「後悔するぞ!」…死刑判決から1年「工藤会裁判」長期化の理由 | FRIDAYデジタル

「後悔するぞ!」…死刑判決から1年「工藤会裁判」長期化の理由

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一審で死刑判決を受けた野村被告。弁護団を全員解任した(画像:朝日新聞/時事通信社)
一審で死刑判決を受けた野村被告。弁護団を全員解任した(画像:朝日新聞/時事通信社)

「公正な裁判をお願いしていたんだけどねぇ。こんな裁判あるんか……。アンタ、生涯このことを後悔するぞ!」

死刑判決を受け、被告は裁判長に向かいこう言い放った。

福岡地裁で、衝撃の判決が出たのは1年前の8月のこと。足立勉裁判長は、殺人の罪などに問われていた特定危険指定暴力団「工藤会」トップの総裁・野村悟被告(75)を求刑通り死刑、ナンバー2の会長・田上不美夫被告(66)を無期懲役としたのだ。落ち着いた様子で裁判長の発言を聞いていた野村被告は、主文を告げられると表情を一変させる。証言台近くの長イスから立ち上がると、冒頭のように裁判長を威嚇したのだ。

「逮捕のキッカケは福岡県警が14年9月に始めた、工藤会幹部を一斉逮捕する『頂上作戦』です。98年2月に起きた元漁業組合長の射殺や歯科医師刺傷など、4つの凶悪事件に工藤会トップが関与していると認定。4000人規模の態勢で捜査にのぞみ、野村被告らを逮捕しました。公判は19年10月から始まっています」(全国紙社会部記者)

「何も知らないほうがいい」

 工藤会は、地元・北九州市で恐れられる存在だ。同市に住む住民が話す。

「工藤会がらみの傷害事件が起き、被害を受けた関係者に事情を聞いたことがあります。すると彼は私の肩を叩き、こう言いました。『オマエのためや。何も知らないほうがいい。オマエの親も兄弟も地元におるやろ』と。

問題が起きれば、工藤会は一般人に手を出すこともあります。昔のことですが、北九州市内のバーが、『暴力団お断り』の張り紙を玄関に貼っていたことがあるんです。しばらくすると、そのバーは銃器でメチャクチャに破壊されるような目にあいました。工藤会の倉庫には対戦車用のロケットランチャーなど、自衛隊も驚くような武器が保管されているといわれます」

工藤会トップの裁判に話を戻そう。野村被告は判決を不服としてスグに控訴。だが、裁判は長引いている。いまだに控訴審の日程すら決まっていないのだ。

 「野村被告は無罪に自信をみせていたそうです。実行犯として、事件への関与を裏づける明確な証拠はありませんでしたからね。弁護団からも『無罪を勝ちとれる』と説明を受けていたそうです。

しかし、フタを開けてみれば死刑判決。期待を裏切られた野村被告は、控訴趣意書の提出期限ギリギリの今年7月に弁護団約10人を全員解任します。おかげで日程は白紙に。野村被告は、多くの重大事件を担当した敏腕弁護士と接触しているとか。新たな弁護団を組み、控訴審で無罪を主張すると思われます。判決を引き延ばす意図もあるのでしょう。裁判は、相当長期化するとみられます」(同前)

先延ばしになる、工藤会トップへの最終判決。北九州市民が安眠できる日は、いつ訪れるのだろうか。

  • 写真朝日新聞/時事通信社

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