<figure id="attachment_260850" aria-describedby="caption-attachment-260850" style="width: 4300px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="05457f91"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/NT1_0191.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-260850" class="wp-caption-text">事故を起こし炎上したバス。車体全体が真っ黒に焦げている</figcaption></figure>
<p>事故後の現場写真を見ると、火力や衝撃の強さがうかがえる。</p>
<p>炎上した大型バスは真っ黒焦げとなり、運転手が座っていた付近は大きく陥没。衝突した高速道路の分離帯は激しく損傷していた――。</p>
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<p>事故が起きたのは、８月22日の午前10時過ぎだ。愛知県名古屋市北区の「名古屋高速道路」豊山南出口近くで、バスが側面などに衝突して分離帯へ突っ込み横転炎上。乗用車１台も巻き込まれ、火は１時間半ほどで消し止められたが２人が死亡、７人がケガをした。</p>
<p><span class="strongInContent">「亡くなった２人のうち１人は、バスの55歳の運転手です。ドライバー歴は４年ほど。勤務態度はきわめてマジメで、遅刻や無断欠勤はナシ。出勤前のアルコールチェックでも異常はなかったとか。</span></p>
<p><span class="strongInContent">バスの定員は61人ですが、事故当日に乗っていた乗客の人数は不明。『あおい交通』（愛知県小牧市）が運行していたモノでした。名古屋の中心地・栄から、県営名古屋空港に向かう途中だったそうです」（全国紙社会部記者）</span></p>
<h2>居眠りや意識を失っていた可能性も</h2>
<figure id="attachment_260855" aria-describedby="caption-attachment-260855" style="width: 4300px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="112a5841"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/NT1_0215.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-260855" class="wp-caption-text">特に運転手がいた付近の損傷がヒドい</figcaption></figure>
<p>目撃者などの証言によると、バスは「パン！　パン！」と破裂するような音を出して炎上。乗客10人ほどが高速道路上に座り、救急隊から手当てを受けていたという。</p>
<p><span class="strongInContent">「なかには、事故前からふらふらと走行していたという証言もあるんです。断定はできませんが、居眠り運転や、なんらかの理由で意識を失っていた可能性もあります」（同前）</span></p>
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<p>考えられるのが、睡眠時無呼吸症候群（ＳＡＳ）だ。近年、ＳＡＳによる大型車の事故が多発している。15年１月には、都内で路線バスが電柱と衝突し11人がケガ。17年11月には、神奈川県で路線バスが高架橋の柱に突っ込み１人が死亡、６人が重軽傷を負ったのだ。いずれのドライバーも、ＳＡＳに罹っていたことが判明している。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="潜在患者1000万人のＳＡＳ驚愕症状とは……"></div>
<figure id="attachment_260856" aria-describedby="caption-attachment-260856" style="width: 4300px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="711b328c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/NT1_0093.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-260856" class="wp-caption-text">窓はすべて吹き飛び生々しい姿が</figcaption></figure>
<p>運転手に多いＳＡＳとは、どんな症状なのだろうか。公衆衛生学が専門で、順天堂大学大学院・主任教授の谷川武氏が解説する。</p>
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<p><span class="strongInContent">「寝ている間に何度も呼吸が止まり、睡眠の質が低下。そのため、日中に強烈な眠気や疲労を感じるのがＳＡＳです。呼吸が止まる回数によって軽度、中等度、重度に分けられます。10秒以上呼吸が止まる状態が睡眠１時間あたり５回以上20回未満を軽度、20回以上40回未満が中等度、40回以上が重度です。</span></p>
<p><span class="strongInContent">日本で中等度以上のＳＡＳ患者数は、300万人とも400万人とも言われます。保険が適用されない軽度の患者を含めると成人の10％、実に1000万人ほどが罹患していると考えられているんです。特にドライバーは注意が必要。運転中に居眠りし、人の命を奪う大事故を起こしうるからです。問題は大半の患者が、自分がＳＡＳだという意識がないこと。米国での研究によると、ＳＡＳに罹っていても認識がない人は８割近くにのぼります」</span></p>
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<p>谷川氏によると、ＳＡＳになる要因は大きく４つあるという。</p>
<p><span class="strongInContent">「まず１つは、アゴの骨格が小さいこと。呼吸するための気道が狭い。舌が落ち込み気道を塞ぐこともあります。２つ目は肥満です。私が約5300人のトラック運転手を調査したところ、肥満度指数が30以上の人は標準値（18.5〜24.9）の人に比べ4.4倍の割合でＳＡＳでした。これは脂肪により気道が狭まるためです。３つ目が加齢。気道は周囲の筋肉によって広げられていますが、加齢によってそれが弱まってしまいます。</span></p>
<p><span class="strongInContent">４つ目が酒とタバコ。酒は筋肉を緩め、タバコは気道の炎症を引き起こします。痩せていてもＳＡＳの人がいますが、たいていは酒が原因です。ＳＡＳ患者に共通するのが、いびきが大きいこと。家族から『いびきがうるさい』『よく寝ている時に息をしていない』と指摘されたら、医師の診断を受けることを勧めます」</span></p>
<p>思いあたる人がいたら注意が必要だ。谷川氏によると、気道を広げ睡眠中の呼吸障害を治すための専門器具もある。命を危険にさらす大事故を起こす前に、症状を改善すべきだろう。</p>
<figure id="attachment_260857" aria-describedby="caption-attachment-260857" style="width: 4300px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="932de1a3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/NT1_0116.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-260857" class="wp-caption-text">乗用車も１台巻き込まれた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_260858" aria-describedby="caption-attachment-260858" style="width: 4300px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7f10ed66"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/NT1_0230.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-260858" class="wp-caption-text">事故を起こし炎上したバス。車体全体が真っ黒に焦げている</figcaption></figure>


夏目健司

名古屋の高速道路で大型バスが横転炎上した。２人が死亡、７人がケガ。車体は黒く焦げ事故の激しさがうかがえる。事故前にふらふら走行していたという証言も。運転手に頻発する戦慄の症状を専門家が詳しく解説する。

黒焦げ衝撃写真　ふらふら走行バス炎上「運転手に頻発の戦慄症状」

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