減量指令の次はマッチョ化…日ハム新庄監督「清宮への意外な評価」
日本ハムのビッグボスが、またもや驚きのプロジェクトを披露した。
「オレ、思ったんですよ。シャープになってキレもバットコントロールも良くなってきたから、今度はウェイトトレーニングで力がつけばスイングスピードも速くなるって。ウェイトしてバットスイングをガンガンさせたら、さらにパワーアップするんじゃないかな」
8月1日に行われた警視庁のイベントで、新庄剛志監督が「マッチョ化」計画を提案した相手は清宮幸太郎(23)だ。昨オフ、清宮は新庄監督から「ちょっとデブじゃね?」と言われ減量を決行。約10kgのダイエットに成功した。それが一転、今後は筋肉増強指令だ。新庄監督は、その意図をこう説明している。
「捉える能力とか、角度とかは持っているから。そこにヘッドスピードとバットスイングがプラスされたら、詰まってでも放り込めるんじゃないかと思うんです。ヤクルトの村上君の、あの迫力感っていうのがね……。(来春の)キャンプには(両手をオーバーに広げ)こんなデカい身体でね。いきなりフリーバッティングで『マジか!』って、驚かせてほしい」
同期・村上との格の違い
新庄監督の言う「村上君」とは、ヤクルトの主砲・村上宗隆のこと。清宮と同期入団だが、今季は5打席連続本塁打を記録するなど格の違いを見せている。新庄監督は、清宮にも村上レベルの風格と活躍を期待しているのだろう。
「新庄監督は、順を追って清宮を成長させようとしているようです。まずは減量指令で、ムダな肉を徹底的に落とさせた。次のステップが、筋力の増量によるパワーアップなのでしょう。新庄監督の育成は、一定の効果を出しています。今季の清宮は、初めて本塁打を2ケタに乗せ自己最多を更新中。最終的に2割7分、20本塁打の成績を残せれば、来季にむけ相当な自信になるはずです」(球団関係者)
打順にも、新庄監督の期待がうかがえるという。
「当初はクリーンナップに置き長打を意識させていましたが、最近では1番に据えることが多くなっています。リードオフマンに求められるのは、出塁率の高さです。確実性の低さは清宮の欠点。ストライクゾーンはセンターへはじき返し、苦手な球でも逆方向に持って行けるように清宮に経験を積ませているのでしょう。
ソフトバンクの柳田悠岐が『ボクなんかより飛ばす力がある』と言うほど、清宮の能力の高さは誰もが認めています。筋力増強でパワーをつけ、確実性が増せば恐ろしい存在になる。将来は日ハムの主砲になってもらおうと、新庄監督は長いスパンで育てているんです」(同前)
新庄監督は清宮の能力だけでなく、内面性も評価しているといわれる。
「清宮は育ちが良いのか、雰囲気がおっとりしています。口では『必死です』と言いながら、どこか危機感が薄い印象です。新庄監督も不甲斐なさを感じているのでしょう。たびたび『違うんだよなぁ』『もっとガツガツしてもらわないと』と苦言を呈していますから。
一方で、性格はとても素直。減量指令もスグに受け入れ、2ヵ月ほどで10kgのダイエットに成功しました。新庄監督は、忠実にアドバイスを実行しようとする清宮が可愛くて仕方がないのでしょう。苦言を呈しつつも、何かと目をかけています」(スポーツ紙担当記者)
ビッグボスの忠告を受け入れ、清宮は着実に成長しているようだ。来年こそライバル・村上に負けない活躍を見せ、覚醒の年にできるだろうか。
写真:共同通信社