イチローがちょっとおかしい グラウンドで異常なハイテンション
「ヘイ! へ~イ!! ナイスゲーム!」
マリナーズのイチロー(44)が試合終了とともにグラウンドに飛び出し、大声を上げながらナイン一人ひとりを指さす。さらにホームに向かい投げるそぶりをして、守護神エドウィン・ディアスのモノマネ。「似てるだろう~」と、ディアスに向かいゲラゲラ笑うのだ――。
球団会長付き特別補佐に就任した、イチローのテンションが異常に高い。スポーツライターの友成那智氏が語る。
「ちょっとおかしいくらいです。明言していませんが、ベンチにいることが多いため『ケミストリー・メーカー』(空気を作る役)に徹しているようです」
ハイテンションは試合前からだ。
「見た、見た!? 今のスゴイっしょ!」
スタンドインした打球の鋭さを自慢するように、周囲に話しかける。
イチローに、今季の出場機会はない。だが試合前の打撃練習ではバッティンググローブをガッチリと装着し、他の選手とともに汗を流すのだ。現地を取材したスポーツ紙記者が話す。
「イチローの打球は、他のどの選手よりも飛んでいます。ほとんどがヒット性のライナー。練習を見ていたサーヴィス監督が、『球団はどうしてイチローをフロント入りさせたんだ? 使わないのはもったいない』とボヤいていたほどです」
前出の友成氏が、イチローが上機嫌の理由を明かす。
「要因は二つあります。一つはチーム内の居心地の良さ。以前マリナーズに在籍していた時(’01年~’12年)はプレーに集中するためチームメイトとほとんど交流せず孤立していましたが、現在は『後輩はかわいい』と息子のような世代の選手たちと積極的に会話しているんです。二つ目は打球の衰えのなさです。周囲からは事実上引退したと思われていますが、本人は本気で50歳まで現役を続けようと考えている。東京ドームで行われる来季の開幕戦で、復活を印象づけようとしているのでしょう」
イチローがテンションの高さを維持できれば、ひょっとすると現役復帰もありうるかもしれない。
写真:AP/アフロ、Getty Images