旧統一教会と関係深い「世界日報」が毎朝議員事務所に投函される謎 | FRIDAYデジタル

旧統一教会と関係深い「世界日報」が毎朝議員事務所に投函される謎

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議員事務所に届けられた「世界日報」。右上に「贈呈」という印が押してある。
議員事務所に届けられた「世界日報」。右上に「贈呈」という印が押してある。

8月初旬、永田町の議員会館の事務所に、ある新聞が投函され、静かな話題となった。

新聞の名前は「世界日報」。右上に赤い朱肉で「贈呈」とある。新聞を手にした日本維新の会の衆議院議員の秘書がこう語る。

「永田町では、一般の地域のように各紙の販売店がないので『丸の内新聞』が全国紙や地元紙を一括契約しています。ただ、あの新聞は購読の契約もなく、一方的に送ってくる。しかも配送ではない。会館内の各部屋のポストへの直接投函なので、誰かが回っていないとできないはず。会館の受付は朝8時からで、その前に投函しているのでしょう。話題の団体なので、最近では見つけるや否や処分する事務所も出ています」

世界日報は、1975年創刊で、旧統一教会(現、世界平和統一家庭連合)との関連が指摘される日刊紙だ。紙面は、国内外の政治、経済、スポーツ、証券、テレビ欄など12面の構成。中国に対して強行的な姿勢で、保守色が強い論調だが、全体的なバランスは欠いていない。ただ、昨今、全国紙で大きく報じられる、旧統一教会と各政党や政治家との関係については一次情報のみ。無論、過度な献金で家庭崩壊が起こった信者の声や旧統一教会への言及はない。

同新聞が以前から自民、日本維新の会、国民民主の保守系議員の事務所ポストに投函されているのは永田町では知られた話のようだ。

「かなり前から時々、届いている。悪いけど、読まずに捨てちゃう事務所が大半ちゃうかな」(日本維新の会共同代表の馬場伸幸事務所)

「購読もしていませんが、よく投げ込まれています」(国民民主党代表の玉木雄一郎事務所)

「昔はよく見かけた覚えがありますが、いまは来たり来なかったり」(自民党元幹事長の二階俊博事務所)

「記憶にありませんね。日常的に届くのであれば気がつかないはずはない」(自民党で、経済安全保障担当大臣の小林鷹之事務所)

保守系の議員の間でも濃淡があるようだ。

日本維新の会の幹事長の藤田文武衆議院議員(41)もこう首をひねる。

「うちの事務所にはまったく届いていません。他の事務所に配っているなら、うちと他との線引きはどこにあるのでしょうか。地元事務所で聖教新聞を購読しているから?」

頻繁に事務所に投函される、日本維新の会の国対委員長の遠藤敬衆議院議員(54)はこう語る。

「前からよく届いているようだけど、ようわからん。うちは浄土宗で、神さん同士が喧嘩したらあかんから、付き合いないけど、何でか届いている。しばらくただで配って『買って読んでくれませんか』や『コメントください』と言ってくるならわかるが、講演や祝電の依頼もなく、何も接触してこない。何やろうな」

参議院よりも衆議院の事務所によく投函されているようだが、一貫性は見つからない。自民党で保守系と呼ばれる議員事務所にも届いていないところがかなりあるようだ。自民党のベテラン秘書は、こう推察する。

「自民党の議員事務所はお付き合いで、公明党の『公明新聞』『聖教新聞』を頼んでいる。他宗教の新聞が投函されているとスルーしているのではないか」

自民党の東京15区選出の柿沢未途衆議院議員(51)はこう語る。

「全議員に無料で配布しているんじゃないの? うちは聖教新聞も頼んでますが、世界日報もよく投函されてます。もちろん、契約していません。まったく付き合いがないんですよ。集会も行ったことがない。講演もしたことがない。それでもほぼ毎日送られてくる。父(弘治氏)の代の付き合いなのか、何でしょうか」

世界日報に取材を申し込んだが、期日までに返答はなかった。

議員会館は12階建てで、衆参併せて3棟ある。自民、維新、国民の3党で450以上の部屋がある。毎朝すべての部屋に投函しているわけではないだろうが、かなりの労力を必要としよう。布教活動なのか、組織力の誇示なのか、謎は深まるーー。

  • 取材・文岩崎大輔

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