早朝に襲撃し部屋破壊…暴力団ライターが体験「ヤクザの戦慄実態」 | FRIDAYデジタル

早朝に襲撃し部屋破壊…暴力団ライターが体験「ヤクザの戦慄実態」

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30年近くにわたり暴力団取材を続けている鈴木氏
30年近くにわたり暴力団取材を続けている鈴木氏

寝ぼけ眼の早朝のことだった。

誰かがドンドンと玄関を叩く。ドアを開けると、いきなり3人の男たちが侵入してきた。サングラスに野球帽というラッパー風の姿で、名前を言わず顔も判別できない。彼らは部屋にあったものを、片っぱしからなぎ倒していく。机の上に置いてあったパソコンも、再起不能になるまで破壊。男たちは内部を荒らすと、何も語らず無言で去っていった。わずか数分の出来事だった――。

戦慄の体験をしたのは、暴力団を中心に取材するフリージャーナリストの鈴木智彦氏(55)だ。鈴木氏がトラブルの経緯を振り返る(以下、発言は同氏)。

「まだライターとして駆け出しの90年代後半のことです。私は自宅とは別に、仕事場として歌舞伎町(東京都新宿区)のマンションに部屋を借りていた。3人の男たちの襲撃は予想していなかったことで、室内が破壊されるのを呆然と見ていました。

襲われた要因として思い当たるのは、ムック本に載せた指定暴力団に関する記事です。『強い弱い』というテーマで書いた原稿でしたが、メンツを重んじる彼らにとって強弱をつけられるのは許せなかったのでしょう。記事に対する、報復だったと思います。ただ男たちが名乗らなかったので、本当の原因はわかりません」

雑談の横で血だらけの若い衆が正座

身の危険を感じた鈴木氏は、スグに警察へ被害届を提出。知り合いの暴力団組長を頼って、大阪へ一時避難した。

「私から頼んだワケではありませんが、その組長が『話をつけてくる』と言ってくれたんです。どこへ向かったのかはわかりません。組長が提示した条件は、被害届を取り下げること。言われた通り取り下げると、以降は不穏な事態は起きませんでした」

鈴木氏によると、暴力団を取材していて直接被害を受けることはまずない。襲撃を受けたのも、上記の一度だけだ。だが「見せしめ」は、よく経験したという。

「ある暴力団事務所に呼び出された時のことです。事務所で話したのは雑談レベルでしたが、雰囲気は異様でした。目の前に若い衆が正座させられ、ずっとうなだれていたんです。顔はボコボコに腫れあがり血だらけ。彼は私に情報を提供してくれた組員です。『ベラベラしゃべりやがったらこうなるぞ』という、見せしめだったのでしょう」

鈴木氏は組員が大きな灰皿で殴られたり、運転手が後ろから靴ベラで頭をはたかれる現場をよく目撃したという。

「驚いたのは、選挙のたびに見知らぬ議員の秘書が仕事場を訪れたことです。選挙協力のお願いでしたが、おそらく私が取材した暴力団の知り合いだったのでしょう。彼らのネットワークの広さに舌を巻きました。

心がけていたのは、金銭は持っていないというアピールです。カネがなければ彼らとしても脅すメリットはなく、手を出しづらいですからね。暴力団に落とし前として金銭を要求されても、絶対に払わないようにしていました」

暴力団取材には、彼らを刺激しないための暗黙のルールがある。鈴木氏は自らの体験から、ヤクザ界で仕事をするコツを学んだという。

  • 語り手鈴木智彦

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