安倍元首相”手かざし宗教”広報誌で「自分も信者」と発言していた | FRIDAYデジタル

安倍元首相”手かざし宗教”広報誌で「自分も信者」と発言していた

政治と宗教・密接交流問題 民間療法や献金を巡ってかつてはトラブル頻発の新興宗教

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亡くなる少し前、参院選の応援演説に駆け回っていた安倍元首相。このときも支援者との距離は非常に近い
亡くなる少し前、参院選の応援演説に駆け回っていた安倍元首相。このときも支援者との距離は非常に近い

「旧統一教会と自民党の問題を巡っては、選挙協力の見返りに、政治家が特定の宗教団体の広告塔になることの危険さが浮き彫りになった。政治と宗教の適切な距離感が指摘される中で、実は安倍晋三元首相が、”手かざし宗教”の信者だったことはあまり知られていません」(宗教ジャーナリスト)

ここに『崇教真光(すうきょうまひかり)』(平成二十一年十二月号)という冊子がある。同誌は”手かざし宗教”として知られる崇教眞光の、いわば広報誌だ。「50周年大祭記念号」の同号は、当時、教団本部で行われた大祭の様子を特集している。

〈主の大御神様、救い主様、聖珠様、教え主様、立教五十周年大祭がこうして盛大に開催されましたことを心からお喜び申し上げる次第でございます〉

教団の”教祖”らに、そう祝辞を述べたのは大祭に参加した安倍元首相だ。

崇教眞光とは、岐阜県高山市に本部を置き、’77年に『世界真光文明教団』から分派した教団。手かざしとは、〈手のひらから高次元の光を放射して、一切を浄め、あらゆる悩みや問題を解決していく業〉(教団HP)だといい、病気や金銭問題、人間関係のトラブルなどの不幸現象が、手をかざすことによって解消されていくのだそうだ。だが、かつてはその民間療法や献金問題を巡ってトラブルが頻発したこともある。

冊子では、当時、自民党総裁だった谷垣禎一議員や、自民党副幹事長だった村田吉隆氏、元国交相で自民党議員だった金子一義氏なども参加し、祝辞を述べている。さらに、当時の民主党議員だった古賀一成氏も参加。そして――。安倍元首相は、祝辞の中でこう発言をしていた。

今日もご出席の石原伸晃先生と山本有二先生にお導きを頂き初級研修を受講し、神組み手の末席に名を連ねさせていただきました〉

教団の広報担当者に取材をすると、”神組み手”とは、信者のことだという。

安倍元首相の菩提寺は山口県にある浄土宗の寺院だが……。

「実は一人で複数の宗教に入信する議員や秘書は多い。これは信仰心というより選挙協力を期待しているためです。教団としても『あのセンセイは、うちの信者』だと広告塔にできるメリットは大きい」(前出・宗教ジャーナリスト)

新宗教の中には、多くのトラブルが発生したり、被害者が出ている教団もある。政治家が宗教との距離感に特に慎重になるべきなのは言うまでもない。

’09年の崇教眞光の広報誌に収録された安倍元首相の祝辞。神組み手になったと発言している
’09年の崇教眞光の広報誌に収録された安倍元首相の祝辞。神組み手になったと発言している

『FRIDAY』2022年8月19・26日号より

  • 取材・文甚野博則

    ノンフィクションライター

  • PHOTO共同通信社(1枚目)

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