元KAT-TUN 田口が語る「逮捕時は『終わった』と思った」

「逮捕された瞬間は、率直に『終わった』と思いました。でも、あれから色々な方のサポートがあって、今の自分があります。感謝しかありません」

元KAT-TUNの田口淳之介（36）は、３年前の”あの事件”の時の心境をそう振り返った。

田口は’16年春にジャニーズ事務所を退所、独立してソロ活動を開始した。だがその３年後の’19年５月、大麻取締法違反の疑いで逮捕。同年10月に執行猶予２年付きの有罪判決を受けた。ジャニーズ時代は”王子様キャラ”が定着していた田口だが、今は保釈された時の「土下座謝罪」の印象が強い。

「KAT-TUN時代の自分は、ハッキリ言って無個性で、グループの中でも目立つ位置に出られない部分がありました。独立してからも、”元KAT-TUN“という肩書が前に出て、”アーティスト・田口淳之介”としてはまだまだ世間的な認知で及ばない部分を実感しました。正当化はできませんが、大麻を使用したのは、孤独感とプレッシャーに押しつぶされそうになっていたのが一因です。そういう時に、大麻に助けられたというか、逃げてしまったんです。
逮捕された時、僕は全国ツアーを控えていました。勾留先の湾岸署を出て、大勢の報道陣を目の当たりにして、何よりもファンの期待を裏切ってしまったことへの反省が強く湧きました。このような方法でしか態度を示せないと、衝動的に土下座をしていました」

ゼロからの再起を誓った田口は、判決後に音楽活動を再開。今年に入って『Ａｂｅｍａ』のバラエティ番組に出演するなど、タレント業にも復帰した。

実は、田口には「プロ雀士」というもうひとつの顔がある。趣味が高じて’21年に出演した麻雀の配信企画では、プロ雀士を次々と破るほどの雀力を発揮し、業界で大きな話題になった。そして’22年３月に日本プロ麻雀協会への入会を発表。歌手とプロ雀士の“二刀流“を究める決意をした。

「麻雀は16歳の時にＰＣのソフトで覚えて、ジャニーズ時代には中丸（雄一）くん（38）やスタッフと一緒に楽屋で打っていましたね。あるプロ雀士の方に『プロでも通用する』と言われて決意しました。ジャニーズに入ってからずっと芸能界で生きてきましたが、麻雀のプロにも共通するのは、つまり勝負の世界だということ。駆け引きの中でポーカーフェイスを貫く必要がありますが、あまり演じすぎてもいけない。麻雀の世界にも『魅せる』要素はあると思っています。また、プロとして多くの人に麻雀の楽しさを知ってもらうために、麻雀教室などの活動にも積極的に参加しています」

“本職“の芸能活動も、次のステップに移りたいと心境を新たにする。

「ライブ会場では、僕のKAT-TUN時代を知らない世代とも一緒になるので、そういう人たちにもパフォーマンスを楽しんでもらえるよう、挑戦を続けたいです。俳優業も、昔は事務所が仕事を取ってきてくれた。今になってジャニーズの偉大さを感じます。今後は、若い人たちに混じってオーディションを受けるところからやっていきたいです」

一度どん底を見た男・田口淳之介は、覚醒剤取締法違反で逮捕された「元同僚」の田中聖(こうき)(36)に、こうエールを送った。

「事件のせいで、今も活動しているKAT-TUNのメンバーには大きな迷惑をかけました。『終わった』と思った僕もここまで立ち直れた。聖にも前を向いて頑張ってほしいと思います」

『FRIDAY』2022年8月19・26日号より