埼玉県出身。1982年生まれ。東京地下鉄（東京メトロ）に11年勤務した後、2017年に独立。東京圏の都市交通を中心に各種媒体で執筆をしている。

枝久保 達也

<figure id="attachment_261032" aria-describedby="caption-attachment-261032" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d1f92eac"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/4f18db95a4f7c984f5c2cf328d62a84b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261032" class="wp-caption-text">北陸新幹線「はくたか」は上越新幹線高崎駅から分岐して金沢駅まで開業。JR東日本が管轄するのは高崎～上越妙高間のみだ（写真：共同通信）</figcaption></figure>
≪鉄道開業150周年を迎える今年、JR東日本がスペシャルな企画乗車券を発売する。その名も「鉄道開業150周年記念 JR東日本パス」。10月14日から27日の連続する3日間、JR東日本全線と7社の鉄道路線が乗り放題のきっぷだ。しかも特急列車・新幹線の自由席が何回でも利用可能で、うち4回は指定席を予約できる。価格は大人22150円、子ども10150円だ。前編『まもなく発売「JR東乗り放題切符」で”佐々木朗希旅”に出よう！』で「東北海岸線を一周する旅」を提案した鉄道ライターの枝久保達也氏が、別の楽しみ方も教えてくれた≫
<a href="#" data-ident_hash="4c172672"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/bd4a3976514d2ef76cc11a5bd2d9f679.png" alt=""></a>
＜新幹線5路線乗車コース＞
JR東日本といえば東北・上越・北陸新幹線と山形・秋田のミニ新幹線のバリエーション豊かな計五路線を運行していることで知られる。2泊3日で全路線・全区間に乗りながら各地を観光しようというのが第2のプランだ。
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<figure id="attachment_261034" aria-describedby="caption-attachment-261034" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0da5375e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/pixta_10818870_M.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261034" class="wp-caption-text">新潟名物へぎそば</figcaption></figure>
【1日目】
旅は東京駅7時52分発北陸新幹線「はくたか553号」からスタートする。上越新幹線高崎駅から分岐して金沢駅まで開業している北陸新幹線は、JR東日本が高崎～上越妙高間、JR西日本が上越妙高～金沢間を運営している。つまり東日本パスで乗れるのは上越妙高までなので間違えないように。
上越妙高到着は9時54分。ここで北陸新幹線と新潟を結ぶ連絡特急「しらゆき3号」に乗り換える。上越妙高駅を10時33分に発車して、新潟駅には12時30分に到着する。新潟では2時間半ほど時間が空くので、海の幸やへぎそばなどランチを堪能するといいだろう。
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鉄道ファンなら「しらゆき3号」を終点新潟駅のひとつ前、新津駅で降りて「新津鉄道資料館」に立ち寄るのも手だ。C57形蒸気機関車から485系特急車両、上越新幹線200系車両、E4系車両など新潟で活躍した車両が飾られている。ただ駅から2.1キロ離れており、歩くのはお勧めしない。バスなら5分程度で着くのだが、昼の時間帯はバスが少なく、2時間半の余裕時間があっという間になくなってしまう。駅東口の観光案内所のレンタサイクルを利用するか、タクシーを呼んでもらうのが無難だろう。
続いて新潟駅15時37分発「とき330号」で大宮駅まで向かい、東北・山形・秋田新幹線の旅へと移り変わる。大宮駅に17時15分に到着し、17時25分発の山形新幹線「つばさ149号（全車指定席）」で山形駅まで移動しよう。山形駅到着は19時45分。やや遅くなってしまうが、ここで宿を取り、1日目の終了としたい。
<div data-friday-nextpage-lead="へぎそば、盛岡冷麺…麺めぐりの旅？"></div>
<figure id="attachment_261035" aria-describedby="caption-attachment-261035" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9f9ea49e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/952d72b51c02c613eca7a4788d6880ca.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261035" class="wp-caption-text">2日目に利用する山形新幹線「つばさ」</figcaption></figure>
【2日目】
翌日は山形駅8時59分発「つばさ121号」から再開だ。山形で観光する時間を取れなかったのは残念だが、車窓から気になるところがあればぜひ再訪してほしい。「つばさ」号は1999年に延伸した山形～新庄駅間を進む。
新庄駅に9時55分到着。すぐに同駅10時1分発の陸羽東線普通列車小牛田行きに乗り換えて東北新幹線の停車する古川駅に向かう。新幹線停車駅を結ぶ路線であるが両駅間を結ぶ列車は1日で上り3本、下り4本に過ぎない。
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古川駅には11時57分に到着。ここも乗り換え時間が短く、12時5分発東北新幹線「やまびこ55号」に乗り換え、13時12分に盛岡駅到着。2日目は秋田で宿を取りたい。秋田観光に時間を割きたいなら盛岡駅13時35分発秋田新幹線「こまち21号（全車指定席）」（秋田駅到着15時4分）、盛岡で観光するのなら盛岡駅16時35分発「こまち27号」（秋田駅到着18時12分）あたりを利用するといいだろう。
<figure id="attachment_261036" aria-describedby="caption-attachment-261036" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4fcd9b9a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/pixta_61479169_M.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261036" class="wp-caption-text">「盛岡三大麺」のひとつに数えられる盛岡冷麺</figcaption></figure>
盛岡に立ち寄るなら「わんこそば」「盛岡冷麺」「盛岡じゃじゃ麺」の「盛岡三大麺」は欠かせない。どれも駅の近くに多数の店があるので、気になる一品を探してみよう。一方、秋田の名物といえば日本三大うどん「稲庭うどん」だ。盛岡でそば、秋田でうどんを味わうのも面白い。あとは季節的にはやや早いが「きりたんぽ」や「だまこもち」を使った鍋料理もいいかもしれない。
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<figure id="attachment_261037" aria-describedby="caption-attachment-261037" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6fae0d49"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/pixta_19934427_M.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261037" class="wp-caption-text">まだ少し早いかもしれないが、秋田に行けば「きりたんぽ」も堪能できる</figcaption></figure>
【3日目】
さていよいよ最終日。秋田駅8時39分発の奥羽本線特急「つがる1号」に乗って東北新幹線の終点、青森を目指そう。青森駅到着は11時19分。ちょうどお腹が空いてくるころだ。
青森で是非、立ち寄ってほしいのが駅近くの「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」だ。青函トンネル開通以前、青森駅は本州と北海道を結んだ青函連絡線の拠点であった。八甲田丸は1988年まで用いられた実際の船で、当時の状態のまま係留保存されている。
東京と青森が初めてレールで結ばれたのは1891年のこと。当時の所要時間は丸一日以上かかったが1930年代には急行列車が12時間程度で結ぶようになり、電車特急の運行が始まった1968年には8時間半まで短縮された。
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東北新幹線が開業しても、しばらくは盛岡で在来線特急「はつかり」に乗り換えが必要で計6時間前後を要した。例えば1987年のダイヤでは、上野駅6時発の東北新幹線を利用しても、盛岡到着が9時21分、盛岡から特急「はつかり3号」に乗り換えて青森到着が11時57分、連絡線に乗り換えて函館到着が16時5分だった。
上野駅を19時50分に発車する寝台特急「ゆうづる1号」を使うと翌朝5時8分に青森駅に到着し、連絡船に乗り換えて函館到着が9時15分だった。就寝時間を有効活用できるのが夜行列車の強みだった。
ところが現在は、2010年に東北新幹線が全通し、2012年から時速320キロ運転を開始したことで、東京～新青森間は2時間58分まで短縮された。さらに2030年頃をめどに最高速度を時速360キロまで引き上げる構想だ。
そして、旅のフィナーレは、その「はやぶさ」だ。新青森～東京間最速列車に乗りたいのなら新青森駅18時25分発、東京駅21時23分着の「はやぶさ44号（全車指定席）」、もう少し早めに帰りたいならば新青森駅14時38分発、東京駅18時4分着の「はやぶさ32号」あたりがちょうどいいか。なお新幹線は青森駅ではなくひとつ隣の新青森駅から乗車するので、移動の時間は忘れないようにしよう。
≪追記：大雨に伴う秋田支社管内の被害と今後の見通し≫
JR東日本は8月25日、豪雨被害を受けた奥羽本線の運転再開には数カ月を要する見込みと発表した。工期が短縮される可能性もあるが、10月14日までに復旧が間に合わなかった場合、3日目の秋田から青森に抜けるルートが使えなくなってしまう。
本文中に記した通り全車指定席の「はやぶさ」「こまち」だが、両列車しか運行されない区間は指定席特急券以外でも乗車できる特例があるため、これを利用して盛岡まで「こまち」で戻り「はやぶさ」で新青森を目指す力技もある。
ただ幸い本プランの3日目は時間に余裕があるので、奥羽本線を普通列車で進み、不通区間は代行バスを利用することで青森を目指すことも可能。この場合、秋田駅を7時27分に出発し、東能代から大館駅間は代行バスを利用するが、大館で1時間半弱の待ち時間が発生する。
ただ大館駅前には大館出身の秋田県である忠犬ハチ公像や観光施設「秋田県の里」などがあるので待ちぼうけにはならないはずだ。11時34分に大館駅を出発して途中、弘前で乗り換え、青森駅には13時12分に到着する。
<figure id="attachment_261038" aria-describedby="caption-attachment-261038" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4e51e536"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/2018031301244.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261038" class="wp-caption-text">青森駅は青函トンネル開通以前、本州と北海道を結んだ青函連絡線の拠点。写真の八甲田丸は1988年まで用いられた実際の船で、当時の状態のまま係留保存されている（写真：共同通信）</figcaption></figure>

（鉄道ジャーナリスト）埼玉県出身。1982年生まれ。東京地下鉄（東京メトロ）に11年勤務した後、2017年に独立。東京圏の都市交通を中心に各種媒体で執筆をしている。

枝久保達也

北陸新幹線「はくたか」は上越新幹線高崎駅から分岐して金沢駅まで開業。JR東日本が管轄するのは高崎～上越妙高間のみだ（写真：共同通信） ≪鉄道開業150周年を迎える今年、JR東日本がスペシャルな企画乗車

「JR東乗り放題切符」で食べられる”新幹線５路線グルメ”

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