<figure id="attachment_263983" aria-describedby="caption-attachment-263983" style="width: 3456px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5a195684"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/DT_7205.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-263983" class="wp-caption-text">「僕はクズ芸人かもしれませんが、クズ人間ではありません」と、寝起きの腫れぼったい眼を目一杯広げて写真に納まる岡野</figcaption></figure>
「便宜上“クズ芸人”ってことで売ってますけど、“クズ人間”じゃないですからね。そこは、はっきりしとかないと」
事務所後輩のピン芸人・吉住（32)との即席ユニットコンビ『最高の人間』で、『キングオブコント2022』（TBS系）の決勝進出を決めた元『巨匠』の岡野陽一（40）だが、準決勝進出の結果発表当日の８月中旬、独占インタビューに応じてくれた。そこで、自身のキャッチフレーズともいうべき、“クズ芸人”の括りに関して、実は憤りを感じていると告白したのである。
「僕は人様から借金はしますけど、人様にたかったことはないんです！自分をクズだなんて思ったことも一度もありません！だって、クズじゃないですから」
現在の借金額は約1200万円。その原因はパチンコだ。お金を借りている相手は全て友人や芸人仲間で、普段、彼らのことを「債務者様」と呼んでいる。現在、交際中の女性の所有するタワマンで暮らし、ヒモ状態。これのどこがクズ人間じゃないというのだろう。
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「僕は人様からお金を借りますけど、基本、貸してくれる人を不快にしてないというか、不幸にはしていません。それをやったら詐欺ですから。まだ返済してないんですけど、“返す”という意志は常に伝えているというか、恋人であれば“好き”って毎日言っているみたいな。わかります？それで、相手の方もお怒りにはなってないので。つまり、返さないで飛んじゃうのが“詐欺”で“クズ”なんですけど、僕は幸か不幸か、こういうお仕事をしているので飛べないというか…。もし、自分が普通の仕事をしていたら、ダークサイドに落ちて飛んだかもしれませんけど」
そもそも、岡野は一体どういう人生を歩んできたのか。どうして、借金まみれの人生を歩むことになったのだろうか。
岡野は福井県敦賀市郊外の田舎町で生まれ、父親が教育者という躾の厳しい家庭で育った。両親の無償の愛を一身に受け、学業優秀、運動万能の優秀な子供だったそうだ。
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「小学生の頃は『神童』と呼ばれたこともあったんです。『神』の『童』と書いて『神童』です。教育者である父親のように、普通に学校の先生になりたいと思ってました。放課後には、友達と野原で日が暮れるまで野球やサッカーをやって遊んでいました。それが終わるとポケットに入れた100円玉で、自販機でジュースを買ってみんなでダベって帰るのが日課でした。そんなある日のこと。あれは８歳の時でした。自販機のジュースが110円になっていたんです。そうです！消費税の増税です！
僕はその場で崩れ落ちました。なんで10円足りないだけなのに、一滴も飲めないの？せめて80%くらいは飲ませてくれよーって。そんな時、クラスのイワサさんって女の子が『貸してあげるよ』って10円を差し出したんです。もう神様ですよ。それでアンバサを買って飲んだんですけど、めちゃくちゃ美味かった。お金借りて飲んだらこんなにうめえんだ！って。次の日、ちゃんと10円は返しましたが、あれが僕の借金の原点ですね。だから、借りたらちゃんと返すのは当たり前。
小学生の時、隣の席の人によく消しゴムって借りるじゃないですか。で、『ありがとう』って言って返すじゃないですか。お金を借りるのもこれと全く変わらないんです。タバコを一本借りても、僕は絶対に返します。僕は必ず返すという意志がある。だから、罪悪感がないんです」
そんな自称『神童』の小学生が、中学生になった途端、教師の夢をさっぱり忘れ、芸人を目指すことに。高校を卒業し京都の大学に進学するが、田舎の神童はそこでパチンコと出会ってしまったのである。
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<figure id="attachment_263985" aria-describedby="caption-attachment-263985" style="width: 3456px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4801458e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/DT_7146.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-263985" class="wp-caption-text">インタビューの間、何度も左手がパチンコの台を回す手つきに</figcaption></figure>
「18歳から26歳まで、ほぼパチンコ屋さんにいました。勝てる日もあれば負ける日もある。でも、僕が求めたのはそこじゃないんです。パチンコ台を回し続けることの素晴らしさを知ってしまったんです。つまり、回し続ければ当たりかハズレか、抽選を受けられますよね。その快感を知ってしまった。
“激アツリーチ”（パチンコで大当たりの可能性が高まった状態のこと）のためにパチンコを続けるようになってしまいました。つまり、勝ち負けなんてどうでもいい。その抽選を受けられるということが僕にとって快感になってしまったんです。そのためには、台を回し続けなければいけない。楽しいことがやってくるチャンスを逃すなってことです」
岡野は熱く、そして丁寧に、パチンコ台を回し続ける理由を語ってくれたが、今後、借金が増えることがあってもパチンコをやめることはないと言う。
「人間はバランスを取る生き物です。真面目に生きている人ほど、その反動が大きくなって何をするかわからない。そうならないために、僕はパチンコを続けています。別に勝ちたいわけではない。借金は、その結果というだけで、大した問題ではありません。ただ、はっきりさせておきたいんですけど、こんなにパチンコを愛している僕ですが、実はパチンコよりもコントを作るほうが好きなんです」
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かつて、『巨匠』というコンビを組み、2014年、第１回NHK新人お笑い大賞で準優勝し、同年より２年連続でキングオブコントの決勝へと進出。コントを作る能力は、芸人仲間からも高く評価されていた。しかし、2016年、相方の芸能界引退に伴い解散。そこから数年はメディアからも遠ざかり、地下に潜むようになってしまった。
「ここ数年、なぜか“クズ”がフィーチャーされてテレビに出させてもらってますけど、当然、クズにも賞味期限があります。クズで売るのもそろそろ終わりだと思っています。だから、今年は吉住と一緒に『最高の人間』というユニットを組んで、キングオブコントに出場したんですけど、正直、賞レースの結果はどっちでもいいんです。結果発表という抽選を受けるために出場したようなものですから。落ちたら、来年また出られますし」
『キングオブコント2022』での優勝は夢でも目標でもないと断言する。そんな台詞をのうのうと言ってのける彼の夢とは一体なんなのだろうか。例えば、同棲している彼女との結婚とか。
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「それはありません。僕は、クズとお父さんは共存できないと思っています。もちろんいますよ、お父さんでもクズの人。あれは最悪ですね。でも、『空気階段』の鈴木もぐら（35）は子供ができてクズやめましたもんね。やっぱり共存できないんですよ。だから、僕は結婚できないって思ってますよ。
夢や目標はありませんね。そんなのがあるから絶望がある。強いて言えば、沖縄に行ったことがないから行ってみたいとか、最初に持ち金を10万円って決めて、パチンコでどこまでいけるか挑戦したいとか。そうだなー、それだな。来年くらい、仕事全部休んで行ってみたいですね」
やはり、岡野は便宜的“クズ”なんかでなく、立派な“クズ人間”だと思うのだが…。
今頃、キングオブコントの決勝という抽選券を手に、ワクワク稽古の真っ最中なのか、それとも、吉住の目を盗んで、台を回し続けているのだろうか。
<figure id="attachment_263986" aria-describedby="caption-attachment-263986" style="width: 3456px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4a1d4625"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/09/DT_7198.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-263986" class="wp-caption-text">玉が出ない時は、台を回す腕をつねって「自分に痛みを与えることで神様に願いを叶えてもらおうと思った時もあった」と語る岡野</figcaption></figure>

足立百合

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クズ芸人・岡野陽一の告白「正直、結果はどっちでもいいんです」

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