<figure id="attachment_260720" aria-describedby="caption-attachment-260720" style="width: 2147px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="62a68497"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/5b08f9be417dad6a559f0e44afc1bcc7.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-260720" class="wp-caption-text">上　：『オールドルーキー』の綾野は日本代表にまでなった元Ｊリーガーの役。 下右：反町隆史や増田貴久ら脇も豪華。綾野とバディを組む芳根も光る 下左：ガーシーの影響で当初は腫れ物扱いだった綾野。「本人は機嫌よくやっており緊張は緩みつつある」（関係者）</figcaption></figure>
ここ数年――とくにこの４月から、テレビ業界で話題となっているのが「総視聴率（リアルタイムで地上波テレビを視聴している人の率）の低下」だという。
「若者を中心に動画配信やゲームなどへのシフトが進み、地上波テレビを観る人の絶対数が減っているのです。今クールのドラマも世帯視聴率は11％台が最高。全体的に不調に見えますが、こうした背景を理解していれば世帯、コア（13〜49歳男女のデータ）とも、まずまずといえるでしょう。世帯とコア、どちらが大事かといえば、広告の視聴者へのリーチが圧倒的に高いコアです。今クールのドラマの出演者たちの顔ぶれをご覧ください。一昔前と比べて主役・準主役級がすっかり若返っています。若い視聴者を掘り起こせて、広告が取れて配信でも稼げる。令和のドラマが目指す形が見て取れます」（キー局プロデューサー）
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テレビマンが重視するコア視聴率で１位（初回。以下同）に輝いたのは、スポーツマネジメントをテーマにした『オールドルーキー』（ＴＢＳ系）である。
「実在する有名アスリートが次々と登場したり、９歳の現役スケーターに２ヵ月も演技トレーニングを積ませて芝居をさせたりと、とにかく造りがリッチ。映画並みの制作費をかけている『日曜劇場』ならではですね。ネットフリックスなどで配信されている海外ドラマと比べると、どうしても日本のドラマは安っぽくて見劣りするのですが、本作は負けていない。コア、世帯とも高視聴率なのも納得です」（ライター・大山くまお氏）
本作のアキレス腱と言われていたのが、主役の綾野剛（40）。放送前から暴露系ユーチューバーのガーシーこと東谷義和氏（50）に&#8221;口撃&#8221;されていたことが危惧されていたのだが、ＴＢＳ関係者は「かえって宣伝になりました」と苦笑する。
「過去の出演作と比べて、綾野の番宣稼働は明らかに減りました。番宣稼働するにしても、宣伝部が『余計なことは言わないように』と周囲に念押しするなど、現場は相当ピリついていました。ただ、フタを開けてみたら、ドラマは絶好調。悪役も、本作の主人公のような〝情けない熱血漢〟も演じられる綾野は『私生活はともかく、いい役者だな』とスタッフの間で株が上がっています（笑）」
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ヒロイン・芳根京子（25）の株も、同じく爆騰している。
「ＮＨＫ連続テレビ小説『べっぴんさん』主演後、佐々木倫子原作の『チャンネルはそのまま！』など良作で好演を続け、ついに『日曜劇場』に登場。主役よし、脇役もよし、コメディもシリアスも青春モノもいける演技派で、フレッシュさを保ち続ける稀有な存在です」（大山氏）
世帯視聴率１位にはフジテレビの『競争の番人』が入った。大山氏が続ける。
「公正取引委員会の活躍を描く真新しさがありますが、彼らの置かれた立場や、彼らが何と戦っているのか、人々の生活にどうかかわっているのかが、いまひとつわかりにくい。一部のコメディタッチな演出も題材の重さとマッチしない。少しずつ残念な作品です」
ドラマウォッチャーの北川昌弘氏が注目しているのが、氏が「ホームランか三振かの脚本家」と評する遊川和彦作品、『家庭教師のトラコ』（日本テレビ系）だ。
「遊川脚本の『同期のサクラ』や『35歳の少女』に出ていた橋本愛（26）を、満を持して主役にキャスティング。過去の遊川作品の『女王の教室』や『家政婦のミタ』のように、主人公のキャラが大爆発する可能性があるので見逃せない」
コア視聴率は２位。本塁打となるか？
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大物脚本家でいえば、坂元裕二の『初恋の悪魔』（日テレ系）も要注目作だ。
「警察署が舞台ながら捜査権を持たない警察署員、林遣都(けんと)（31）、仲野太賀（29）、柄本佑(たすく)（35）、松岡茉優(まゆ)（27）がメインキャスト。クセ者４人のキャラクター分けがしっかりしているし、坂元作品ならではの小粋で意味深な台詞回しも健在。視聴率的には苦戦していますが、配信の成績はいい」（民放編成担当）
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永野芽郁(めい)（22）主演の『ユニコーンに乗って』（ＴＢＳ系）は評価が真っ二つ。
「コア視聴率が高く、配信も好調ですが、物語の核となるべきＩＴ関連のスタートアップ企業のリアルさも、クリエイティブの苦しみや喜びも描き切れていない。舞台装置として存在しているだけ。地方銀行の支店長まで務めた西島秀俊（51）をアナクロで無能な人間として描いていて、正視に堪えませんでした」
そう嘆く大山氏が「ドラマの新しい潮流を感じた」と注目するのが、『石子と羽男』（ＴＢＳ系）と『魔法のリノベ』（フジ系）の２作品だ。
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「いずれも男女のバディものですが、主人公とアシスタントという関係性ではなく、両者は対等。足りないものを補い合っている。恋愛関係になりそうもないのも共通していて、新鮮です」
『石子と羽男』は「電動キックボードの事故」など、新しく身近な話題を題材にしたリーガルドラマ。めるる（生見愛瑠(ぬくみめる)・20）など、注目の若手を積極起用しているのも高評価だ。
「東大卒で司法試験に４回落ちたパラリーガルの石田硝子（有村架純・29）と、高卒ながら驚異の記憶力で弁護士となった羽根岡佳男（中村倫也・35）。二人の名前をもじったタイトルがわかりづらいのが難点でしたが、第１話の見逃し配信は250万回で２位でした」（北川氏）
ちなみに同作は『アンナチュラル』『ＭＩＵ４０４』などの話題作を手掛けた新井順子×塚原あゆ子ペアが担当。今作もしっかりと爪痕を残しそうだ。
制作会社ディレクターは『純愛ディソナンス』（フジ系）に「令和のドラマ」の特徴がつまっていると言う。
「働き方改革で長時間労働が禁じられ、撮影スケジュールが前倒しされました。ドラマのギャラは１話単位だから、前倒しされて撮影日数が増えると、ギャラは同じなのに拘束時間が延びることになる。これを大御所は敬遠しました。一方、スケジュールに余裕ができて掛け持ち出演が可能になった。燻(くすぶ)っていた中堅や若手俳優にチャンスが訪れたのです」
事実、同作の主演に抜擢されたのは、若手の吉川愛（22）だった。前出のディレクターは「同作では、掛け持ち出演も目立っていた」と言う。
「『六本木クラス』で衝撃な死を遂げた優しいお父さん（光石研(みついしけん)・60）が『純愛ディソナンス』では悪役として登場。音楽教師役の筧美和子（28）なんて、ＷＯＷＯＷを含めるとこの夏、６本のドラマに出ています。隠れ売れっ子ですよ」
韓国ドラマの人気作をほぼ完コピするという奇手を放ったのが、『六本木クラス』（テレビ朝日系）だ。
「主演の竹内涼真（29）と新木優子（28）がコロナに感染。六本木はロケ場所の確保に困るのか、テレ朝敷地内での撮影が多く、『これ、テレ朝の屋上じゃん』と失笑されるなど苦難続きでしたが、ヒロイン役の平手友梨奈（21）がいいんですよ。陰のある表情から恋する乙女の繊細さまで演じ切って、存在感が光っている。一皮むけましたね」（放送作家）
第１話の見逃し配信は堂々の１位となる274万回をマーク。このまま勝ち組となれば、現場の苦労も報われそうだ。
<figure id="attachment_260718" aria-describedby="caption-attachment-260718" style="width: 2446px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="b793d231"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/bdfe1852967005aefdb06ff66002d8d5.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-260718" class="wp-caption-text">右：『家庭教師のトラコ』で橋本が扮するのは、お金の使い方と自分で考えることの大切さを教える伝説の家庭教師 中：１話完結ドラマ『魔法のリノベ』のヒロイン、波瑠 左：『ユニコーンに乗って』で永野は、IT関連ベンチャーの社長役。杉野遥亮とは美形コンビ</figcaption></figure>
<figure id="attachment_260717" aria-describedby="caption-attachment-260717" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="908ed1b5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/9faef6eac9fe854d8271da224daa46d0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-260717" class="wp-caption-text">右：竹内の髪型含めほぼ『梨泰院クラス』の完コピ。飲酒などコンプラ絡みの場面だけが日本オリジナル 左：『六本木クラス』の一番の収穫と業界でいわれているのが、クールでパンクなヒロインを好演する平手</figcaption></figure>
<a href="#" data-ident_hash="df357ede"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/WF0902_P029.jpg" alt=""></a>
『FRIDAY』2022年9月2日号より

近藤裕介（綾野、橋本、永野、竹内、平手）　結束武郎（綾野、芳根）　村田義人（波瑠）

テレビからネットへの視聴にシフトしている昨今だが、地上波の夏ドラマには健闘しているものも…。ガーシー砲を受けた綾野剛主演の「オールドルーキー」や韓国ドラマの完コピ作「六本木クラス」など、話題作はどう？

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