屈強な男性が複数密着…金正恩「身辺警護を強化」の意外なワケ | FRIDAYデジタル

屈強な男性が複数密着…金正恩「身辺警護を強化」の意外なワケ

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7月に行われた「全国老兵大会」。笑顔の正恩氏(中央)の後ろで警護員と思われる男性が目を光らせる(画像:共同通信社)
7月に行われた「全国老兵大会」。笑顔の正恩氏(中央)の後ろで警護員と思われる男性が目を光らせる(画像:共同通信社)

4~5人の屈強な体格の男性が周囲を固める。いずれも目つきが鋭い。彼らは不審者が近づかないよう、緊張した面持ちで警戒していた――。

最近、北朝鮮の指導者・金正恩氏の近辺が物々しい。屋外に出る際は常にスーツ姿のボディガードが複数密着し、警護にあたっているのだ。

「7月末に行われた退役軍人のための『全国老兵大会』では、警護要員と思われる4~5人の男性が正恩氏の周りを護衛していました。正恩氏が退役軍人と握手する時も、他の参加者が近づかないように遮っていたんです。朝鮮中央テレビには、警備のトップである警衛局長のキム・チョルギュ氏の姿も映っていた。おそらく、ボディガードを指揮していたのでしょう。

板門店での南北首脳会談や米国のトランプ前大統領との面会など、国際舞台で正恩氏に警護がつくことは以前からありました。しかし国内行事に警備員が配置されるのは、極めて異例なことです。正恩氏は、朝鮮人民と気さくに触れ合う姿をアピールしてきましたから」(韓国紙記者)

衝撃を受けた日本の重大事件

確かに正恩氏は、軍事パレードでも地方の工場視察でもほとんど単独で行動していた。イベント参加者や住民とも気軽に記念撮影。なぜ、急に身辺警護を強化したのだろう。朝鮮半島情勢に詳しい『コリア・レポート』編集長の辺真一氏が解説する。

「7月に起きた安倍晋三元総理の銃撃事件が影響していると思われます。警護の薄さから、国のトップだった人物が殺害されたことに衝撃を受けたのでしょう。正恩氏が危機感を覚えてもおかしくありません」

背景には、刻々と変化する国際情勢も影響しているようだ。辺氏が続ける。

「5月に発足した、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の存在が大きいでしょう。尹大統領は北朝鮮を『主敵』とハッキリと断言しています。北朝鮮を吸収統一しようと考えているんです。北朝鮮が韓国に吸収されるとしたら、2つのケースが考えられます。1つは、北朝鮮が内側から瓦解すること。しかし正恩氏の独裁体制は強固で、この可能性は低いでしょう。

2つ目は武力に訴えるケースです。米国と韓国の軍隊が北朝鮮に侵入し、正恩氏が核のボタンを押す前に暗殺する。斬首作戦ですよ。実際、米国では尹政権が誕生してから暗殺部隊が2度にわたり大規模な訓練を実施しています。警護の強化は、こうした米韓の動きに対する正恩氏の警戒心の強さの表れでしょう」

米韓の脅威は、独裁的指導者の周辺の様子を一変させたようだ。

  • 写真共同通信社

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