石橋被告のそんな心理状況が引き金となった事件と言えます」
無論、石橋被告が酷いイジメに遭っていたからといって、家族4人を死傷させた罪の重さは、変わることはない。しかし、暴力は連鎖するということも、間違いないのだ。
写真:共同通信社(6枚目)