72歳の三遊亭円楽『笑点』75歳定年制提言に復帰への“腹黒さ”
脳梗塞からの復活を目指しリハビリを続けて来た落語家の三遊亭円楽(72)が、相変わらずの毒舌ぶりを見せた。
東京・永田町の国立演芸場8月中席(11日~20日)の初日で高座復帰を果たし、その後メディアの取材に応じたが、そこで見せたのは『笑点』(日本テレビ系)のレギュラーの座を手放さないという、執念そのものだった。
会見の場では円楽の体調面だけでなく、
「今の『笑点』について率直にどう思いますか?」
とレギュラー出演する人気番組にまで質問が及んだ。
「質問者が日テレスタッフだったことから、『率直に言っていいんかい?』と確認した上で、『75歳定年制』と言い切りました。
続いて円楽の口をついたのは『大転換の時だ』『せっかく桂宮治が入って来た、代わりはいくらでもいるんだ』『しがみついてんだね、みんな、俺もそうだけど』という世代交代を促すものでした」(スポーツ紙記者)
いきなり飛び出した『75歳定年制』。これに当てはめると、84歳の林家木久扇は大きく超えており、三遊亭好楽(76)、三遊亭小遊三(75)が対象者になる。つまり
「しがみついている人」
になる。
座布団に座れず、椅子に着席してでも出演し続けている木久扇の姿は、まさに「しがみつき」の象徴そのもの。ここまで来ると、むしろ生涯現役、後進に席を譲る気など微塵も見せないところに、凄みさえ感じる。
自分のかつての芸名は息子の林家木久蔵に“生前贈与”できたが、テレビ番組のレギュラー出演枠となると、さすがに自分の一存で“禅譲”することはできないからだろう。
円楽が提唱した『75歳定年制』について、演芸関係者は次のように読み解く。
「病気で口調がおぼつかなくて、左半身が不自由でも、自分は75歳までは辞めませんよ、という意志表示ですよ。復帰を望み病気と闘っている芸人の意志を無視して、テレビ局側だって選手交代はできない。
そのあたりを見越しての提唱です。『70歳定年制』というと自分も対象になってしまいますが、そう言わないところが72歳の円楽さんらしいそろばん勘定ですね」
『笑点』の番組内では、他のメンバーに“腹黒い”とネタにされている円楽。自ら75歳定年制を提言したウラにはそんな計算が働いているのかもしれない。
PHOTO:小川内 孝行