＜30歳以上年の離れたアルバイト先の社長と「大人の恋」を実らせたマリナさん。20歳になったばかりの彼女は、彼に家族がいることも「全く気にならなかった」。そして初めての経験は「ただただ気持ちがよかった」と言う。<a href="https://friday.kodansha.co.jp/article/260932">【前編】「『恋人はすべて既婚者』年上との不倫を繰り返した31歳美女の末路」</a>のマリナさんはその後…＞
<figure id="attachment_261017" aria-describedby="caption-attachment-261017" style="width: 1920px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e44a6115"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/female-gec0b3db91_1920.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261017" class="wp-caption-text">年上男性とのセックスで「身体が変わった」と言う彼女。夢中になった「恋」の行く末には…</figcaption></figure>
<h2>自分の身体が変わっていく感覚に溺れた</h2>
「ふたりで会うたびにエッチをせがみました。彼はとても丁寧に私の身体を扱ってくれるんです。気持ちよさが増していって、彼の姿を見るだけで身体中が熱くなるような気がしました」
マリナさんは今も、その感覚を思い出すと言う。
「それからは彼の出張についていくことが増えました。秘書という触れ込みで。今思えば、事務所の人たちは、『また彼の悪いくせが出た』くらいにしか思っていなかったんでしょうけど、私は彼を射止めたことで、自分が女としてステップアップしたような気になっていました」
性的にも「彼の好みの女になれたことがうれしかった」と彼女は言う。自分の身体が変わっていくのが実感できた。触れられた場所がすべて性感帯と化した。自宅が遠いため、「今日は友だちのところに泊まる」とよく親に連絡しては彼・ナカムラさんとホテルに泊まった。誰にも言えない秘密の関係だからこそ、身も心も彼に溺れた。
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ところがこの関係をひとりだけ見過ごしてくれない人がいた。彼の妻である。
つきあい始めて２年ほどたったころ、マリナさんは就職活動で忙しくなった。ナカムラさんは「うちに就職すればいいよ」と言ってくれたが、アルバイトからそのまま就職するのは不本意だった。自分の力を試したかった。
「就活に忙しかったころ、ある日、自宅に帰ると母が血相を変えて私に手紙を突きつけてきたんです。私の名前の脇に“ご両親さまへ”と書いてある。裏を見たら、中村という名字の女性名。彼の奥さんでした。母はすでに読んでいて、私も読むよう促された。内容は私がいかに節操がないか、自分がいかに夫を支えてきたか、結婚が遅かったので子どもはまだふたりとも高校生であること、訴える用意があることなどでした。文字が乱れていて、相当、怒ってるんだなと他人事みたいに感じました。母は『あんたをそんなふうに育てた覚えはない』と激怒していたけど、『これは彼と私の問題だから。恋愛なんだから』と言って、手紙を持って家を飛び出しました」
<h2>妻バレできっぱり別れたが</h2>
彼を喫茶店に呼び出して手紙を見せた。彼は妻が気づいていることをまったく知らなかったとうつむいた。
「今まで女遊びをしても妻は見て見ぬふりを貫いてきた。今回は僕が本気なのを悟ったのかもしれないって。そのとき私、ハッとしたんです。本来なら、私には本気なのねと喜ぶところなんでしょうけど、『女遊び』という言葉にひっかかってしまって。しょせん、女遊びから始まった関係なんだなと。今は本気だと言っても、女遊びの延長で本気になったと勘違いしているだけなんじゃないか、と」
「ご迷惑をおかけしました、さようなら」と言って、彼女は立ち上がった。振り返ったが、彼は追ってくる気配もなかった。
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ひょっとしたら夜、連絡が来るのではないか、翌日、「これで終わりにはしない」と言ってくるのではないかと思ったが、それきりだった。
「自分で自分を嘲りたい気持ちになりました。なんだかんだ言っても意気地がない男だなと彼を恨みもしました」
<h2>恨んだけど次の恋もまた…</h2>
そんな「初めての恋」に未練たらたらだったのに、第一志望の企業に入社するや上司である部長と恋に落ちた。彼女の言い分としては、「最初の彼を恨んだけど、不倫自体をもうしないと誓ったわけではない」そうだ。学生時代も新入社員時代も、同世代の男性は子どもに見えて、つきあう気にはなれなかった。
部長は当時、40代半ば。彼女より二回りほど上だった。
「配属されたときは、恋なんてする気もなかった。仕事に邁進するつもりでしたし、実際、かなりがんばったと思います。まだ何もわからないけど、与えられる仕事は迅速にこなしたし、もっと仕事をさせてくださいアピールもしていた。その年の秋には、社内でもデキる女と評判の先輩にアシスタントとしてつくことになりました。それが大チャンスとなって、先輩とふたりでちょっと大きな仕事をさせてもらって…。そのとき部長が私たちに直接、アドバイスをくれたりしたんです」
その仕事は、運も味方してくれて成功、さらにふたりが中心となったチームの仕事でまたも成功をおさめた。入社２年目にして彼女は社内で知らない人がいないような存在になる。その後、既婚だった先輩が妊娠して産休に入ると、マリナさんは直属の上司を飛び越えて部長と組んで仕事をするようになった。
「一緒にいればいるほど部長が素敵な男性であるとわかった。結婚していることも、子どもがいることも彼の素敵さを減らすことにはならない。どうしてもこの人を自分のものにしたいと思ったんです。でもそれは略奪して結婚したいということではありません。恋愛関係になりたかった。仕事でもプライベートでも彼の横にいたい。そんな思いでした」
彼女は自分から部長を誘った。ところが飲みに誘ってもふたりきりはまずいと断られる。部の飲み会でも彼は一次会が終わると、幹事に二次会費用の一部を託して帰ってしまう。隙がなかった。社会人３年目となった彼女は、実家を出て、会社と彼の自宅の中間地点にアパートを借りてひとり暮らしを始めた。
「あるとき、彼が例のごとく一次会で帰るというので、私もこっそり抜けて彼と同じ電車に乗ったんです。途中で気づいたふりをして近づき、『部長』と言って具合が悪いふりをした。彼は優しい人ですから送ってくれました。ドアの前で帰ろうとしたので、めまいがしたように倒れかけたら支えてくれて、部屋の中まで来てくれた。それでも私はふらふらしていたんです。そうしたら抱きかかえてベッドに連れていってくれた。そこで両手を彼の首に巻きつけました」
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<h2>胃袋とセックスで「虜にしてやる」と</h2>
二回りも下の女性にそこまでされたら、「男たるもの逃げられない」のではないだろうか。浮気などしたこともなかった部長は、彼女の毒牙にかかってしまった。ふたりの関係は、静かに深く３年近く続いた。
「部長とも身体の相性がよかった。年上男性でセンスがいいなと私が思う人は、結局、私にとって相性のいい人なのかもしれません。私も彼を喜ばせたくて、男性の身体について勉強しました。彼が突然、真夜中に来たことがあるんですが、ささっと夜食を作ったらすごくありがたがられました。胃袋とセックスで虜にしてやる、と決めていました」
だが、彼が地方の支社に転勤することになった。栄転だし、数年後には本社に戻ってくるのはわかっていたが、一家で引っ越すと聞いたとき、彼女の中では何かが終わったと感じたという。
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その後もマリナさんは、30代後半、40代後半と家庭のある男性と恋をした。家庭のある男性を選んだわけではない。好きになった人が家庭のある男性だったというだけだ。それぞれの人と「熱烈な恋」をしたが、前のふたりほど燃えなかった。相手が彼女の情熱と性欲についてこられなかったようだ。
そしてこの半年ほどつきあっているのが50代になったばかりの男性。この人とは趣味で始めた音楽教室で知り合った。
「30歳になったら何か趣味を見つけたいと思っていたんです。音が好きだったのでチェロを習い始めました。その教室で知り合ったのが今の彼。一緒にコンサートに行ったり、彼の趣味である落語を聴きに行ったり。人が変わると趣味が広がるのがうれしいです。彼は居酒屋評論家になれるほど居酒屋が好き。職場が違うから気楽で、金曜の夜や土曜日はほとんど彼と一緒に過ごしています」
大学生と高校生をもつ父親だが、彼女と会うときは「ひとりの男」に過ぎない。だが彼女はときおり垣間見える彼の父親としての顔も好きだという。
「彼が居酒屋で魚の骨をとってくれたことがあるんです。きれいに骨を取り除いた半身を私にくれながら、『なんだかお父さんみたいなことをしちゃったな』と照れたとき、ものすごくキュンとしました。魚の骨をとってくれるのが普通のお父さんかどうかわかりませんが、彼の別の面を見た気がして…」
<h2>年上男との「不倫」に罪悪感はない</h2>
彼が慎重に気をつけてくれさえすれば、この関係は誰にも知られないだろうと彼女は思っている。
「あるとき、ふと私って不倫ばかりしてると思ったんですが、別に罪悪感はありません。略奪なんて考えていないから。でも確実に今、彼は幸せだと思う。私も幸せです。『これは僕の最後の恋。マリナと出会わなかったら、僕の人生はこんなに豊かなものにならなかった』と彼は言うんです」
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最後までマリナさんは笑顔だった。確かに彼女に罪悪感はないのだろう。罪悪感を抱えるくらいなら不倫などしないのかもしれない。年齢差からくる「保護されている感じ」「大事にされている雰囲気」が好きではあるが、それが不倫を選ぶ理由ではないと彼女は言う。ファザコンから年上に吸い寄せられる女性とは、やはりどこか違うようだ。
「仕事ができて冷静な判断力をもつ大人の男が、私の前では素っ裸の少年みたいになるのが好きなのかもしれない。ギャップが愛おしい。家庭では父親、夫なのに、裸になればただの男。あられもない姿をさらす、目の前の『この人』が好きなだけなんです」
恋は確かに、人から肩書きや役割を奪う。素の男と女の対峙である。同世代より荒波に揉まれてきた年上男性のほうが情熱がわくのかもしれない。素と、社会的な立場のギャップは大きいほうが燃えるだろう。「これほどの男が自分に夢中になってくれている快感」に、彼女はどっぷりはまっている。

亀山早苗

＜30歳以上年の離れたアルバイト先の社長と「大人の恋」を実らせたマリナさん。20歳になったばかりの彼女は、彼に家族がいることも「全く気にならなかった」。そして初めての経験は「ただただ気持ちがよかった」

年上男性への情熱と性欲…「会うたびにせがんでしまう」恋の後始末

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