元西武”左のエース”に「寸借詐欺トラブル」が勃発中
本人を直撃 若獅子軍団を支えた「左のエース」に何が―― 知人からカネを借りまくり、裁判でも敗訴 それでもカネを返さず被害者は怒り心頭
遡(さかのぼ)ること20年前、’02年のプロ野球パ・リーグは西武ライオンズが制覇した。絶対的支柱・松坂大輔(41)がケガで長期離脱する中、左のエースとして獅子奮迅の活躍を見せた男がいた。当時プロ2年目の三井浩二(48)だ。三井は先発と中継ぎでフル稼働し10勝を挙げ、球宴にも出場。プロ9年で通算36勝、若獅子軍団の歴史に足跡を残したピッチャーだが――。
引退後、野球解説者や社会人野球のコーチなどの仕事を転々とした三井が、「寸借詐欺」を繰り返しているという情報を本誌はキャッチ。カネを貸してから、何かと理由をつけて返済を先延ばしにされているという複数の被害者の声を聞いた。
三井に120万円を貸して、その大半が返ってきていないという男性はこう語る。
「三井とは共通の知人の紹介で、3年ほど前に知り合いました。ほどなくして『過去の事業の出資者にダマされてカネが必要になった。120万円貸してほしい』という趣旨のメッセージが来たんです。実績のある元プロですし、分割で返済してもらう約束で指定の金額を振り込みました。ところが、数ヵ月経っても返済はない。連絡も滞りがちで、直接会えないかと日程を送ると『インフルエンザになったので予定を変更して欲しい』などと、のらりくらりと躱(かわ)されてしまいました」
被害男性は弁護士に相談、裁判を起こした。裁判は’20年11月に結審。原告の請求は全面的に認められ、三井に120万円の支払命令が下った。なお、三井は法廷に現れることはなかった。
「ところが、裁判の後も借金の返済はありませんでした。共通の知人に連絡を取ってもらって、ようやく今後の返済計画がメッセージで送られてきましたが、数回振り込みがあっただけで、まったく計画通りではありません」
別の被害男性も、次のように語る。
「’19年頃に、自身の事業の関連で三井と知り合いました。ある時、『電車の中で財布をすられたので、金を貸してほしい』と連絡があり、10万円振り込みました。その後、『娘の学費の振り込みがピンチで、40万円貸してほしい』とまたメッセージが来て、計50万円を貸しました。ですが結局、数回小額の振り込みがあっただけで、共通の知り合いに連絡しても返信がありません」
本誌取材によると、三井が「寸借」したのは、少なくとも5人にのぼる。その中には、あの参議院議員の鈴木宗男氏もいた。宗男氏はこうコメントした。
「子供の入学金、学費が足りないと言うから、私のポケットマネーで応援しました。三井君とは同じ故郷(北海道・足寄町)で、同郷の人情です。いろんな人から三井君が迷惑をかけていることは聞いていて、心配していました。彼はプロでそれなりの成績も残していました。まだ若いんだから、心を入れ替えて出直してほしい」
一体、何があったのか。三井は現在、千葉県の少年硬式野球チームの監督を務めている。練習後の本人を直撃した。
――フライデーです。借金の件ですが、皆さん心配していらっしゃいました。
「ええ……今、返せるところには少しずつ返していっている最中です」
――おカネは何に必要だったんでしょうか?
「だいぶ前に野球教室を立ち上げたんですが、その運営費で借金してから、首が回らなくなってしまって。今の借金は総額で500万円くらいです」
――お子さんの学費ではなく?
「はい、そうです。いろんな事情が重なってしまって……」
被害者が口々に言うのは、カネの返済よりも「本人の事情を知りたい」ということだった。直接彼らへ誠意ある説明があれば、苦しい事情の元エースを”救援”する策が出てくるのかもしれないが……。
『FRIDAY』2022年9月9日号より
- PHOTO:時事通信社、小川内孝行(直撃)