今季1軍初昇格も 楽天・オコエ「トレードの噂が絶えない」背景 | FRIDAYデジタル

今季1軍初昇格も 楽天・オコエ「トレードの噂が絶えない」背景

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8月20日のロッテ戦で生還し先発の田中将大らに迎えられるオコエ(画像:共同通信社)
8月20日のロッテ戦で生還し先発の田中将大らに迎えられるオコエ(画像:共同通信社)

「がんばってきて良かった。自分の取りえでもあるので、ああいったギリギリの場面でもしっかりセーフになれるように走りました」

8月20日のロッテ戦で今季1軍初出場を果たした楽天のオコエ瑠偉(25)は、試合後ホッとしたように報道陣へ語った。1、2打席で凡退したオコエは、3回目のチャンスでレフト前ヒットを放つ。ロッテの投手が暴投すると2塁を陥れ、次の打者のセンター前ヒットで本塁へ突入。持ち味のスピードで5点目をもぎとったのだ。

オコエは2軍で3割以上の成績を残していた。1軍昇格が遅れた理由はなんだろう。

「オコエが本職の外野には、島内宏明や辰巳涼介、さらには日本ハムから移籍した西川遥輝がいますからね。オコエが割って入るのは、容易ではなかったんです。しかし西川が不調で2軍降格。辰巳が新型コロナウイルスに感染し、棚ぼた的に今回の昇格が決まりました」(球団関係者)

2軍でくすぶっていたのは、本人にも理由がありそうだ。

「ミスをした直後は反省するんですが、どこか甘えがある。決められた練習時間中にはキッチリとトレーニングしても、居残りなどほとんどせず引き上げてしまうんです。考えがドライなんですかね。そこまで余裕のある状況ではないと思うのですが……」(同前)

「親知らずが痛い」と途中帰国

関東一高(東京都)から16年にドラフト1位で楽天に入団したオコエ。遠投120mの強肩に2.0以上の視力、50m走5秒96、スイングスピード157kmと身体能力の高さは誰もが認めるところだろう。だがプロ入り後、満足な結果を残せたシーズンはない。

「気持ちにムラがあるんです。毎年のように『順調すぎるぐらい成長している』と自己肯定する一方、コーチや監督から注意を受けるとフテ腐れてしまう。

16年オフに台湾で行われた『アジア・ウィンター・リーグ』では、『親知らずが痛い』という理由で途中帰国。翌年のメキシコ『ウィンターリーグ』でも、初戦で3打席連続三振を喫し途中交代させられると『何もかも(想定と)違っていた』と日本に帰ってしまいました。首脳陣は、もう少し我慢強く野球に集中してほしいと頭を抱えています」(同前)

石井一久監督は、20年末オコエが契約更改した直後にこう苦言を呈している。

「考えが甘い。そろそろ出てこないと、彼自身の野球人生が苦しくなる。ここが正念場。自己評価が少し高い感じがする。もう一皮むけないと。チャンスを与えて『ハイどうぞ』という訳にはいかない」

今季初めて1軍昇格となったが、まだまだ安心できる状況ではなさそうだ。

「俊足好打の高校生として甲子園を沸かせたオコエも、プロ入り6年目です。今季も結果を残せないようなら、チームに必要のない戦力としてトレードに出される可能性があります。余裕などありません。今回の1軍昇格はラストチャンスです。せっかくの機会をものにしないと、明るい将来は待っていないでしょう」(スポーツ紙記者)

1軍出場を飛躍のキッカケにできるか、ムダに終わらせてしまうか……。結果はオコエの覚悟しだいだろう。

  • 写真共同通信社

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