<figure id="attachment_261001" aria-describedby="caption-attachment-261001" style="width: 6000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3b834fae"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/jpp042638205.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-261001" class="wp-caption-text">3年ぶり、屋外の演舞場での開催となった阿波おどり/photo by 時事通信</figcaption></figure>
<p>今年も徳島では夏の風物詩、阿波おどりが8月12日から4日間の日程で行われた。</p>
<p>2020年は新型コロナのため中止、昨年も限定的な開催だったため、演舞場での開催は3年ぶりとなった。</p>
<p>しかし、開催後には阿波おどりの「有名連（※）で感染者が出た」といったネガティブな報道が相当数、目につく。</p>
<p><em>※有名連…阿波おどり振興協会、徳島県阿波踊り協会等に加盟する熟達した阿波おどりグループの総称</em></p>
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<p>特に顕著なのが<span class="strongInContent">地元紙の徳島新聞</span>だ。</p>
<p>8月18日の報道では、「阿波踊り(原文ママ)参加の有名連で感染広がる」と題し、阿波おどりの有名連が活動したことによってクラスターが発生したかのような書きぶりだ。</p>
<p>しかし、翌日には県庁への取材から「連員がどこで感染したか分からず、クラスター(感染者集団)が発生したとはいえない」とも報じているように、実際のところは阿波おどりとの因果関係はわかっていない。</p>
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<p>この頃は日本全国で日々20万人前後の新規感染者がおり、徳島県内でも1000人を超える日も多かった。阿波おどりと感染とが直接結びついている根拠は確実ではない。それでも、徳島新聞は「主催した『阿波おどり未来へつなぐ実行委員会』の感染対策が不十分だったと指摘する声も上がっている」と運営側への責任を問うている。</p>
<p>徳島新聞はさらに阿波おどりの検証報道でも「目立った空席」「公金投入なら異論必至」と題した記事を出すなど、批判的な報道が目立つ。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="どうして、水を差すのか"></div>
<p>かつては「主催者」として阿波おどりの中心にいた徳島新聞がなぜ地元最大の祭りに水を差すような報道ばかりするのだろうか。</p>
<p>阿波おどりの有名連で長年踊っている男性は辟易した表情で語る。</p>
<p><span class="strongInContent">「以前は徳島新聞が阿波おどりを利用して”好き放題”やっていた。ところが、いろんないざこざがあって、一昨年の市長選では新人の内藤佐和子さんが勝ち、運営の体制を大きく変えました。地元の経済団体から市民団体など幅広く30名の委員で構成する実行委員会が新たに作られたんです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">もちろんそこには徳島新聞にも入ってもらうよう要請しましたが、彼らは頑として入らなかった。以前の実行委員会では徳島新聞の社長が委員長を務めてきたが、新しい実行委員会は透明性が高く、以前のような体制ではない。はっきり言って彼らにはメリットが薄いのです」</span></p>
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<p>元をたどれば、阿波おどりを混乱させた張本人こそ徳島新聞だった。</p>
<p>2017年までは徳島新聞と市観光協会が主催者で開催されてきた阿波おどり。ところが、徳島新聞社は主催者であるのをいいことに広告看板の設置や資材の保管などをグループ企業に随意契約し、企業から得た看板広告費は15％も徳島新聞が「手数料」として抜いていた。</p>
<p>さらには有料席のチケット約10万枚のうち、人気の座席2〜3万枚を徳島新聞が事前に確保してしまい、一般販売では買えない状況になっていた。</p>
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<p>このような徳島新聞社の「暴利を貪る」行為によって積み上がった赤字は4億円を超えた。そんな中、状況を憂慮した市観光協会の幹部がその実態を『週刊現代』の取材に答えたことからこの問題が明るみに出た。</p>
<p>その後、当時の遠藤彰良市長はなぜか市観光協会に責任を押し付け、解散に追い込む。そして自ら大会実行委員長に就いたが、18年は阿波おどり伝統の「総踊り」の中止を一方的に決定して踊り手団体から強い反発を受け、状況を悪化させる。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="新市長が気に食わない"></div>
<p>さらに翌年には「赤字をなくす」として民間委託を決めたものの、1億円超えの赤字を叩き出すなどして市民を呆れさせた。</p>
<p>その醜態を見た市民が、2020年の市長選で選んだのは現職の遠藤氏ではなく、内藤氏だったが、この内藤氏を徳島新聞は敵対視しているという。</p>
<p><span class="strongInContent">「徳島新聞に対して媚を売らず、阿波おどりを彼らの利権に戻すような動きにはさせないので、徳島新聞は徹底して市長を叩く報道ばかり。市長が先頭に立ってやっている阿波おどりにも批判的な報道ばかりするのです」（地元関係者）</span></p>
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<p>実際のところ、阿波おどりの現状はどうだったのか。阿波おどり振興協会の山田実理事長はこう語る。</p>
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<p><span class="strongInContent">「まず、今回は以前とは違って有料演舞場を4つから2つに減らしています。しかも感染対策で収容を75％に減らしているのでチケットの売り上げは大幅に下がりました。その上、コロナの影響で県外からの団体ツアーが組めず、大型客船も中止になってしまった。そこは来年の課題です。それでも、総踊りは満席で盛り上がりました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">これまでは徳島新聞グループがほとんどの利益を取っていた看板広告はやめて、演舞場のネーミングライツや協賛金の募集をして新たな収益源も得た。まだまだ運営も不慣れだったので、反省点を改善していけば、収支ももっと良くできるという手応えがあります」</span></p>
<p>徳島新聞には「自らの利益」ではなく「阿波おどりの発展」のための報道をすることが求められているのではないか。</p>


小川匡則

3年ぶり、屋外の演舞場での開催となった阿波おどり/photo by 時事通信 今年も徳島では夏の風物詩、阿波おどりが8月12日から4日間の日程で行われた。 2020年は新型コロナのため中止、昨年も限定

「阿波おどり」開催に地元紙が「イヤミな報道」連発の裏事情

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