秋葉原殺傷事件再現を予告…”模倣犯”の「身勝手すぎる犯行動機」
「警察の無力さの報復のために8月14日新宿か秋葉原でどーなるか覚えておけ」
Twitterに秋葉原などでの犯行予告を投稿し警察の業務を妨害したとして、警視庁は油利潤一容疑者(23)を偽計業務妨害の疑いで逮捕した。油利容疑者は8月8日に上記のような内容に加え、
「トラックで○!! 秋葉原通り○事件 加藤智大さん上で見てて!」
などとツイート。17人が死傷した2008年の秋葉原無差別殺傷事件を模倣するような書き込みを行なっていた。
「他にも『山上さんの動機がよくわかる。アキバは花火大会がないので花火も大量に持って行きます』などと投稿し、結果として警視庁は秋葉原の歩行者天国を一時、中止する手続きを取りました。油利容疑者は調べに対し容疑を認めているといいますが、動機については曖昧な供述を繰り返しているということで、警視庁は事件の経緯について慎重に調べを進めています」(捜査関係者)

油利容疑者の過激な言動は、実は今回が初めてではない。今年6月には池袋暴走事故の遺族の松永拓也さんに「金や反響目当てで戦っているようにしか見えませんでした」などとSNS上で侮辱し、在宅起訴されている。さらに昨年大晦日には、大阪市内で煽り運転をした疑いで書類送検されていたという。
「そもそもネット上では迷惑行為を繰り返す存在として一部では有名な存在でした。愛車のピンクのLFAアルテッツァにちなんで『ピンクアルテッツァ』とあだ名され、過去に事故があった現場で、マネキンやおもちゃの車などを使ってその事故を再現するという過激な行動をSNSにアップしていた人物です。投稿には『パワハラ』『不当解雇』といった文言が多く登場していました。今年3月には会社を解雇されたことへの不満を投稿していて、そういったストレスが、犯行の原因ではないかと考えられています」(全国紙社会部記者)
ここ1年以内で3度目のトラブルとなった油利容疑者。6月の在宅起訴の後、テレビ局の取材に「できる限りTwitterはもうやめたい」と反省の弁も口にしていたが、わずか2ヵ月での逮捕となった。なぜ同じ犯罪を繰り返してしまうのか。犯罪心理学が専門の出口保行氏が言う。
「背景には歪んだ自己顕示欲があると考えられます。自らが投げかけた波紋が社会に対して大きな不安や動揺を与えられたことが強い快感になる。その快感が忘れられなかったんでしょう。
SNSでの誹謗中傷は再犯率も高い。通常は動機を形成しても検挙リスクとコストを考えて犯行を思いとどまる場合が多いですが、ネットでの誹謗中傷はワンタッチで簡単に攻撃できる。社会の中で成功している・認められているという感じを持てないので、失うものはないと思っていることも拍車をかけています。したがって、犯行を容易に起こしやすいし再犯にも至りやすい。本人はSNS離れを口にしているといいますが、現実的には難しいでしょう」
まずはしっかりと、自分の罪に向き合ってほしいものだ。


撮影:蓮尾真司