まるで”統一教会内閣”…岸田改造内閣が抱える「統一教会爆弾」 | FRIDAYデジタル

まるで”統一教会内閣”…岸田改造内閣が抱える「統一教会爆弾」

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次々と”統一教会密接交際議員”が発覚し…(撮影:共同通信社)
次々と”統一教会密接交際議員”が発覚し…(撮影:共同通信社)

地元広島の選挙区を裕子夫人に任せ、首相公邸で岸田文雄首相は長男と暮らしている。コンビニ弁当を肴に冷えた缶ビールを数本、日本酒、ウイスキーをしたたかに痛飲しながら、内閣改造・党役員人事を練りに練った。旧統一教会という掣肘(せいちゅう)を被ることになって人選の苦心は倍増したという。

旧統一教会と関係があった7閣僚はすべて排除し、第二次岸田改造内閣は、国民の声をよく聞く清新、誠実な内閣となるはずであったのだがーー。

組閣したその日から、加藤勝信厚労大臣、高市早苗経済安保担当大臣、寺田稔総務相、西村明宏環境相、岡田直樹地方創生相、留任した林芳正外相、山際大志郎経済再生担当相、すでに関係を報告していた磯崎仁彦官房副長官を含め閣内の8人が旧統一教会との関係が続々と発覚。

「統一教会との関係を断ち切るどころか、増えているじゃないか。呆れてモノが言えない。ことここに至っては、自民党として調査しないとした茂木敏充幹事長にも大きな責任がある。線引きが曖昧で国民の理解を得るのは難しいのではないか」(閣僚経験者)

予想通り、旧統一教会との関係が重視され内閣支持率は軒並み下落したのだ。大臣だけではなく、さらに副大臣や政務官にも広がり、永田町のトレンドワードはたちまち、”岸田統一教会内閣”と揶揄された。

ちゃんと調べなかったのはまずかった、というのはあとの祭りだ。旧統一教会を長年取材してきたジャーナリスト鈴木エイト氏がツイッターに、教団広島教区三原教会の教会長、東広島教区伝道教育部長などを歴任したとされる光永一也氏と岸田首相のツーショット写真を投稿した。

「写真は、パーティなどで我も我もと政治家の周りに集まり記念撮影したというモノではないようです。屋外の広場で、河川敷のようなところ。統一教会の集まりに岸田首相が参加した可能性もある。党内では、自民党の党員・党友の1割ほどが旧統一教会の信徒ではないかとさえ言われています。自民党は、骨の髄まで統一教会に浸食されてしまったのかもしれない」

こう話すのは閣僚を経験した自民党ベテラン代議士だ。続けてこの代議士は、「旧統一教会が自民党総裁選挙に影響を及ぼした」と語る。

安倍長期政権の端緒となる12年9月自民党総裁選は国会議員票と都道府県票総数498票、過半数は250票だった。一回目の議員、党員投票結果は、石破茂:199票(議員34票、党員165票)、安倍晋三:141票(議員54票、党員87票)と過半数を獲得できず、議員のみによる決選投票となった。そして、安倍晋三:108票、石破茂:89票となり、安倍氏が勝利を収めた。

「いま自民党内では『このとき、統一教会関係議員が安倍さんに票を集中させ、逆転したのではないか』と言われています。無記名投票だったわけだから、いまさら真相は分かりません。ただ、そうした話が流れているのは事実で、なにやら得体の知れない不気味な空気に自民党は覆われてしまった」(ベテラン代議士)

自民党総裁選に統一教会が関与したとは、にわかに信じがたいことだが、内閣人事と同日に行われた世界平和家庭連合の田中富広会長の会見は意味深であった。

「政治に、私たちの法人などが積極的に関わり、そして選挙にも積極的に行くように指導はしております。私たちの基本姿勢は共産主義と対峙して進めております。その視点から言うと、自民党議員の方々がより多く接点を持つことがある」

旧統一協会は、反共産主義に抵抗する政治団体と語り、先述の閣僚経験者証言がやけにリアルに聞こえるのは筆者だけだろうか。

2012年総裁選後、自民党は党勢拡大として70万~80万人だった党員拡大運動を展開し、安倍政権の勢いも相まって党員は一気に100万人超えと飛躍するのである。3年後の2015年9月の総裁選は、安倍晋三総裁は無投票再選となって長期政権をひた走ることになったのだ。

自民党と旧統一教会の関係は、もはや言い逃れできない事態に追い込まれているのではないか。18年もの間、認められなかった「世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」への名称変更がどのような経緯で承認されたのか国民は注意深く見ている。名称変更問題をめぐっては下村博文氏の関与が取り沙汰されているが、関わっている可能性があるのは下村氏だけではないという。

「08年頃、日本と韓国を海底トンネルで結ぶ『日韓トンネル』という計画がありました。この案は現在、凍結されていますが、当時ある民主党議員が熱心に推進していました。この議員はその後、下村博文文科相を補佐するポスト得た。そのすぐ後の2015年、旧統一教会の名称変更が認められたのです。この人はしきりに『(旧統一教会から)行政裁判を起こされたら文科省は負けるかもしれない』というリスクを強調していました」(文科官僚)

内閣改造でリスタートするはずだった岸田首相の思惑は大きく外れてしまった。国民は、旧統一協会と政治の関係について納得できるような説明を求めている。

  • 取材・文岩城周太郎撮影共同通信社

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