過去には女性の水着や裸の写真も…金与正が韓国ビラに激怒した理由 | FRIDAYデジタル

過去には女性の水着や裸の写真も…金与正が韓国ビラに激怒した理由

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国内で新型コロナが蔓延したのは韓国からのビラのせいだと訴えた与正氏(画像:ロイター/アフロ)
国内で新型コロナが蔓延したのは韓国からのビラのせいだと訴えた与正氏(画像:ロイター/アフロ)

「高熱を出し苦しみながらも、人民への思いで一瞬も横になれなかった元帥様。人民の生命を守るために、対策と方策を直接示していただいた」

8月10日に北朝鮮で行われた全国非常防疫総括会議で、こう語ったのは朝鮮労働党副部長・金与正氏だ。与正氏が「元帥様」と絶賛したのは、同国の指導者で兄の金正恩氏。病に苦しみながらも正恩氏の献身的な指導により、新型コロナウイルスに勝利できたと主張した。

「北朝鮮が初めて国内感染者を認めたのは、今年5月です。一時は人口の2割にのぼる、477万人以上が感染。74人が死亡したと発表しています。しかし8月10日の会議で、正恩氏は7月29日から感染が疑われる発熱患者が1人も出ていないと強調しました。わずか3ヵ月間で新型コロナを克服し、『世界の保健史に残る空前絶後の奇跡だ』と胸を張ったんです」(韓国紙記者)

与正氏は、「勝利宣言」をした正恩氏の次に登壇している。国内でコロナが蔓延した原因について、次のように言及した。

「南朝鮮(韓国)の連中が風船につけ撒かれたビラや汚らわしい小冊子、下品な品物を介して流入したのだ。我々は南朝鮮に、強力な報復を加えなければならない」

正恩氏の夫人が側近男性と裸で……

北朝鮮が、韓国から散布されたビラを問題視するのは今回が初めてではない。古くは70年ほど前の朝鮮戦争(50年~53年)中に、両国はビラで批判の応酬を展開。お互いの戦意を削ぐため、いかに相手が残忍な行為をしているか宣伝し合っていたのだ。

「80年代に入ると、韓国は自国の自由さや物資の豊富さを強調し始めます。中には美人タレントの水着写真もありました。洗練された美しい女性の身体に、前線にいた若い朝鮮人民軍兵士はさぞ驚いたことでしょう。北朝鮮では、女性が肌を露出した写真の流通は禁止されていますから。彼らにとって、女性の肌を見るのは初めての経験だったかもしれません。

20年4月にも、韓国側から大量のビラが散布されています。金ファミリーを誹謗する内容も書かれていたそうです。正恩氏は不倫の子で、父親の正日氏は旧ソ連の野戦病院生まれだと。それだけではありません。中には正恩氏の夫人・李雪主氏や側近男性が裸で寝ころがる、合成写真も飛ばされたと言われています。あまりにも卑猥で、北朝鮮にとっては最大の侮辱でしょう」(同前)

20年5月、与正氏は当時の韓国・文在寅大統領を「吐き気がする」「ムカつく」「鉄面皮」と罵倒し、事実上の大使館である南北共同連絡事務所を爆破している。今回、与正氏が正恩氏の体調不良を明かし、再び韓国のビラを批判した理由はなんだろうか。朝鮮半島情勢に詳しい『コリア・レポート』編集長・辺真一氏が語る。

「北朝鮮では、最高指導者の健康問題は最高機密です。通常なら超極秘事項になります。あえて『高熱で苦しみながらもがんばった』と明かしたのは、正恩氏の指導力と人民愛をアピールしたかったのでしょう。おそらく新型コロナに感染していたと思われますが、それを明確にしてしまうと正恩氏の健康管理能力が問われてしまうので、『原因不明の発熱』ということにしたのだと思います。

感染拡大が、韓国側のビラのせいかはわかりません。しかし、これまでビラにより北朝鮮が迷惑を被ってきたのは事実です。国内へ向けては、撒かれたビラを決して見るなという意味が込められている。韓国に対しては、これ以上撒いたらタダじゃおかないぞと威嚇したのでしょう」

与正氏は韓国を「我々の主敵」とし、「危険な悪ふざけを続ければたちまち殲滅されるだろう」と挑発。韓国統一省は「無理矢理な主張で無礼極まりない」と反発している。

  • 写真ロイター/アフロ

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